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高松の地酒と肴|綾菊に合う香川県の絶品おつまみ
グルメ
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高松の地酒と肴|綾菊に合う香川県の絶品おつまみ

瀬戸内の潮風が運んでくる磯の香り、讃岐の大地で育まれた食材の旨み。高松を訪れたなら、地酒「綾菊」とともに、この土地の食の豊かさをじっくりと味わってほしい。四国有数の歴史を誇る酒蔵が醸す一杯は、香川県食文化と深く結びつき、地元の人々に愛され続けてきた。日本酒と肴のペアリングを軸に、高松グルメの真髄へと誘う。

四国最古の歴史を持つ綾菊酒造

綾菊の歴史は古く、1789年(寛政元年)の創業まで遡る。香川県綾歌郡綾川町に蔵を構え、230年以上にわたって讃岐の酒文化を守り続けてきた老舗中の老舗だ。仕込みに使う水は、讃岐山脈の伏流水。硬度が低く柔らかな軟水は、繊細で飲み口の良い酒質を生み出す。

代表銘柄は純米大吟醸「国重」。地元香川産米「オオセト」を使い、丁寧に低温発酵させた一本は、華やかな吟醸香とすっきりとしたキレが特徴だ。冷やして飲むと花のような香りが立ち、温めると米の旨みが増して表情が変わる。同じ酒でも飲み方によって全く異なる顔を見せるところに、日本酒の奥深さがある。

蔵では予約制の見学ツアーも行われており、仕込み蔵の見学から試飲まで体験できる。現地でしか購入できない酒蔵限定酒や季節限定品を手に入れる絶好の機会でもある。

瀬戸内の海の幸と綾菊の黄金ペアリング

綾菊の真価を引き出す肴として、まず外せないのが瀬戸内の魚介類だ。穏やかな内海で育った魚は脂の乗りが適度で、臭みが少ない。その淡白な味わいが、綾菊の繊細な旨みと見事に調和する。

鯛の刺身は最上の組み合わせのひとつ。香川県は鯛の養殖が盛んで、高松中央卸売市場には毎朝新鮮な活け締めの鯛が並ぶ。ポン酢と薬味で食べれば、純米吟醸の爽やかな酸味がほどよく脂を洗い流し、次の一口が進む。

カタクチイワシの南蛮漬けも見逃せない一品だ。瀬戸内で豊富に獲れるカタクチイワシを、甘酢と唐辛子で漬け込んだ定番の家庭料理。酸味と甘みが交互に押し寄せる味わいは、綾菊の辛口タイプと相性抜群。「讃岐の居酒屋で必ずある肴」と地元の酒飲みが口を揃えるほどの鉄板メニューだ。

骨付鳥と地酒の相性は折り紙付き

香川を代表するソウルフード、骨付鳥。丸亀市発祥のこの料理は今や高松でも広く愛され、市内に専門店が軒を連ねる。香辛料とニンニクを効かせた強めのスパイスで仕上げた鶏の丸焼きは、皮目がパリっとして中は肉汁たっぷり。

スパイシーな骨付鳥には、綾菊の中でも旨みのしっかりした純米酒がよく合う。脂と香辛料の刺激を酒が受け止め、口の中をリセットしてくれる感覚は一度経験すると忘れられない。「親鳥」と「ひなどり」では食感と脂の量が大きく異なるため、それぞれに合う温度帯を試してみるのも楽しい。親鳥の噛みごたえのある旨みにはぬる燗が、ひなどりの軽やかな脂には冷や酒が向いている。

発酵文化が育てた讃岐の珍味

香川の食文化には、独特の発酵食が根付いている。その代表格が「醤油豆」だ。大豆を煎ってから醤油と砂糖で甘辛く炊き上げたこの郷土料理は、ご飯のお供としても酒のつまみとしても愛されてきた。甘みと塩気のバランスが絶妙で、綾菊の旨みと寄り添うように口の中でひとつになる。高松市内の老舗豆専門店や道の駅では袋入りのものが手に入るほか、居酒屋でも小皿で提供されることが多い。

もうひとつ、酒好きにぜひ試してほしいのが小豆島産のオリーブオイルを使った漬け物だ。日本有数のオリーブ産地である小豆島では、オリーブオイルを使った加工食品が充実している。塩麴とオリーブオイルで漬け込んだ野菜の浅漬けは、あっさりしながらも風味豊か。日本酒に合わせる意外性がありながら、食べてみると納得の相性だ。

高松市内で綾菊を楽しむおすすめの場所

高松市内で綾菊を気軽に楽しむなら、兵庫町・瓦町エリアの路地に散らばる地元居酒屋が狙い目だ。グラス一杯600円前後でさまざまな銘柄を飲み比べできる店も多く、店主に「綾菊に合うもの」とひと言伝えれば、その日仕入れた旬の肴を出してくれる。

高松中央卸売市場周辺には、酒蔵の系列や地酒専門の角打ちスタイルの店もある。立ち飲みながら市場で仕入れた鮮魚の刺身を肴に、昼酒の贅沢を楽しむ常連客の姿は、この街の食文化の成熟を感じさせる光景だ。

一方、じっくり腰を落ち着けて飲みたい場合は、栗林公園近くの和食料理店がおすすめ。地元の食材にこだわったおまかせコースでは、料理ごとに綾菊の種類を変えて提案してくれる店もある。一晩かけて産地の食と酒を深く知る、そういった贅沢な時間の使い方が高松では自然に叶う。

旅の締めくくりに一本持ち帰る

高松駅から程近い高松三越や高松天満屋などの百貨店地下には、香川の地酒コーナーが充実している。綾菊も複数の種類がラインナップされており、純米酒から大吟醸まで予算と用途に合わせて選べる。1,800ml瓶で2,000円台から、贈り物向けの化粧箱入り大吟醸は5,000円前後が目安だ。

冷蔵が必要な生酒系は持ち運びに注意が必要だが、火入れ済みの製品なら常温でも安定している。旅先で出会った料理と酒の記憶は、家に帰って同じ一本を開けるたびによみがえる。高松の食卓で感じた瀬戸内の味わいを、日常の中へと連れ帰ってほしい。

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Written by

吉田 麻衣

フォトグラファー

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