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広島の地酒と肴|賀茂鶴に合う広島県の絶品おつまみ
グルメ
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広島の地酒と肴|賀茂鶴に合う広島県の絶品おつまみ

広島県広島市西条は、灘・伏見と並ぶ日本三大酒処のひとつとして名高い地域です。軟水を用いた「軟水醸造法」を確立したのが広島杜氏であり、その恩恵を最も豊かに受けた蔵のひとつが賀茂鶴酒造です。創業明治11年(1878年)、140年以上の歴史を持つ賀茂鶴は、キレがありながらも米の旨みを感じる上品な味わいで、全国の日本酒ファンから支持を集めています。今回は、そんな賀茂鶴の魅力をさらに引き立てる、広島県ならではの絶品おつまみをご紹介します。

賀茂鶴の特徴と楽しみ方

賀茂鶴を語るうえで欠かせないのが、西条の水と広島杜氏の技術です。広島の水は全国的に見ても特に軟水に分類され、ミネラル分が少ないためデリケートで繊細な醸造が求められます。この環境から生まれる賀茂鶴は、口当たりが滑らかで後味がすっきりしているのが特徴です。淡麗辛口でありながら、しっかりとしたコクと旨みが感じられます。

代表銘柄の「賀茂鶴 特別本醸造」は、日常的に楽しめる食中酒として人気が高く、冷酒・常温・ぬる燗のいずれでも本領を発揮します。一方、「大吟醸 金凰」は華やかな吟醸香と柔らかな甘みが際立ち、特別な席にふさわしい一本です。また、純米大吟醸「鶴翔」は山田錦を40%まで精米した贅沢な仕上がりで、フルーティな香りと雑味のない透明感が楽しめます。おつまみとの組み合わせも、これらの特性を念頭に置くと選びやすくなります。基本的には、香りの高い吟醸・大吟醸系は素材の香りを引き立てる淡白な料理に、旨みのある本醸造・純米系は味付けのしっかりした料理に合わせるのが王道です。

牡蠣との黄金コンビ

広島といえば牡蠣。全国生産量の約60〜70%を占める広島産牡蠣は、瀬戸内海の栄養豊かな海水と、太田川流域から流れ込むミネラルによって育まれた豊潤な旨みが魅力です。春から秋にかけては岩牡蠣、冬は真牡蠣が旬を迎えます。

賀茂鶴の淡麗な味わいは、牡蠣の磯の香りと濃厚な旨みを引き立てながら、後口をすっきりと洗い流す役割を担います。生牡蠣であれば冷酒との相性が抜群で、レモンを絞ってポン酢でいただく際のさっぱり感と、賀茂鶴のキレが見事に調和します。牡蠣の土手鍋や牡蠣フライには、常温か軽くぬる燗にした本醸造を合わせると、深みのある味わいの相乗効果が生まれます。

さらに、広島の家庭では牡蠣醤油漬けや牡蠣のしぐれ煮をおつまみにする文化も根付いています。醤油・みりん・生姜でじっくり煮詰めた牡蠣のしぐれ煮は、保存食としても優れており、濃厚な旨みと甘辛いコクが賀茂鶴の純米酒と抜群に相性が良いです。広島市内の居酒屋や海鮮料理店では、賀茂鶴と牡蠣料理をセットで提供する店も多く、まさに広島を代表するマリアージュといえます。

穴子料理との繊細な相性

宮島口を中心に広島県の名物として知られる穴子(コンガーウナギ)は、うなぎに比べて脂が少なくさっぱりとした上品な味わいが持ち味です。宮島の穴子飯は、ふっくらと炊き上げた米の上に柔らかい穴子をのせ、甘みのあるタレをかけたもので、全国からファンが訪れる広島の一大ブランド料理です。

穴子料理と賀茂鶴の組み合わせが優れているのは、ともに「控えめな主張の中に深みがある」という共通点を持つからです。白焼きにした穴子に塩と山葵を添えていただく場合は、フルーティな吟醸酒が素材の風味を活かします。タレで仕上げた穴子飯や穴子の蒲焼きには、旨みのある本醸造または純米酒を合わせることで、タレの甘みと酒の旨みが一体となった豊かな食体験が楽しめます。

近年では、宮島周辺の料理店が穴子の天ぷらや穴子の卵とじなど新しいアレンジを展開しており、それぞれに合う賀茂鶴の飲み方も幅が広がっています。穴子の天ぷらには大吟醸をきりりと冷やして合わせると、衣のサクサク感と穴子の淡白な旨みがさらに際立ちます。

瀬戸内の海の幸を使ったおつまみ

広島県は牡蠣・穴子以外にも、瀬戸内の豊富な海産物を活かしたおつまみの宝庫です。小イワシの刺身や唐揚げ、しらすのおひたし、タコの刺身や酢だこは、広島の居酒屋では定番メニューとして親しまれています。

特に「小イワシの刺身」は広島ならではの逸品で、醤油と生姜または生ニンニクで食べるシンプルな仕立てが、魚の鮮度の良さを最大限に引き出します。脂ののった小イワシのコクに対し、賀茂鶴の本醸造の爽やかな酸と辛みが絶妙なアクセントを加えます。三杯酢で締めた小イワシ(酢イワシ)は、酸味と賀茂鶴のキレが相乗して非常にすっきりとした飲み口を生み出します。

また、瀬戸内産のちりめんじゃこを使ったじゃこサラダや、広島菜漬けを肴にしながらぬる燗の賀茂鶴を一杯傾けるのも、地元流の粋な楽しみ方です。広島菜は京都の千枚漬け、奈良の奈良漬けと並んで日本三大漬菜のひとつに数えられており、その独特の歯ごたえと塩気が日本酒の旨みを引き立てます。さらに、広島県北部・庄原や三次で育つ「三次ワイン」を使った洋風おつまみを組み合わせるなど、広島の食材の懐の深さを感じさせる楽しみ方も増えています。

山の幸と広島の郷土料理もお忘れなく

広島の食は海の幸だけではありません。中国山地の恵みを受けた山の幸も、賀茂鶴との相性が光ります。広島県北部で採れる原木しいたけは、肉厚で香りが強く、炭火で焼いて醤油を一滴たらしただけで上質なおつまみになります。このシンプルな旨みに対し、賀茂鶴の純米酒を合わせると、しいたけのグルタミン酸と酒の旨みが相互に引き立て合う「旨み×旨み」の組み合わせが楽しめます。

広島の郷土料理「がんす」も見逃せません。魚のすり身に玉ねぎやニラを混ぜてパン粉で揚げたがんすは、広島風の練り物として愛されています。ソースをつけてビールとともに楽しむイメージがありますが、賀茂鶴の本醸造と合わせると揚げ物の油分をすっきり流してくれる効果があり、食が進みます。また、広島では「せんじ肉」(大腸などのホルモンを揚げたスナック)も有名で、こちらもぬる燗の賀茂鶴と相性が良い一品です。

西条の酒蔵通りで本場の味を体験する

賀茂鶴との最高のペアリングを体験するなら、やはり地元・西条の酒蔵通りへの訪問をおすすめします。JR山陽本線「西条駅」から徒歩数分の範囲に複数の酒蔵が軒を連ね、白壁と赤レンガが美しい風景は国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されています。

賀茂鶴酒造の売店では、試飲を楽しみながら季節限定の銘柄を購入できます。直営店限定の「しぼりたて生原酒」は流通量が少なく現地でしか出会えない一本で、フレッシュで力強い味わいは旅の特別な記念になります。近隣の西条の地元食材を使った惣菜屋や居酒屋では、広島の海の幸と地酒のセットを手ごろな価格で提供しており、旅の〆にふさわしい贅沢な時間を過ごせます。

毎年10月には「西条酒まつり」が開催され、全国から50万人以上の来場者が訪れる一大イベントとして賑わいます。各蔵が趣向を凝らした限定酒を出品するほか、地元グルメや広島の食材を活かしたつまみブースも充実しており、まさに賀茂鶴をはじめとする西条の地酒と広島の食を一度に体験できる絶好の機会です。広島の地酒文化を肌で感じるなら、このタイミングに合わせた旅程をぜひ検討してみてください。

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Written by

木村 さくら

地域プロモーター