
月の井酒造店
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神磯の鳥居に程近い大洗の地で、慶応元年(1865年)の創業以来160年超にわたり酒を醸し続けてきた月の井酒造店。「松前屋」の称号で始まり、中秋の名月を受けた波頭が金波銀波に輝く美しさにちなんで「月の井」と名づけられた老舗蔵が、港町大洗に根ざした独自の醸造哲学を今も守り続けています。
酒質設計をしない、という哲学
現代の酒造りで最重要とされる「酒質設計」——事前に目指す味や香りを決めて工程を緻密に組み立てる手法——を、月の井はあえて採用しません。ワインの世界における「テロワール」(土地の個性)と同じ発想で、大洗という環境そのものを醸造の主役に据えるためです。
太平洋に面した温暖な気候と、ミネラル豊富な中硬水。この自然条件のもと、厳選された米を十分に溶かしきり、微生物に命の限り発酵しきらせます。温度コントロールはせず、現代的な冷蔵設備ではなく昔ながらの蔵で醸す。その結果として生まれるのは、大洗の蔵にしか宿らない、その瞬間その土地固有の酒です。
山吹色・琥珀色のお酒が語るもの
月の井のお酒を初めて目にした人は、その色に驚くかもしれません。一般的な日本酒の無色透明とは異なり、ほんのりとした山吹色や琥珀色——これは素材の旨味が凝縮された複雑な味わいのあらわれです。
もうひとつの大きな特徴が、他に類を見ないほど突出した「緩衝力」。味や刺激を和らげ、まとめる包容力のことで、どんな料理にも、どんな飲み方にも寄り添う懐の深さを持ちます。体になじみ飲み疲れを抑えるとされており、「毎日でも飲みたくなる」酒として地元の人々に長く飲み継がれてきた理由がここにあります。
3つのブランドと造り手たち
現在は八代目・坂本直彦氏と杜氏・石川達也氏が蔵を担い、性格の異なる3つのブランドを展開しています。全国から厳選した米で造る最上の地酒「月の井」、究極の有機のお酒と位置づける「和の月」、そして地元の米を一貫して手がける新ブランド「彦市」。それぞれが大洗の自然を異なる切り口で表現した酒です。
蔵元直売所で出会える限定品
蔵には直売所が併設されており、自社製造の日本酒に加え、旬の季節商品や醸造副産物を活かした食品・雑貨なども揃います。大洗観光の折に立ち寄れば、店頭でしか手に入らないものと出会えることも。なお蔵見学は受け付けていないため、酒との出会いは直売所が窓口になります。
港町大洗で漁船の出船入船を祝い、食卓に喜びをもたらしてきた月の井の酒。神磯の鳥居が見守るこの地でしか生まれない一本を、ぜひ手に取ってみてください。
アクセス
鹿島臨海鉄道大洗駅から徒歩約20分
営業時間
9:00〜17:00
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店舗詳細
- 対応言語
- 日本語 / 英語
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