グルメ
高松の夜食ガイド|飲んだあとは讃岐うどん、古馬場の深夜グルメ案内
高松の夜は瓦町と古馬場から動き出す
高松の夜遊びと夜食の舞台は、市の中心部に集まっています。起点になるのは、ことでん(高松琴平電気鉄道)琴平線・長尾線・志度線の三路線が乗り入れるターミナル、瓦町(かわらまち)駅。その周りには丸亀町・南新町・田町・常磐町・ライオン通りといったアーケードが連なり、全体で「日本有数の長さ」とも言われる高松中央商店街を形づくっています。昼は買い物客でにぎわうこのアーケード一帯が、日が暮れると飲食店とネオンの街へと表情を変えるのが高松流。新幹線はありませんが、JR高松駅やことでん高松築港駅から歓楽街までは徒歩圏で、観光や出張のあとそのまま夜へ繰り出せる距離感です。
古馬場とライオン通り——高松一の歓楽街
夜食を語る前に、まずは舞台となる繁華街を押さえておきましょう。高松随一の歓楽街とされるのが、古馬場町(こばばちょう)です。スナック・バー・居酒屋・クラブが路地裏まで密集し、平日でも夜明け近くまで人の流れが絶えません。隣り合うライオン通りは、大正期の映画館「ライオン館」に名を残すアーケード商店街で、夜になると約百軒の飲食店や居酒屋が看板を灯します。古馬場で深く飲み、ライオン通りで軽く一杯、というはしごが地元の定番動線。歓楽街・商店街・うどん店・ラーメン店がすべて徒歩数分の圏内に収まっているため、高松の夜は「移動が短く、〆まで完結しやすい」のが大きな特徴です。
「飲んだあとはうどん」——高松だけの〆文化
高松の夜食を一語で表すなら、やはり〆のうどんに尽きます。「飲んだあとはラーメン」が全国の常識だとすれば、うどん県・香川では〆は讃岐うどん。地元では「締めうどん(〆うどん)」という言葉がすっかり日常語になっており、飲み会の終盤に「うどん、行く?」と声がかかるのが当たり前の光景です。
これを支えているのが、夜から深夜にかけて営業するうどん店の存在です。全国のうどん店が昼に閉まるのに対し、高松の中心部には夜だけ暖簾を出し、深夜まで打ちたて・茹でたてを出す店が点在します。歓楽街で飲んだサラリーマンや観光客が、終電前後にカウンターでうどんをすする——香川以外ではなかなか見られない夜の風景です。
メニューで覚えておきたいのが、〆の定番として人気を集めるカレーうどん。いりこ(煮干し)でとった讃岐ならではの出汁にカレーを合わせた一杯で、コシの強い手打ち麺によく絡み、酔った身体にじんわり染みます。素のかけうどんやしょうゆうどんも軽くて〆向き。値段はかけ系がワンコイン前後、カレーうどんでも七百円前後が一般的な相場の目安で、〆の一杯としては財布にやさしいのも高松ならでは。観光客向けの行列店ではなく、夜にひっそり開くこうした店こそ、高松の夜食文化の本丸です。
骨付鳥でビールを重ねる夜
うどんと並ぶ香川のもう一つの看板が、骨付鳥(ほねつきどり)です。丸亀市発祥のご当地グルメで、鶏のもも一本をにんにくの効いたスパイスで味付けし、専用の窯やオーブンでこんがり焼き上げた一品。高松の古馬場・ライオン通り周辺にも専門店や居酒屋メニューとして根付いており、夜の主役級のつまみになります。
骨付鳥には二つの顔があります。歯ごたえがしっかりして噛むほどに旨みが出る「おやどり(親どり)」と、ふっくらジューシーで皮が香ばしい「ひなどり(若どり)」。通はおやどりを好み、食べやすさならひなどり、という住み分けで、両方を頼んで食べ比べる人も少なくありません。にじみ出た肉汁にキャベツを浸して食べるのが地元流で、塩気とにんにくがビールやハイボールを際限なく進ませます。価格は一本あたり九百円から千三百円程度が目安。香ばしい一本を齧りながら飲む時間こそ、高松の夜の醍醐味です。
もう一軒の〆——深夜の中華そば
うどんが王道とはいえ、高松の〆はうどん一辺倒ではありません。古馬場やライオン通りの周辺、そして街外れには、深夜まで——店によっては明け方まで——営業する昔ながらの中華そば店が点在しています。澄んだ醤油スープにシンプルな具という、いわゆる「ご当地中華そば」のスタイルで、こってりよりもさらりと飲み干せる軽さが、酒のあとの胃袋にちょうどいい塩梅です。
こうした深夜の中華そば店は、おでんを名物にしている店が多いのも特徴。ラーメンを待つあいだに大根やこんにゃくを一品つまみ、最後にもう一杯だけ飲む——「ラーメン屋でもう一軒」が成立してしまうのが、高松の夜食の懐の深さです。中華そば一杯はおおむね六百円から九百円前後が相場の目安。うどんで〆るか、中華そばで〆るか、その日の気分で選べるのが、麺どころ高松ならではの贅沢といえます。
夜歩きと〆の実用メモ
高松の夜食を満喫するうえで便利なのが、繁華街のコンパクトさです。瓦町駅を中心に、古馬場・ライオン通り・田町商店街がすべて徒歩数分圏に収まるため、店から店への移動で疲れません。鉄道で帰る場合はことでんが足になりますが、終電はおおむね深夜0時前後と早めなので、深夜まで腰を据えるつもりなら最初からタクシー帰りを織り込んでおくと安心です。歓楽街にはタクシーが流しており、市内中心部のホテルまでなら短距離で戻れます。
おすすめの流れは、まず居酒屋で瀬戸内の魚や骨付鳥をつまみに飲み、古馬場でもう一軒はしごして、最後に深夜営業のうどん店でカレーうどんをすする——という高松らしい夜の動線。中華そばで〆る日があってもいい。飲んだあとに必ず麺で締めくくる、その自然な習慣そのものが、うどん県・高松の夜食文化の正体です。
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