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全国B級グルメ完全ガイド|ご当地ソウルフードで旅する日本の食文化地図
グルメ
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全国B級グルメ完全ガイド|ご当地ソウルフードで旅する日本の食文化地図

B級グルメ」という言葉が生まれて数十年。高級食材でも有名シェフでもなく、地元の人が日常的に食べる「庶民の味」こそが、その土地の文化と歴史を最もリアルに映し出すと、今や世界的に認められています。2006年に始まったB-1グランプリは毎年数万人が参加するイベントに成長し、地方創生の起爆剤にもなりました。今回は食べ歩きライターが実際に現地で食べ歩いた全国のB級グルメを、都市別に徹底解説します。

静岡:富士宮やきそば・浜松餃子・しぞーかおでんの三傑

静岡県が誇るB級グルメの筆頭は、B-1グランプリ史上最多3回のグランプリを誇る富士宮やきそばです。マルモ食品やマルソウなどの地元製麺所が作る「蒸し麺」を鉄板で炒め、鶏の油かすと削り粉(いわし系のだし粉)でうまみを底上げするのが特徴です。ソースで炒める一般的なやきそばとは全く異なる、太くてコシの強い麺と濃厚な風味が食べる人を虜にします。富士宮市内には専門店が70軒以上あり、観光で訪れる際は浅間大社の参道周辺から回るのが効率的です。

浜松市の浜松餃子は、もやしをトッピングし円形に並べて焼くスタイルが特徴的。皮は薄くパリッとした食感で、キャベツ多めの淡白な味は何個でも食べられます。「石松餃子」「むつぎく」など老舗が多く、1人前20個という大ボリューム提供もコスパの高さも人気の一因です。昼食時の行列は覚悟を。

静岡市ではしぞーかおでんも見逃せません。黒はんぺんや黒いスープが特徴で、青のりとだし粉をふりかけて食べる独特のスタイルは静岡市民の日常に深く根ざしており、駄菓子屋や屋台でも気軽に楽しめます。

松山:鍋焼きうどんと愛媛グルメの奥行き

愛媛県松山市松山鍋焼きうどんは、アルミ鍋で供される素朴なうどんですが、煮干しベースの甘辛い出汁と細いうどんの組み合わせが絶妙です。「アサヒ」「ことり」「天政」などの老舗が市内中心部に集中。1杯500円前後というリーズナブルな価格も魅力で、観光客だけでなく地元の会社員や学生も通う庶民の食堂として長年愛されています。ランチ時にだけ営業する店が多いため、朝11時を過ぎたら急いで向かうのがコツです。

松山市内の観光スポットでは蛇口からポンジュース(みかんジュース)が出てくる仕掛けもあり、グルメ観光の新名物として定着しています。さらに愛媛グルメを深く楽しみたいならじゃこ天も押さえておきたい一品。ウルメイワシなどの小魚をすり身にして揚げた練り物で、素朴なおやつとしても、うどんのトッピングとしても活躍します。道後温泉本館周辺の食べ歩きと組み合わせると、より充実した食の旅になります。

盛岡:三大麺で構成される麺王国

岩手県盛岡市は「盛岡三大麺」で全国から食通を集めます。じゃじゃ麺は平打ち麺に肉味噌・ニンニク・ショウガを混ぜて食べるもので、食べ終わった器にお湯と生卵を入れて「チータンタン」という麺汁スープにして飲み干すスタイルが独特。白龍(パイロン)が元祖として知られ、長年通い続けるリピーターが絶えません。

冷麺は韓国の冷麺をベースに盛岡で独自進化したもの。噛み応えのある弾力麺を牛骨ベースの透き通ったスープで食べます。ぴょんぴょん舎や盛楼閣が有名店で、辛さは好みで調整可能。スイカやキムチが添えられるのが盛岡スタイルで、7月下旬には「盛岡冷麺祭り」も開催されます。

わんこそばは観光体験として有名ですが、その本質は岩手南部から伝わるそば文化の集大成。「東屋」「寿荘」などが老舗として名高く、一口サイズのそばを次々と注がれる独特の形式で、平均的な成人男性で70〜100杯程度が目安です。達成感と満足感を同時に得られる体験型グルメとして、食通のみならず旅行者にも人気です。

高松:骨付鳥と讃岐うどん食べ比べ

香川県高松市では骨付鳥が近年全国区のB級グルメとして脚光を浴びています。丸亀市の一鶴(いっかく)が発祥で、スパイシーな香辛料をまぶした若鶏と親鶏を高温のオーブンで焼いた逸品。親鶏は噛み応えがあり旨みが凝縮、若鶏はジューシーで柔らかく、好みが分かれます。出てきた鶏油にキャベツを浸して食べる豪快さが癖になります。

讃岐うどんの食べ歩きは、「セルフ式」「一般店」「製麺所系」の3スタイルを1日1軒ずつ回るのが上級者の楽しみ方。セルフ式は1杯150〜300円程度と格安で、天ぷらや薬味を自分でトッピングするシステムが地元の食文化を体感させてくれます。朝7時から営業する店も多く、朝うどんで1日をスタートさせるのが高松流。「山越うどん」のかまたまや「がもううどん」の素うどんなど、地元民御用達の名店を巡る「うどん県の旅」は香川観光の定番コースです。

B級グルメ旅行の心得と実践的アドバイス

昼食時間帯に老舗へ向かう: B級グルメ名店の多くはランチ専門か昼のみ賑わいます。人気店は11時半には行列ができることも多く、開店直後か閉店間際を狙うのが賢明です。

地元民に「どこで食べる?」と聞く: ガイドブックに載っていない「地元の台所」を教えてもらえることがあります。タクシー運転手や宿の主人は特に情報通で、地元民しか知らない名店を紹介してくれることも珍しくありません。

食後の土産は「同じ味が再現できるもの」を選ぶ: 富士宮やきそばの麺・盛岡冷麺の乾麺・松山のじゃこ天など、現地の味を再現できる食材を買って帰ると旅の余韻が長続きします。現地製麺所のオンライン通販を利用すれば自宅でも本場の味が楽しめます。

B-1グランプリ出場実績をチェックする: グランプリ出場・入賞団体の料理は、地域を挙げて品質管理と普及活動に取り組んでいることが多く、観光客でもアクセスしやすい体制が整っています。初めてのB級グルメ旅なら、グランプリ実績のある地域から攻めるのがおすすめです。

日本の食文化の豊かさは、一流レストランだけでなく、路地裏の屋台や地元のセルフ食堂にこそ宿っています。旅先でB級グルメを一口食べた瞬間、その土地の歴史と人々の暮らしが舌の上で語りかけてくるような体験は、何物にも代えがたい旅の醍醐味です。次の旅先では、有名観光地と並んで地元のソウルフードを訪ねる計画をぜひ立ててみてください。

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Written by

田村 健太

フードライター・B級グルメ研究家

日本刀×日本文化体験

観光スポットと刀剣文化をつなぐ多言語展開。