観光・体験
高松サイクリングガイド|屋島・庵治半島の海岸周回から小豆島マメイチ・島巡りまで
高松は「海と島を自転車でつなぐ」街
高松のサイクリングが特別なのは、市街地を出てすぐに瀬戸内海の海岸線と、フェリーで渡る島々が待っているからです。栗林公園やサンポートを歩いて巡るのもよいですが、自転車なら屋島をぐるりと回り、庵治半島の岬を越え、さらに港から船に乗って小豆島や直島まで足を延ばせます。市内にはレンタサイクルもあり、平地の市街と海沿いの一本道、そして島のヒルクライムまで、一日で性格の違う走りを組み合わせられるのが、この街ならではの面白さです。
まずはレンタサイクルで走り出す
高松市内には、中心部の複数のポートで借りられるレンタサイクルがあります。料金や受付時間、返却できる場所は運営者の最新の案内で確認してください。市内の移動や、後述する香東川沿いのフラットなコースなら一般車で十分。一方、坂の多い島々をめぐるなら、現地で電動アシスト車を借りるか、自分のロードバイクをフェリーに積み込むのがおすすめです。
海岸ロングの王道——屋島一周と庵治半島
高松の海岸サイクリングを代表するのが、屋島と庵治半島をつなぐ周回ルートです。屋島はぐるりと海に囲まれた台地で、ふもとの道からは女木島・男木島の浮かぶ多島美を間近に望めます。そこから牟礼を経て庵治半島へ入り、半島を一周する道を北上していきます。庵治・牟礼の一帯は、花崗岩「庵治石」の産地として知られる“石の里”で、五剣山のふもとに採石場(丁場)が点在する独特の景観も、走りながら楽しめます。海沿いのなだらかなアップダウンを基本に、体力に応じて山上へのヒルクライムを加えられるのが魅力です。距離が長くなるので、途中の休憩場所や補給のポイントを事前に地図で確かめてから走り出しましょう。
のんびり走れる川沿いの道——香東川自転車道
がっつり登るのは苦手、という人に向くのが香東川自転車道です。香東川の堤防沿いに整備された自転車道で、車を気にせず川風を受けながら走れるのが魅力です。家族連れや初心者でも安心して川沿いを流せるコースで、終点側の塩江温泉郷まで足を延ばせば、走ったあとに温泉でひと息つくこともできます。
ヒルクライムの目玉——屋島スカイウェイ
登りごたえを求めるなら、屋島スカイウェイは外せません。かつて有料道路だった道が無料化された登坂路で、ふもとから屋島の山上まで、源平の古戦場として知られる一帯を眺めながら駆け上がります。途中には目の錯覚で坂が逆に見える「ミステリーゾーン(おばけ坂)」もあり、走って楽しいヒルクライムとして人気です。登り切った山上からは、瀬戸内の島々が一望できます。
フェリーで小豆島へ——一周「マメイチ」
一日たっぷり走りたいなら、高松港からフェリーで小豆島へ渡りましょう。島を一周する通称「マメイチ」は距離も登りもある中級者向けのコースです。海沿いの絶景と細かな登りが交互に続きます。途中には、オリーブ公園や、干潮の時間帯に砂の道が現れるエンジェルロード(土庄町)など、見どころが連続します。脚に余裕があれば、寒霞渓へのヒルクライムを加えるのも小豆島ならではの楽しみです。小豆島は醤油づくりの「醤の郷(ひしおのさと)」や手延べそうめんの産地としても知られ、走り疲れた体には島ならではの食もごちそうになります。
自転車を積んで島巡り——女木島・男木島・直島
もっと気軽に島の空気を味わうなら、フェリーに自転車を積んで渡る島巡りがおすすめです。高松港からは女木島・男木島へ向かう船が出ています。女木島は鬼ヶ島伝説で知られ、男木島は小さな島で、島内は細い坂道が多く、上陸後は徒歩での散策が中心になります。アートの島として知られる直島へも高松港から船で渡れます。坂が多い島なので、電動アシスト車を借りるなど、体力に合わせた回り方を考えましょう。自転車を船に積めるかどうかや料金は航路ごとに異なるため、運航会社の案内で確認してください。
走り終えたら讃岐うどんで補給
高松でのサイクリングの楽しみのひとつが、走り終えたあとの讃岐うどんです。農林水産省の郷土料理データベースによると、香川県でうどんづくりが盛んになったのは、雨が少なく温暖な気候が良質な小麦の栽培に適していたこと、瀬戸内海で煮干しの原料となるカタクチイワシが豊富にとれたこと、塩づくりが盛んでその塩を使う醤油が小豆島などで生産されていたことなど、複数の条件が重なったためとされています(出典: 農林水産省「うちの郷土料理」しっぽくうどん)。秋から冬には、季節の野菜を煮干しのだしで煮込んでかける「しっぽくうどん」も味わえます。
走る前に——時期と安全のメモ
瀬戸内は比較的雨が少なく温暖で、春と秋がもっとも走りやすい季節です。夏は日差しと暑さが厳しいので、早朝発と水分補給を徹底しましょう。島へ渡る計画では、行きだけでなく帰りのフェリー時刻を先に確認しておくのが鉄則で、便数が限られる島もあります。エンジェルロードのように干潮の時間帯でしか見られない名所は、潮見表でタイミングを合わせると確実です。海沿いは風が強い日もあるため、無理のない距離設定で、潮風と多島美の景色を存分に楽しんでください。
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