観光・体験
高松サイクリングガイド|屋島・庵治半島の海岸周回から小豆島マメイチ・島巡りまで
高松は「海と島を自転車でつなぐ」街
高松のサイクリングが特別なのは、市街地を出てすぐに瀬戸内海の海岸線と、フェリーで渡る島々が待っているからです。栗林公園やサンポートを歩いて巡るのもよいですが、自転車なら屋島をぐるりと回り、庵治半島の岬を越え、さらに港から船に乗って小豆島や直島まで足を延ばせます。市内のレンタサイクルが安く、平地の市街と海沿いの一本道、そして島のヒルクライムまで、一日で性格の違う走りを組み合わせられるのが、この街ならではの面白さです。
まずはレンタサイクルで走り出す
高松市営のレンタサイクルは、高松駅前・瓦町・サンポートなど複数のポートがあり、借りたポート以外でも返却できます。料金は2026年時点でおおむね6時間100円・24時間200円が目安と、観光地としては破格です(最新の料金・受付時間は各事業者で要確認)。市内の移動や、後述する香東川沿いのフラットなコースなら一般車で十分。一方、坂の多い島々をめぐるなら、現地で電動アシスト車を借りるか、自分のロードバイクをフェリーに積み込むのがおすすめです。
海岸ロングの王道——屋島一周と庵治半島(約60km)
高松の海岸サイクリングを代表するのが、屋島と庵治半島をつなぐ周回ルートです。屋島はぐるりと海に囲まれた台地で、ふもとを走る県道150号からは女木島・男木島の浮かぶ多島美を間近に望めます。そこから牟礼を経て庵治半島へ入り、半島を一周する県道36号(高松牟礼線)を北上していきます。庵治・牟礼の一帯は、高松城や大阪城の石垣にも使われた最高級の花崗岩「庵治石」の産地として知られる“石の里”で、五剣山のふもとに採石場(丁場)が点在する独特の景観も、走りながら楽しめます。総距離は約60km、獲得標高は約880mが目安で、海沿いのなだらかなアップダウンに、あじ竜王山公園や屋島スカイウェイのヒルクライムを好みで足せる構成です。スタート地点には房前公園そばの道の駅があり、トイレや情報ステーションで準備を整えてから走り出せます。
のんびり走れる専用道——香東川自転車道(約24km)
がっつり登るのは苦手、という人に向くのが香東川自転車道です。正式には香川県道269号(塩江香川高松自転車道線)で、高松市郷東町から塩江町まで、香東川の堤防沿いを約24kmにわたって自転車・歩行者専用で走れます。車を気にせず川風を受けながら、高松空港の脇を抜け、栗林公園のすぐ北、高松市中心部まで一本でつながるのが魅力。家族連れや初心者でも安心して川沿いを流せるコースで、終点側の塩江温泉郷まで足を延ばせば、走ったあとに温泉でひと息つくこともできます。
ヒルクライムの目玉——屋島スカイウェイ
登りごたえを求めるなら、屋島スカイウェイは外せません。かつて有料の屋島ドライブウェイだった道が、2018年5月に高松市道として無料化された約3.7kmの登坂路です。高低差はおよそ260m、平均勾配は7%台で、ふもとから標高282mの屋島山上まで、源平古戦場を眺めながら一気に駆け上がります。途中には目の錯覚で坂が逆に見える「ミステリーゾーン(おばけ坂)」もあり、走って楽しいヒルクライムとして人気です。登り切った山上からは、瀬戸内の島々が一望できます。
フェリーで小豆島へ——一周「マメイチ」約82km
一日たっぷり走りたいなら、高松港からフェリーで小豆島へ渡りましょう。高速艇なら約30分、フェリーでも約1時間で土庄港に着きます。島を一周する通称「マメイチ」は約82kmで、獲得標高は1,000mを超える中級者向け。海沿いの絶景と細かな登りが交互に続きます。途中には、約2,000本のオリーブが茂るオリーブ公園や、干潮時の約2時間だけ砂の道が現れるエンジェルロード(土庄町)など、見どころが連続します。脚に余裕があれば、寒霞渓へのヒルクライムを加えるのも小豆島ならではの楽しみです。小豆島は約400年の歴史をもつ醤油づくりの「醤の郷(ひしおのさと)」や、ごま油を使って引き延ばす手延べそうめんの産地としても知られ、走り疲れた体には島ならではの食もごちそうになります。
自転車を積んで島巡り——女木島・男木島・直島
もっと気軽に島の空気を味わうなら、フェリーに自転車を積んで渡る島巡りがおすすめです。高松港から雌雄島海運の「めおん」で、女木島まで約20分、男木島まで約40分。自転車の積載は片道340円が目安です(要確認)。女木島は鬼ヶ島伝説で知られ、男木島は周囲約5kmの小さな島ですが、島内は車の通れない細い坂道が多く、上陸後は徒歩での散策が中心になります。アートの島・直島へは高松港からフェリーで約50分。周囲約16kmで坂が多いため、宮浦港で電動アシスト車(一日800〜1,500円が目安)を借り、草間彌生の南瓜や地中美術館を巡るのが定番です。
走る前に——時期と安全のメモ
瀬戸内は比較的雨が少なく温暖で、春と秋がもっとも走りやすい季節です。夏は日差しと暑さが厳しいので、早朝発と水分補給を徹底しましょう。島へ渡る計画では、行きだけでなく帰りのフェリー時刻を先に確認しておくのが鉄則で、便数が限られる島もあります。エンジェルロードのように干潮の時間帯でしか見られない名所は、潮見表でタイミングを合わせると確実です。海沿いは風が強い日もあるため、無理のない距離設定で、潮風と多島美の景色を存分に楽しんでください。
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