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B級グルメ行脚 2泊3日|盛岡・高松・熊本を食べ歩く東西食の旅と予算別モデルコース
グルメ
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B級グルメ行脚 2泊3日|盛岡・高松・熊本を食べ歩く東西食の旅と予算別モデルコース

「B級グルメ」とは、格式よりも庶民性・地域性・コストパフォーマンスを重視した郷土の味。その土地に行かなければ食べられない本物の味を求めて、今回は盛岡・高松・熊本の3都市を横断する「食の旅」をプランニングしました。ただ名物を列挙するのではなく、各都市の食文化の背景と、実際に旅行者が2泊3日で体験できるコースを提案します。

なぜこの3都市か――B級グルメの多様性を体験する理由

盛岡(岩手)・高松(香川)・熊本(熊本)という組み合わせには意味があります。東北・四国・九州という地理的な多様性だけでなく、それぞれが「海の幸主体」「農産物主体」「牧畜と農業の融合」という異なる食文化圏を代表しているからです。3都市を制覇することで、日本の地方食文化のバリエーションを効率的に体感できます。いずれの都市もインバウンド需要の高まりを受けてB級グルメの発信に力を入れており、食の情報が以前より格段に整備されています。

盛岡の食文化――東北の麺王国

岩手県の県庁所在地・盛岡は「麺の街」として知られています。盛岡冷麺・じゃじゃ麺・わんこそばという「盛岡三大麺」はいずれも全国的な知名度を誇ります。近年は「麺活」という言葉も定着し、1日に複数軒をはしごする旅行者も増えています。

盛岡三大麺の食べ比べ術

じゃじゃ麺(盛岡B級グルメの代表格) うどんに似た平打ち麺に肉味噌・きゅうり・生姜をのせた「ジャジャン麺」が起源の庶民食。盛岡市内の老舗「白龍(ぱいろん)」が元祖とされ、麺を食べ終えた後に卵と鶏ガラスープを加えて「チータンタン」(卵スープ)にする〆の文化が独特です。1人前450〜650円とリーズナブルで、昼時は行列ができることも。辛さの調整もできるため、辛いものが苦手な方でも安心して楽しめます。

盛岡冷麺 朝鮮半島由来の冷麺が盛岡で独自発展した一杯。キムチの辛みと牛骨スープのコクが特徴で、スイカやりんごを添えるのが盛岡流。「盛楼閣」「ぴょんぴょん舎」などの名店が市内に点在しており、辛さが数段階から選べる店も多い。夏はもちろん、寒い季節でも温かい食堂で食べる冷麺はクセになる美味しさです。

わんこそば 東北のB級グルメの王様ともいわれる「一口サイズのそばを次々と給仕する」スタイルの饗宴。観光客向けに「何杯食べられるか」の記録挑戦ができる食堂が複数あり、100杯超えで認定証がもらえる店もあります。食べ放題スタイルの店では2,000〜3,000円前後が相場で、薬味の種類も豊富。

盛岡予算別おすすめ

  • 500円〜: じゃじゃ麺(白龍本店)
  • 1,000円〜: 盛岡冷麺(ぴょんぴょん舎)
  • 2,000円〜: わんこそば体験(東家本店など)

高松の食文化――讃岐うどん王国と骨付鳥

香川県の高松は「讃岐うどん」を筆頭に、独自のB級グルメが充実した食の聖地。観光庁が認定する「食の都」のひとつにも挙げられ、食目的のインバウンド訪問者が増え続けています。

讃岐うどんの「正しい」食べ方

高松のうどん店には「セルフ式」「一般店」「製麺所型」の3タイプがあります。セルフ式では自分でうどんを釜から取り出し、天ぷらや揚げ物をトッピングして会計するスタイルが一般的。価格は1玉280〜400円台と驚くほどリーズナブルで、お腹いっぱい食べても600〜700円台に収まることも珍しくありません。

地元民に愛される「朝うどん」文化も見逃せません。早朝5〜7時から営業する製麺所型の店では、農家や漁師が仕事前に立ち寄る朝食のうどんを体験できます。観光客が足を踏み入れると少し驚かれることもありますが、それもまた旅の醍醐味。打ちたての麺に熱々のかけ出汁をかけただけのシンプルな一杯が、忘れられない味になるはずです。

骨付鳥(高松B級グルメの雄)

丸亀発祥の骨付き鶏もも肉のスパイシーローストは、今や香川を代表するB級グルメに成長。「一鶴」が元祖とされ、「おやどり(親鳥・硬め)」と「ひなどり(若鶏・柔らかめ)」の2種から選べます。スパイスと肉汁がしみ出た皿の底にパンを浸して食べるスタイルも定番で、地元客の間ではむしろそれが楽しみだという声もあるほど。高松エリアにも元祖「一鶴」の店舗があり、丸亀まで足を延ばさなくても味わえます。

高松予算別おすすめ

  • 300〜500円: 讃岐うどん(セルフ式・1〜2玉)
  • 700〜1,300円: 骨付鳥ひなどり(一鶴など)
  • 1,500円〜: かけうどん+各種天ぷら盛り合わせ

熊本の食文化――馬肉文化と多彩なソウルフード

九州の中央に位置する熊本は、馬肉消費量日本一の都市。熊本城周辺やアーケード街を歩きながら楽しめる食べ歩きグルメも充実しており、食の充実度は九州随一とも評されます。

馬刺し――熊本B級グルメの象徴

熊本の馬刺しは、しょうが・ニンニク醤油で食べる赤身の旨みが際立つ逸品。スーパーや精肉店でもテイクアウト可能で、300〜600円から楽しめます。赤身・霜降り・たてがみ(白肉)など部位による食べ比べも人気で、専門店ではそれぞれの味わいを丁寧に説明してくれるところも。馬肉を日常的に食べる文化が根付いているため、品質と鮮度の基準が高く、旅行者が一切れ食べるだけでその差を実感できます。

からし蓮根と太平燕

蓮根の穴に辛子味噌を詰めて揚げた「からし蓮根」は熊本の郷土料理の代表格。アーケード内の惣菜店で揚げたてを購入でき、その場でかぶりつくストリートフード感覚が旅行者に好評です。「太平燕(タイピーエン)」は春雨・野菜・海老ベースのヘルシー麺料理で、学校給食にも登場するほど地元に根付いたソウルフード。中華系食堂だけでなく、定食屋や居酒屋のランチメニューにも並ぶため、地元の日常食として体験しやすい一品です。

熊本ラーメンも忘れてはいけません。豚骨ながら白濁せずにあっさりとした風味が特徴で、揚げニンニクや焦がしマー油が香ばしいアクセントになっています。福岡の豚骨とは一線を画す独自のスタイルは、食べ比べ目的で九州を旅する人にとって必訪の一杯です。

熊本予算別おすすめ

  • 500円〜: からし蓮根テイクアウト+熊本ラーメン(単品)
  • 1,000〜1,200円: 太平燕ランチセット(中華系食堂)
  • 1,500〜2,500円: 馬刺し盛り合わせ(居酒屋・専門店)

2泊3日モデルコース――B級グルメ行脚旅

移動の考え方

盛岡↔高松↔熊本を1回の旅で回るには航空機利用が現実的(新幹線では距離がある)。「東京起点で盛岡→高松→熊本」のルートで飛行機を組み合わせると効率的です。早割やLCCを上手に使えば、3都市間の移動費を抑えることも可能です。

1日目:盛岡(岩手)

  • 昼: じゃじゃ麺(白龍本店)でB級グルメデビュー、チータンタンまで完食
  • 夕: 盛岡冷麺(ぴょんぴょん舎)と岩手地ビールで乾杯
  • 〆: 余力があればわんこそば体験に挑戦(翌朝便が早い場合は省略可)

2日目:高松(香川)

  • 朝: 製麺所型うどんで地元流「朝うどん」体験(5〜7時台)
  • 昼: セルフ式うどん2〜3軒の食べ比べ(1軒あたり300〜500円なので予算も抑えやすい)
  • 夜: 骨付鳥(一鶴)でひなどり+おやどりの食べ比べ

3日目:熊本(熊本)

  • 朝: アーケード散策+からし蓮根テイクアウト
  • 昼: 太平燕ランチ(地元食堂でリーズナブルに)
  • 夕: 馬刺し盛り合わせ+熊本ラーメンで旅の締めくくり

B級グルメ旅の真髄

B級グルメの価値は安さだけではありません。その土地の気候・産業・歴史が凝縮された「食の自画像」を体験することにあります。盛岡の麺文化は東北の小麦・そば文化の交差点、讃岐うどんは小麦・水・塩という讃岐平野の恵みの産物、熊本の馬肉文化は九州の牧畜文化と農耕文化の融合です。

近年、地方のB級グルメは単なる「安くてうまいもの」から、地域のアイデンティティを伝える文化的資産へと再評価が進んでいます。SNSやグルメメディアで発信される情報が増えた一方で、老舗や路地裏の名店は依然として「現地に行かなければわからない」魅力を保っています。事前に情報を収集しながらも、現地で偶然出会う一杯・一皿の発見を大切にすること——それがB級グルメ行脚の醍醐味であり、旅を何度でも繰り返したくなる理由です。

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Written by

田中 和子

九州・東北グルメライター、地域食文化研究家