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高松ウェルネスの旅|香川県で叶える心身のリセット
ヘルスケア
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高松ウェルネスの旅|香川県で叶える心身のリセット

高松は、瀬戸内海に面した香川県の県庁所在地でありながら、都会の喧騒とは無縁のゆったりとした時間が流れる街です。人口約42万人のコンパクトな都市でありながら、金刀比羅宮での精神修養、塩江温泉での湯治、栗林公園でのマインドフルネスウォーキングなど、心身を本質的にリセットするためのリソースが凝縮されています。高松空港からリムジンバスで約40分という好アクセスも、旅のハードルを下げてくれる大きな魅力です。

瀬戸内式気候の恩恵により、高松は全国でも有数の晴天率を誇ります。年間降水量は約1,000mmと東京の半分以下で、雨を気にせず屋外で過ごせる日が多いのも特徴です。この穏やかな気候そのものが、滞在するだけで自然とリラックスをもたらしてくれる環境を作り出しています。

金刀比羅宮での座禅・瞑想体験

香川を代表する霊場、金刀比羅宮では、一般の方も参加できる座禅・瞑想プログラムが定期的に開催されています。初心者向けの座禅体験は所要時間60〜90分で、参加費は志納金(500円〜1,000円)のみ。住職による丁寧な指導のもと、正しい姿勢と呼吸法を学びながら、20分×2セットの座禅に取り組みます。

境内の静寂な空間で目を閉じ、自分の呼吸だけに集中する時間は、普段どれほど雑念に振り回されているかを気づかせてくれます。特に参道を囲む杉木立から差し込む木漏れ日の中での体験は、都市部の瞑想スタジオでは決して再現できない自然の静謐さに満ちています。

本格的なリトリートプランでは2泊3日の宿坊滞在(15,000円〜25,000円)で、座禅・写経・精進料理を通じて心を整えるプログラムが体験できます。精進料理は動物性食材を一切使わず、季節の野菜や豆腐を丁寧に調理したもの。食べること自体をマインドフルに行う実践として、普段の「ながら食い」とは異なる豊かな体験をもたらしてくれます。

栗林公園でのマインドフルネスウォーキング

高松での瞑想体験をさらに深めてくれるのが、国の特別名勝に指定された栗林公園を舞台にしたマインドフルネスウォーキングです。江戸初期から藩主の庭として百年以上かけて造営された約75万平方メートルの庭園は、歩くたびに異なる風景が現れる「回遊式庭園」の傑作です。

ガイド付きプログラム(90分3,000円〜5,000円)では、歩行瞑想の基礎から五感を使った自然観察まで、体系的にマインドフルネスを学べます。一歩一歩に意識を向け、足裏が地面に触れる感覚、風が肌をなでる感覚、水面に映る空の揺らぎをただ観察する時間は、日常から切り離された深い気づきをもたらします。

芝生広場では早朝ヨガクラス(60分1,500円〜2,500円)も開催されており、屋島と瀬戸内海を望みながらのヨガは格別です。日の出直後の空気の清澄さと、遠くに見える島々のシルエットは、体を動かしながら自然との一体感を高めてくれます。自分のペースで実践したい方には、金刀比羅宮から栗林公園まで約30分の「瞑想散歩ルート」もおすすめです。

塩江温泉での湯治とボディリセット

高松市街地から車で約40分の山間に湧く塩江温泉は、約850年の歴史を持つ四国最古の温泉郷の一つです。アルカリ性単純泉の柔らかな湯は「美肌の湯」としても名高く、pHは約8.5〜9.0とやや高め。長時間の入浴でも肌への負担が少なく、疲弊した体をゆっくりと回復させてくれます。

38〜40度のぬるめの湯に15〜20分浸かる半身浴は、リラックスにつながると考えられており、ストレスをやわらげるのに役立つといわれています。塩江の旅館では、この温度帯での入浴を推奨している施設も多く、湯治の効果を最大限に引き出せる環境が整っています。

旅館によっては温泉入浴に加え、地元の柑橘や香川の野草を使ったハーブバスや足湯プログラムを提供しているところもあります。夕食には讃岐の食材を活かした郷土料理とともに、地元の地酒「綾菊」を少量楽しむのも、香川のウェルネス文化の一端に触れる体験です。

デジタルデトックスの実践

高松滞在中にぜひ試していただきたいのがデジタルデトックスです。スマートフォンの電源を切り、SNSから離れて過ごす時間は、想像以上のリフレッシュ効果があります。総務省の調査によると、スマートフォンの1日の平均利用時間は成人で4〜5時間に達しており、この画面凝視による慢性的な目・首・肩の疲労は「テクノストレス」として近年注目されています。

塩江温泉の一部の旅館では、デジタルデトックスプラン(一泊二食付き15,000円〜25,000円)を用意しており、チェックイン時にスマートフォンをフロントに預けることで、意図的に「つながらない時間」を確保できます。代わりに文庫本や手帳を持参するのがおすすめで、瀬戸内海と屋島の絶景を眺めながらの読書や日記は、スクリーンタイムとはまったく異なる集中と解放感をもたらします。

デジタルデトックス後に初めてスマートフォンの画面を見た瞬間、「自分がどれほど画面に依存していたか」を実感する方が多いといいます。この気づき自体が、日常生活の習慣を見直す出発点になります。

リトリート体験を日常へ持ち帰る

高松でのウェルネス体験を一過性の旅行で終わらせないために、帰宅後の生活への取り入れ方を意識しておくことが大切です。

朝5分の瞑想習慣は、金刀比羅宮で学んだ呼吸法を使えば特別な道具なしに自宅でも続けられます。息を4秒かけて吸い、7秒止め、8秒かけてゆっくり吐く「4-7-8呼吸法」は、自律神経を整えるのに役立つとされ、就寝前に行うとリラックスしやすくなるといわれます(効果には個人差があります)。

週末の散歩では、スマートフォンをポケットにしまい、高松で体験したマインドフルネスウォーキングを意識してみましょう。入浴時間を15分以上確保し、38〜40度のぬるめの湯にゆっくり浸かる習慣は、塩江温泉での湯治効果を日常でも部分的に再現する方法です。月に一度「ノースマホデー」を設けることも、デジタル疲労のリセットとして有効です。

高松という地が与えてくれる静けさと自然の豊かさは、訪れた人の心に確かな変化を刻みます。その体験を記憶の中だけに留めず、小さな習慣として日々の暮らしに織り込むことで、ウェルネスの旅は終わることなく続いていくのです。

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Written by

伊藤 健一

フードコーディネーター