観光・体験
高松市の夕日・夕景スポット — 屋島の「ゆうやけい」と瀬戸内多島美に沈む夕焼け
海が北に開ける街で、夕日はどこへ沈むのか
高松の夕景を語るうえで、まず押さえておきたい地形の事情があります。高松の市街地は瀬戸内海に向かって北側が開けており、海の上には女木島(めぎじま)・男木島(おぎじま)といった島々が浮かんでいます。つまり「海そのものを正面に見る」のは北向き。一方、夕日が沈むのは当然ながら西です。
そのため高松で「海に沈む夕日」を狙うなら、西側に海や島影が抜けるスポットを選ぶのがコツになります。具体的には、市街地の東にそびえる屋島の西向き展望台、市街地から港へ続くサンポートの海岸線、そして西の五色台が突き出す岬。この三つが、高松の夕景めぐりの軸になります。ここからは、瀬戸内のどの方角に海と島影が抜けるかを意識しながら、高松ならではの夕景スポットを紹介します。
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屋島・獅子の霊巌 — 夕焼けから夜景へ続く「ゆうやけい」
高松の夕景を代表するのが、テーブルのように平たい台地・屋島(やしま)の山上にある展望台、獅子の霊巌(ししのれいがん)です。標高約290mの南嶺、高松港に面した断崖の上にあり、視界は西向き。眼下に高松の市街地、その奥に五色台の稜線、海上に男木島・女木島の島影が広がります。
ここが特別なのは、夕焼けがそのまま街の夜景へとつながっていく点です。獅子の霊巌からの夕陽は「日本の夕陽100選」に選ばれ、同時に日本夜景遺産にも認定されており、日没から街の灯がともるまでを一つの場所で見届けられる、全国的にも珍しい「ゆうやけい(夕焼け+夜景)」スポットとして知られます。日没の30分ほど前に着いて、空が橙から紫へ移ろい、やがて高松港を中心に光が散りばめられていく一連の流れを腰を据えて眺めるのが正解です。
屋島山上へは屋島ドライブウェイで車で上がれるほか、2022年には起伏と曲線が美しい約200mの回廊型施設「やしまーる」が誕生しました。壁全体が大きなガラス窓になっており、風が強い日や寒い季節でも景色を楽しめる心強い存在です(夜間まで開く日や時間は時期により変わるため、最新情報の確認をおすすめします)。
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サンポート高松と赤灯台「せとしるべ」 — 海に沈む夕日と港のたそがれ
高松駅の北側、海に向かって整備された再開発エリアがサンポート高松です。屋島のような高台ではなく、海面と同じ目線で夕日と向き合えるのがここの魅力。赤灯台へと延びる玉藻防波堤の海岸線は北西からさらに西寄りを向いており、季節によっては夕日がしっかりと海へ沈んでいきます。視線の先には瀬戸大橋の方向が広がります。
サンポートのシンボルが、高松港から歩いてすぐの防波堤の先に立つ赤灯台「せとしるべ」。正式名称を高松港玉藻防波堤灯台といい、一辺約20cmのガラスブロックを約1,600個積み上げた世界初の総ガラス張りの灯台です。日が落ちると灯台全体が赤く発光し、たそがれの港にともる姿はとても幻想的。防波堤を歩いて灯台のたもとまで近づけるので、夕日と灯台を一枚の絵に収められます。
高松駅から徒歩圏という手軽さも大きな利点で、車がなくても旅程に組み込みやすいスポットです。日没後は、港のすぐ近くにある昭和初期の倉庫街を再生した一角・北浜alley(きたはまアリー)まで足を延ばし、ノスタルジックな路地でひと息つく流れもおすすめです。
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五色台 — 瀬戸内海へ突き出た岬から、海に落ちる夕日
「やはり遮るもののない海へ、夕日がすとんと落ちる景色を見たい」という方には、高松市と坂出市にまたがる溶岩台地・五色台(ごしきだい)を。標高約400mの高台を走る五色台スカイラインの随所に展望所が点在し、瀬戸内海に向かってドライブそのものを楽しめます。
なかでも台地の北端、海へ鋭く突き出した大崎の鼻(おおさきのはな)と、その一帯の大崎山園地は屈指の夕陽ポイント。展望は北西側に大きく開け、屋島、大槌島・小槌島のおむすび形の島影、対岸の鷲羽山、そして条件がよければ瀬戸大橋や岡山県・児島半島の山並みまで見渡せます。
太陽の沈む位置は季節で動き、春分・秋分はほぼ真西、春から夏にかけては北西寄り、秋から冬にかけては南西寄りへと変化します。海に沈む夕日を素直に狙うなら、日没位置が北西へ振れて海面に光の道が伸びる春から夏が見頃。瀬戸内の多島美と瀬戸大橋を背景に、海そのものへ落ちていく夕日を堪能できます。
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峰山公園 — 街の灯と多島美を一望する高台
市街中心部から南西へ約2.5km、石清尾山塊(いわせおさんかい)に広がる峰山公園(みねやまこうえん)は、街に近い高台で夕景から夜景までを楽しめる場所です。標高232.6mの石清尾山に整備されたアウトドアゾーンで、最上部の展望台からは五色台から屋島までを一望できます。
北側に瀬戸内海と高松の市街地、南側に讃岐平野と讃岐山脈が広がり、日が傾くと街全体がオレンジに染まり、やがて約180度のパノラマ夜景へと表情を変えていきます。海へ沈む夕日というより、夕景に染まる街と島影を俯瞰するのが峰山らしい楽しみ方。駐車場から展望台までは徒歩で15分前後の上り坂があるため、歩きやすい靴で、日没に余裕を持って向かうのが安心です。
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島から眺める夕日 — 女木島・男木島
もう一歩踏み込みたい方には、高松港からフェリーで渡る女木島・男木島から夕日を眺める選択肢も。女木島までは約20分、男木島まではさらに約20分です。桃太郎伝説の鬼ヶ島として知られる女木島では、標高約190mの鷲ヶ峰(わしがみね)展望台から、すぐ隣の男木島や高松の街並み、西に直島や瀬戸大橋までが見渡せます。海上に浮かぶ島から見る夕焼けは、本土の展望台とはまた違った趣です。
ただし注意したいのが最終便の時刻。日没まで島で粘ると帰りの船がなくなる季節もあるため、夕日を島で楽しむ場合は必ず最新の時刻表を確認し、無理のない計画を。海上タクシーを使う手もあります。
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夕景めぐりの実用メモ
高松の夕日は、海に沈む夕日を正面で狙うなら五色台かサンポート、夕焼けから夜景まで続けて味わうなら屋島・獅子の霊巌、街と多島美を俯瞰するなら峰山公園、と性格で覚えておくと動きやすくなります。車派は屋島ドライブウェイや五色台スカイライン、公共交通派は高松駅から歩けるサンポートが起点に向きます。
どのスポットも、瀬戸内では太陽が沈む位置が季節で大きく動くのが特徴。海面に夕日が落ちる景色は概ね春から夏が本番で、秋冬は日没が南西へ振れます。いずれも日没の30分前には到着し、橙から紫、そして街と港の灯へと移ろう瀬戸内のたそがれを、ぜひ自分の足で見比べてみてください。
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