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高松の地域おこし最前線|香川県を元気にする挑戦者たち
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高松の地域おこし最前線|香川県を元気にする挑戦者たち

人口減少と高齢化という波を受けながらも、高松市では多彩な地域おこしが着実に花開いています。高松藩の城下町として栄え、「讃岐のうどん文化」は江戸時代にまで遡る歴史を持つこの街が、伝統を礎に新たな価値を創造する挑戦へと踏み出しています。移住者やUターン者、そして地元の若者たちが主役となり、高松の未来を切り拓くプロジェクトが次々と生まれているのです。

コンパクトな街にすべてが揃う暮らしやすさ、瀬戸内海讃岐平野に抱かれた豊かな自然、そして全国屈指の食文化——こうした地域資源を外へ発信する「内から湧き上がる」地域おこしの姿は、全国の地方都市のモデルケースとしても注目されています。「地域おこし」は特別な人だけのものではなく、一人ひとりの小さなアクションの積み重ねが街を変える原動力になります。

地域おこし協力隊の活躍

香川県では毎年10〜30名の地域おこし協力隊員が着任しており、任期最長3年間にわたって地域に根ざした活動を展開しています。月額報酬は16万6千〜22万5千円で、住居は自治体提供のケースが多く、実質的な生活コストを抑えながら地域貢献できる仕組みです。

ミッションの内容は地域の課題に直結したものが揃っています。お遍路の新たな観光コンテンツ開発、特産品のEC展開、柑橘農家の担い手育成プログラム、伝統工芸のデジタルマーケティング支援など、四国・讃岐ならではの多彩なテーマが設定されています。実際に任期終了後も約6割の隊員が香川に定住し、起業や就農を通じて地域の新たな担い手となっているデータもあり、単なる短期支援にとどまらない人材定着の効果が評価されています。

応募は総務省の公式サイトや各自治体の募集ページから可能で、オンライン説明会も定期的に開催されています。「まずは話だけ聞きたい」という段階から気軽に参加できる間口の広さも、応募者増加につながっています。

空き店舗活用と特産品開発

高松市中心部の丸亀町商店街や片原町エリアでは、空き店舗を活用した新ビジネスが次々と誕生しています。築数十年の古い建物をリノベーションしたカフェ、シェアキッチン、アートギャラリー、ゲストハウスなど、若い起業家たちが古い箱に新たな命を吹き込んでいます。

改装費補助金(上限50万〜200万円)を活用すれば初期投資を大きく抑えた創業が可能です。なかでも「チャレンジショップ」制度は注目を集めており、空き店舗を月数万円という低コストで短期貸し出しすることで、若い起業家の最初の一歩を後押ししています。試験的な出店を経て本格創業へと進む事業者も増えており、商店街に新陳代謝をもたらしています。

特産品の分野でも革新が続いています。香川県産の柑橘を使ったクラフトジンやクラフトコーラ、さぬきの塩を活かした加工食品など、地域の食材を独自発想で商品化する動きが相次いでいます。これらはふるさと納税の返礼品としての認知度も向上しており、一度体験した人がリピーターとなり、オンラインコミュニティやファンクラブへと発展するケースも出てきました。「買う」行為が関係人口の入り口になっているのです。

観光振興と関係人口の創出

栗林公園金刀比羅宮といった既存の観光資源に加え、近年は「体験型コンテンツ」の開発が急ピッチで進んでいます。丸亀うちわの制作体験、讃岐うどん・骨付鳥の食べ歩きツアー、瀬戸内海の島々を巡るカヤックツアーやサイクリングルートなど、「モノ消費」から「コト消費」へのシフトに対応した新しい観光の形が生まれています。

農泊や漁師体験など、地域の人々と直接ふれ合えるディープな体験プログラムも人気を集めています。単に風景を眺めるだけでなく、地元の暮らしに入り込む体験が、訪れる人の心に深い印象を残します。そうした体験を通じて「また来たい」「ここに住みたい」と思う「関係人口」を育てることが、高松の持続可能な活性化の鍵となっています。実際に年間延べ5,000人以上のリピーター関係人口を獲得した事例も報告されており、定住への橋渡しとしての効果も注目されています。

インバウンド対応も強化されています。多言語対応のWebサイトやSNSアカウントの整備が進み、台湾・韓国・欧米からの旅行者向けのガイド育成も進行中です。瀬戸内国際芸術祭との相乗効果もあり、香川・高松エリアへの国際的な関心は着実に高まっています。

あなたにできる地域おこし

高松の地域おこしに参加するのに、特別なスキルや資格は必要ありません。高松まつりのボランティアや月1回の清掃活動から始めて、週末マルシェへの出店(出店料2,000〜5,000円程度)で得意分野を地域に還元するのも良いでしょう。お遍路道の整備ボランティアは四国ならではの地域貢献として、県外参加者にも開かれています。

日常的な発信も立派なアクションです。地元農産物を使ったレシピをSNSに投稿する、行きつけの店や絶景スポットを写真付きで紹介する——そんな小さな発信が、高松を知らない誰かの「行ってみたい」「住んでみたい」というきっかけになることがあります。フォロワー数は関係ありません。誠実な体験の言語化が、一番強いPRになります。

地域おこし協力隊への応募や移住相談窓口の活用など、より踏み込んだ形での参加も選択肢にあります。高松市の移住支援センターでは、オンライン相談から現地視察ツアーまで段階的なサポートが整っています。「住む人が誇れる街」を一緒につくる喜びは、高松での暮らしに深い意味と充実感を与えてくれるはずです。

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Written by

山田 太郎

フードライター

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