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函館の朝市・市場ガイド|早起きして味わう地元の食文化
グルメ
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函館の朝市・市場ガイド|早起きして味わう地元の食文化

函館の朝市や市場は、この街の食文化の原点ともいえる場所です。早朝から活気にあふれる市場には、津軽海峡と函館湾が育んだ新鮮な食材と、生産者の情熱が詰まっています。海鮮丼・いかそうめんの本当の美味しさを知りたいなら、市場で食べる朝ごはんに勝るものはありません。函館空港から市内まで車で約20分、新函館北斗駅からもアクセスしやすいこの街で、まず向かうべき場所は市場です。

函館の市場文化と歴史

函館の市場文化は、幕末の開港とともに発展してきました。1859年の開港以来、函館は北海道最大の貿易港として栄え、全国各地から物資が集まる商業都市として発展。その中心を担ったのが市場でした。明治時代には魚市場が整備され、漁師・仲買人・一般市民が一堂に集う「まちの台所」として機能してきた歴史があります。

現在の函館朝市は1945年(昭和20年)の終戦直後、行商人たちが自然発生的に集まったことに始まります。約250店舗が軒を連ねる現在の規模になるまでには数十年の歴史があり、地元の人々の生活と密接に結びついてきました。観光客向けの側面が強まった現在も、早朝の時間帯は地元の飲食店主や料理人が仕入れに訪れ、本来の市場の空気感が残っています。

函館湾と津軽海峡という二つの海域に面した地理的特性が、豊かな魚種をもたらします。春はホタテ・ホッケ、夏はイカ・ウニ・アワビ、秋はサンマ・鮭、冬はタラ・カニと、季節ごとに主役が替わるのも函館の市場ならではの魅力です。

朝6時スタート!市場で食べる絶品朝ごはん

市場の朝は一般の観光客が想像するよりはるかに早く始まります。午前3時頃から漁船が帰港し、4時には仲買人による競りが行われ、5時にはすでに鮮魚が並ぶ光景が広がります。一般の来訪者にとってのベストタイムは午前6時から8時。この時間帯は品数が豊富で、食堂も順次オープンします。

函館朝市の名物は何といっても海鮮丼です。人気店では、イクラ・ウニ・カニ・甘エビ・ホタテなどを贅沢に盛り合わせた「函館丼」が1,800円前後。味噌汁・漬物付きのセットが多く、朝食としての充実度は申し分ありません。イカの本場・函館らしいいかそうめんの定食は1,200円前後で提供されており、透き通った細切りのイカに甘めのタレがよく合います。

朝からしっかり食べたい方には、焼き魚定食(880円〜)がおすすめです。ホッケ・カレイ・鮭など日替わりの焼き魚に温かいご飯・味噌汁・副菜3品がつく、地元の漁師やトラック運転手御用達のセットです。観光地価格ではなく、あくまでも「働く人の朝ごはん」として設定された良心的な価格が嬉しいポイントです。

食べ歩きで楽しむ市場グルメマップ

市場内の通路に沿って並ぶテイクアウト専門の屋台は、食べ歩き派に最適です。炭火で焼き上げた焼きホタテは一個250円、揚げたてのイカのかき揚げは300円、北海道産ジャガイモを使ったコロッケは一個150円と、少量ずつ色々な味を楽しめる価格設定です。

特に人気が高いのが「いかめし」です。もち米を詰めて甘辛く炊いたイカは一個300円前後で、函館土産としても定番ですが、市場で買えば出来立てを温かいまま味わえます。昆布の産地としても知られる函館ならではの昆布おにぎり(200円)も、シンプルながらも滋味深い一品。全店を回っても合計2,000円前後で十分楽しめます。

注意点として、人気の店舗は午前8時頃に売り切れてしまうことも珍しくありません。とくにウニや活ガニを扱う店は早い時間ほど品質・品数ともに充実しています。通路が狭く混雑するため、大きなキャリーケースは持ち込まず、身軽な服装で訪れるのが賢明です。

地元民が使う穴場スポット

観光客が集中する函館朝市から少し離れた場所に、地元民御用達の市場があります。中でも注目は中島廉売(なかじまれんばい)です。函館駅から路面電車で約10分の中島廉売商店街は、昭和の雰囲気を色濃く残す生活密着型の商店街。青果・鮮魚・惣菜・乾物など約100店舗が並び、観光地価格ではなく純粋に地元の人々の台所として機能しています。

野菜は一袋100円〜、魚は丸ごと一匹300円〜と、朝市に比べてさらに割安。地元のお母さんたちが買い物しているその横で、旬の食材を手に入れる体験は旅の思い出にもなります。惣菜コーナーでは昼過ぎから値引きが始まるため、午後の訪問もおすすめです。

また、函館市中央卸売市場の一般開放日(毎月第2・第4土曜日の早朝)も見逃せません。普段はプロ向けの市場ですが、この日は一般市民も入場可能で、業者価格に近い値段で高品質な食材が手に入ります。事前に函館市の公式情報を確認してから訪問しましょう。

市場でのお買い物術と持ち帰りのコツ

新鮮な食材を自宅へ持ち帰りたい場合、いくつかの点を押さえておくと便利です。まず、多くの店舗でクール便による発送に対応しています。生きたカニや生ウニも発送可能で、翌日配送で自宅に届けてもらえます。この場合、箱代・発送費が別途かかりますが、鮮度を保ったまま楽しめるのは大きなメリットです。

購入時のポイントとして、複数点まとめて買うと「おまけ」をつけてもらえることがあります。値引き交渉そのものはあまり一般的ではありませんが、常連顔負けの気さくな会話で店主と打ち解けると、良い食材を優先的に見せてもらえることもあります。干物・昆布・いかめしなどの加工品はお土産に最適で、常温保存が可能なものも多く、持ち帰りに便利です。一パック500円〜800円が相場で、賞味期限や保存方法を購入前に確認しておきましょう。

エコバッグの持参は必須です。市場内はレジ袋の無償提供をしていない店舗も増えています。複数の店を回ることを前提に、保冷機能付きのエコバッグを一つ持参すると重宝します。

市場訪問の実践ガイド

函館朝市の営業時間は概ね午前5時〜正午で、飲食店のピークは6時〜9時です。定休日は店舗により異なりますが、水曜・日曜を休みにする店が多い傾向にあります。訪問前に公式サイトや電話で確認しておくと安心です。

アクセスはJR函館駅から徒歩3分と好立地。駐車場は周辺に点在していますが、朝の時間帯は混雑します。路面電車「市電」の「函館駅前」停留所からすぐアクセスできるため、公共交通機関の利用が現実的です。

服装については、早朝の函館は夏でも冷え込むことがあります。夏の平均最高気温は24度前後ですが、朝6時台は18〜20度まで下がることも。薄手の上着を一枚携帯すると快適です。冬季(12月〜3月)は防寒対策が必須で、路面が凍結することもあるためブーツや滑り止め付きの靴が安全です。

特に賑わう時期は年末(12月28〜30日)と夏の函館港まつり(8月1〜5日)の前後です。この時期は普段見られない特産品や特別メニューが登場することもあります。市場の帰りに函館山の麓まで散策して、朝の静かな元町エリアを歩くプランも好評です。歴史的建造物と朝市を組み合わせることで、函館の食文化と歴史を一度に体感できる充実した朝になるでしょう。

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Written by

田中 花

和菓子研究家

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