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神戸サイクリングコースガイド|アワイチ・須磨〜明石海岸・六甲ヒルクライム
観光・体験
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神戸サイクリングコースガイド|アワイチ・須磨〜明石海岸・六甲ヒルクライム

海と山が同居する神戸は「走り分け」が楽しい

神戸は、瀬戸内の海と六甲の山が驚くほど近くに同居する街です。海岸線まで降りればほぼ平坦な道がどこまでも続き、少し北へハンドルを向ければ六甲山の急勾配が待っています。歩きや走りで味わう海沿いの遊歩道や異人館の街並みとはまた別に、自転車だからこそ楽しめるのは「距離」と「登り」、そしてフェリーを使った島渡りの世界です。一日で淡路島を一周する超ロングから、海岸沿いをのんびり流すフラットコース、脚力勝負のヒルクライム、人工島をぐるぐる回る周回練習まで、脚力と気分に合わせてコースを走り分けられるのが神戸の醍醐味。まずは代表的な四つの軸を押さえておきましょう。

聖地アワイチ──淡路島一周150kmへの入り口

サイクリストの間で「アワイチ」と呼ばれるのが、淡路島を一周する約150kmのロングライドです。獲得標高は約1,144mで、走りごたえのある上級者向けコースとして全国から人が集まる聖地になっています。島の外周を時計回りに走るのが一般的で、左側通行のまま海に近い側を走れるため、瀬戸内の海を左手に眺めながら進めます。一日で走り切る場合の所要はおおむね7〜9時間が目安です。

ここで注意したいのがアクセス方法です。神戸と淡路島を結ぶ明石海峡大橋は高速道路で、自転車や原付は通行できません。そのため自転車で淡路島へ渡るには、明石港から高速船「淡路ジェノバライン」を使い、対岸の岩屋港(淡路市)へ渡るのが定番です。所要は約13分と短く、自転車をそのまま積み込めます(積載できる台数に上限があるため、混雑期は便と時刻を事前に確認しておくと安心です)。電車で明石まで来る場合は、自転車を袋に収めて運ぶ輪行も一つの手。なお岩屋港周辺にはロードバイクのレンタサイクル拠点もあり、手ぶらで挑戦することもできます(料金や車種は目安として、事前に確認しておきましょう)。

須磨から明石へ、ほぼ平坦の海岸ロング

「いきなり150kmはハードルが高い」という人にうってつけなのが、神戸の西海岸をたどるフラットコースです。須磨浦公園を起点に、須磨海岸沿いを西へ。垂水を抜けて舞子公園まで来ると、頭上を明石海峡大橋がまたいでおり、巨大な吊り橋を真下から見上げる大迫力のスポットになっています。さらに市境を越えて明石市の大蔵海岸、明石港まで足を延ばすこともでき、国道2号沿いの区間はおおよそ9km。アップダウンがほとんどなく、海・砂浜・吊り橋・緑地と見どころが続くので、ビギナーや家族連れでも無理なく楽しめるのが魅力です。

もっと距離を踏みたいなら、明石以西へ延びる「播磨サイクリングロード(姫路明石自転車道、浜の散歩道)」へ。こちらは明石から姫路方面まで続く神戸市外の長距離ルートですが、海岸沿いをつないで走れるため、神戸の海岸ライドの自然な延長として親しまれています。

六甲ヒルクライム──表・裏で性格が違う登り

平地に飽き足らない人を待っているのが、街のすぐ背後にそびえる六甲山のヒルクライムです。神戸側から登る代表格が表六甲ドライブウェイで、距離約4.8km・平均勾配9.1%。序盤こそ7〜10%前後ですが、終盤の3分の1で勾配が跳ね上がり、一部は16〜17%に達するタフな登りです。一方、有馬側へ抜ける裏六甲ドライブウェイは全長約6.5km・平均勾配7%ほどと、激坂こそ少ないものの長くじわじわ効いてくる性格。このほか西六甲や逆瀬川ルートなど、六甲山は複数の方角からアプローチできるのが奥深いところで、兵庫県神戸市も「武庫川・六甲山ヒルクライムルート」として走行ルートを案内しています。

注意点として、六甲山は観光道路のため自動車やバスとの混在区間があること、山上は補給できる店が限られることが挙げられます。登る前に水分・補給食をしっかり用意しておき、下りはスピードの出し過ぎに十分注意しましょう。

ベイエリア周回──六甲アイランドとポートアイランドで脚を作る

「信号で止まらず、まとまった距離を淡々と踏みたい」という練習派に向くのが、神戸港の人工島を使った周回コースです。六甲アイランドの外周はおよそ10km。日曜・祝日は港湾施設が休みで大型トラックの往来が少なく、信号も数えるほどしかないため、何周してもペースを乱されにくいのが魅力です。10周すればちょうど100kmと、距離の管理もしやすいコース。島へは六甲大橋を渡りますが、車道と歩行者・自転車道が分離されているので安心して渡れます。

もう一つのポートアイランドは、道幅が広く平坦で走りやすい島です。三宮から神戸大橋を渡ってアクセスでき、ポートアイランド北公園やポーアイしおさい公園からはハーバーランドや六甲山を望めます。さらに南の神戸空港まで足を延ばせば、海と空に囲まれた開放的なライドが楽しめます。いずれも市街地から近く、早朝や仕事帰りのトレーニングにも使いやすいのが人工島ライドの強みです。

コースの選び方と装備・補給のヒント

脚力と時間で選ぶなら、まずはベイエリア周回か須磨〜明石の海岸コースでフラットに慣れ、脚ができてきたら六甲のヒルクライム、最終目標にアワイチ、という流れが自然です。補給は場所で事情が変わります。海岸コースは須磨や朝霧の駅周辺で食料・飲料を確保しやすい一方、六甲山上やアワイチの一部区間は店が途切れるので、登る前・渡る前に補給食と水を多めに準備しておきましょう。

神戸は瀬戸内気候で夏場は日差しが強く、海岸も山もさえぎる物が少ないため、夏は早朝発と日焼け・熱中症対策が欠かせません。夕方は西日がまぶしくなるので、ライトと反射材も忘れずに。ヘルメットの着用、フェリーや高速船の時刻確認、そしてレンタサイクルを使う場合は料金・対応車種・予約の要否を事前に確かめておくこと──この準備さえ整えれば、海も山も島も一度に味わえる神戸の懐の深さを、自分の脚でたっぷり堪能できるはずです。

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Written by

中村 陽子

クラフトジャーナリスト

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