メインコンテンツへスキップ
SOROU.JP日本全国情報ポータルサイト
金沢サイクリングガイド|まちのりの城下町ライドから加賀海浜・河北潟・千里浜のロングライドまで
観光・体験
7分で読める

金沢サイクリングガイド|まちのりの城下町ライドから加賀海浜・河北潟・千里浜のロングライドまで

金沢は「城下町の中」と「日本海への外」を一台でつなげる

金沢のサイクリングは、二つの顔を持っています。一つは兼六園・茶屋街・近江町市場が徒歩圏に集まる城下町の中心部、もう一つは犀川を下った先に広がる日本海の海岸線と、内灘の潟(かほくがた)です。中心部は坂と用水のまち、海側は松林と潮風のまち。徒歩やバスでは遠い海と潟までを一日の射程に入れられるのが、自転車ならではの金沢の楽しみ方です。市街を電動アシストのシェアサイクルで軽く流し、犀川沿いの自転車道から海へ抜けて長く走る——この緩急の付け方を覚えておくと、コースが組み立てやすくなります。

まちなかは電動シェアサイクル「まちのり」で

金沢市内の周遊には、公共シェアサイクル「まちのり」が便利です。市内に約100か所のサイクルポートがあり、借りたポートとは別のポートに返せる乗り捨て方式。全車が電動アシスト付きなので、寺町や小立野へ上がる金沢特有の起伏もこたえません。兼六園下からひがし茶屋街までは自転車でおよそ10分。兼六園・金沢城公園・近江町市場・主計町(かずえまち)と、点在する名所をテンポよくつなげます。

料金は1回利用が最初の30分でおよそ165円、その後30分ごとに追加、一日乗り放題のパスがおよそ1,650円というのが目安です(料金・ポート位置・営業時間は変更されることがあるため、利用前に公式の最新情報で必ずご確認ください)。観光の足としては、まちのりで中心部、海側は自分の自転車かレンタルのクロスバイク、と役割を分けると無理がありません。

犀川自転車道で街なかから日本海へ(約8km)

本格的に走るなら、まず犀川自転車道です。片町・香林坊にほど近い犀川神社あたりを起点に、犀川緑地の舗装路を河口の健民海浜公園まで、全長およそ8.1km。流れの速い犀川は古くから「男川」と呼ばれ、川沿いには桜並木が続いて、春は花見を兼ねた人気区間になります。ランナーや家族連れも多い生活感のある道で、信号に縛られず街なかから海まで一気に下れるのが魅力です。

この道の終点・健民海浜公園は、そのまま次の海岸ロングライドの起点に接続しています。市街の喧騒から松林の潮風へと景色が切り替わる瞬間が、金沢の川下りライドのハイライトです。

松林と潮風の加賀海浜自転車道(25.5km)

日本海沿いを長く走りたい人の本命が、加賀海浜自転車道(金沢小松自転車道・石川県道294号)です。金沢市佐奇森町の健民海浜公園を起点に、松任海浜公園や加賀舞子公園などの海浜公園をつなぎながら、小松市安宅町の安宅海浜公園まで全長25.5km。車道と分離された区間が多く、防風林の松並木と日本海を横目に淡々とペースを刻めます。

注意したいのが季節です。日本海側のこの道は、強い季節風と砂の吹き寄せ、積雪のため、おおむね11月下旬から4月末まで冬季閉鎖となります。海岸ロングを目的にするなら、走れるのは春から秋まで。風の強い日は向かい風の往路がきついので、追い風になる帰路の体力を残して走るのが現実的です。

港と発酵のまち・金石〜大野をめぐる(約10km)

がっつり距離を踏まなくても満足度の高いのが、犀川沿いを下って金石(かないわ)・大野(おおの)を巡る往復およそ10km強のコースです。金石はかつて北前船が寄港した金沢の海の玄関口で、大野は醤油・味噌づくりが今も盛んな発酵のまち。黒板塀の醤油蔵や町家が連なる路地は、平坦でゆっくり流すのにちょうどよい速度感です。2020年に開業した金沢港クルーズターミナルから日本海を眺め、醤油蔵の香りのする街並みを抜ける——歴史と食文化を一筆書きにできる、金沢らしい半日コースです。

平坦に周回できる河北潟(一周 約30.8km)

ロードバイクで距離を楽しむなら、市の北、内灘町に広がる河北潟(かほくがた)の周回が定番です。石川県最大の潟を干拓地の農道でぐるりと囲む一周は、おおよそ30.8km。獲得標高はごくわずかで、ほぼフラットに巡れるため、地元のロードバイク乗りの練習コースにもなっています。

拠点になりやすいのが、内灘大橋のたもとにある内灘サンセットパーク周辺。駐車場や飲食の利用ができ、ここを発着点にすると分かりやすいでしょう。きつい日は潟の北側だけをまわるおよそ17.8kmの短縮ルートもあり、体力や時間に合わせて距離を選べます。視界をさえぎるもののない潟と田園、その先に沈む日本海の夕日が、平坦周回のごほうびです。

砂浜を走れる千里浜まで足を伸ばす(金沢市外)

もう一段ロングに挑むなら、金沢から北へおよそ35km、羽咋市から宝達志水町にまたがる千里浜(ちりはま)なぎさドライブウェイが目標になります。ここは全長約8kmにわたって砂浜そのものを走れる全国でも珍しい海岸。手取川などが運んだきめ細かい砂が海水を含んで締まり、舗装路のように硬くなるため、車だけでなく自転車でも波打ち際を走れます。

なお千里浜は金沢市外(羽咋市・宝達志水町)で、市街からは片道半日仕事の距離です。マイカーやレンタカーに自転車を積んで現地まで運び、千里浜のレストハウスでクロスバイクやビーチクルーザーを借りて走るのが手軽。レンタルはおおむね3時間500円・1日1,000円程度が目安とされますが、営業期間や料金、当日の砂浜のコンディション(波・風で走行可否が変わります)は事前に必ずご確認ください。

用水のまちと、冬の走り方

金沢を自転車で走ると、随所で用水に出会います。香林坊から長町武家屋敷へ抜ける鞍月(くらつき)用水、その先の大野庄用水、兼六園に水を引く辰巳用水——用水沿いの細道は車が少なく、まちのりでの寄り道にうってつけです。一方で、城下町は坂が多く石畳や狭い路地もあるため、観光地周辺では押し歩きや徐行を心がけたいところ。

そして金沢は、冬の天気が走りを左右する土地です。日本海側特有の強い季節風と雪、そして加賀海浜自転車道の冬季閉鎖を考えると、海岸や潟のロングライドは春から秋が本番。冬場は無理に海へ出ず、まちのりで屋根のある名所をこまめにつなぐ街なか中心の組み立てが安全です。風と雪と用水のまち・金沢を、季節と体力に合わせて賢く走り分けてください。

シェアする

Written by

吉田 麻衣

フォトグラファー

この記事のエリアで観光・体験を探す

日本刀×日本文化体験

観光スポットと刀剣文化をつなぐ多言語展開。