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札幌の城と歴史探訪|城下町散策と武将ゆかりの地
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札幌の城と歴史探訪|城下町散策と武将ゆかりの地

札幌は1869年(明治2年)の開拓使設置を起点として発展した、日本でも稀な計画都市です。碁盤の目状に整備された街路はアメリカの都市計画を手本に設計され、わずか150年余りで日本有数の大都市へと成長しました。大通公園を軸とした歴史的建造物群は、明治・大正の繁栄を現代に伝える貴重な文化遺産として市民に愛されています。歴史の層が堆積した街並みを歩けば、開拓時代の気概と近代都市の息吹が交差する、他の城下町とは一線を画す独特の空気を感じることができるでしょう。年間降雪量が約6メートルにおよぶ豪雪地帯でありながら、四季折々に異なる表情を見せる歴史スポットは、何度訪れても新たな発見をもたらしてくれます。

大通公園エリアの歴史的景観

大通公園はもともと、市街地の南北を隔てる「火防線」として設けられた防火帯が起源です。幅105メートル、全長約1.5キロメートルにわたるこの緑道は、現在では市民の憩いの場として機能しながら、周囲に明治期の建造物を多数擁する歴史回廊でもあります。公園西端に位置するテレビ塔の足元からは、かつて開拓使が建設した庁舎群の礎石跡も確認でき、往時の都市計画の痕跡を感じることができます。

公園周辺には赤レンガ庁舎(北海道庁旧本庁舎)が堂々とした姿をとどめており、1888年(明治21年)に竣工したアメリカン・ネオバロック様式の外観は、まるでワシントンの連邦議事堂を想起させるほどの風格があります。内部は一般公開されており、開拓期の資料や歴史写真が展示されています。入場無料でアクセスしやすく、所要時間は約30〜45分。ガイド付き見学ツアーも定期開催されているため、事前にスケジュールを確認しておくと良いでしょう。

時計台——開拓時代の精神が宿る建築

札幌市内でもとりわけ象徴的な建造物が、旧札幌農学校演武場、通称「時計台」です。1878年(明治11年)に竣工したこの建物は、北海道開拓の礎を担った札幌農学校の体育・集会施設として建設されました。設計者はアメリカ人技師ウィリアム・ホイーラーで、2階建てのクラシカルな木造建築は北米植民地時代の様式を色濃く反映しています。

現在、1階は展示室として開放されており、開拓使時代の農業技術・教育制度・都市整備の歴史が模型や映像を用いてわかりやすく紹介されています。特に必見は、明治期の札幌の街並みを精緻に再現した巨大ジオラマです。碁盤の目に整備された街区と、そこに暮らした人々の生活風景が細部まで作り込まれており、現代の札幌との比較対象として眺めるだけで歴史の奥行きを実感できます。入場料は大人200円と非常にリーズナブルで、観光客にも地元の学生にも開かれた歴史教育の場として機能しています。

武家屋敷と商人町の面影を歩く

大通公園の南側、すすきのエリアとその周辺には藩政期の都市組織とは性質を異にするものの、明治期の商都として繁栄した街並みの痕跡が随所に残っています。創成川通り沿いには明治・大正期に建てられた石造り・れんが造りの倉庫建築が今も現役で使われており、カフェや雑貨店に転用されたリノベーション建築が新旧の文化を橋渡しする風景を生み出しています。

とりわけ注目したいのが、北1条〜北3条付近に集中する旧商家建築群です。白漆喰の蔵造りや、なまこ壁を持つ建物が往時の商業繁栄を物語り、現在もアイヌ伝統工芸品を扱う老舗や和菓子店が営業を続けています。石畳の小路をゆっくりと歩きながら、明治の商人たちが行き交った光景に思いを馳せてみてください。エリア全体が野外博物館のような趣を持ち、歴史ファンには何時間でも滞在したくなる魅力があります。

四季が彩る歴史景観

札幌の歴史スポットは、季節ごとに全く異なる美しさを持っています。春(4月下旬〜5月上旬)は赤レンガ庁舎の前庭に植えられた桜が満開を迎え、煉瓦の赤と淡いピンクのコントラストが鮮やかな写真スポットとして人気を集めます。ゴールデンウィーク前後には周辺でイベントも開催され、多くの市民と観光客で賑わいます。

夏は大通公園に整備された花壇が見事に咲き誇り、歴史建築を背景にした緑豊かな風景が楽しめます。早朝の散策では、観光客が少ない静謐な時間の中で建築の細部をじっくり観察することができ、ガイドブックには載らない発見も多いでしょう。秋になると公園内の銀杏並木が黄金色に染まり、藻岩山方面の紅葉とあわせて錦秋の歴史散策が楽しめます。そして冬は、雪化粧をした赤レンガ庁舎や時計台が幻想的な美しさを放ちます。ライトアップされた夜景は特に格別で、地元写真家たちが毎年競うように撮影に訪れる名景観です。

歴史散策のモデルコースと実用情報

札幌の歴史スポットを効率よく巡るなら、以下のモデルコースがおすすめです。午前中は新千歳空港から快速エアポートで約40分の札幌駅に到着後、徒歩で赤レンガ庁舎へ。庁舎見学後は大通公園を東へ歩き、時計台で歴史展示を見学(約45分)。ランチはすすきのエリアの老舗で本場の味噌ラーメンを。午後は創成川沿いの旧商家建築群をのんびり散策して締めくくる、全行程5〜6時間のプランです。

服装は歩きやすいスニーカーが必須で、季節に応じた重ね着を心がけてください。冬季は防寒対策を万全に。無料で利用できる札幌市の歴史観光アプリ「さっぽろ歴史ナビ」をスマートフォンにダウンロードしておくと、AR機能で各スポットの往時の姿を重ね合わせて見ることができ、散策の楽しさが一層深まります。お土産には赤レンガ庁舎の売店で扱うオリジナル缶バッジや絵はがき、あるいはすすきの周辺の専門店で購入できるアイヌ木彫り工芸品がおすすめです。歴史に触れた感動を、形として持ち帰ってみてはいかがでしょうか。

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Written by

高橋 大地

アグリツーリズム推進者

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