旭山動物園
北海道旭川市にある旭山動物園は、かつては廃園寸前の危機に立たされながらも、独自の「行動展示」という発想で見事に復活を遂げた、日本が誇る動物園のサクセスストーリーです。今や年間100万人以上が訪れる人気スポットとして、国内外から注目を集めています。
「行動展示」という革命——旭山動物園が変えた動物園の常識
1967年の開園当初、旭山動物園は旭川市民に愛されるごく普通の地方動物園でした。しかし1990年代、相次ぐ動物の死亡や来園者の減少が重なり、1996年には年間入園者数が26万人にまで落ち込み、廃園の危機に瀕します。
そんな苦境の中で生まれたのが「行動展示」という発想でした。従来の動物園が「動物の姿を見せる」ことを主眼に置いていたのに対し、旭山動物園のスタッフたちは「動物が本来もつ能力や行動を引き出す」ことを目指しました。檻の中で静止した動物を眺めるのではなく、野生に近い状態の動きや生態を直接体験できる展示方法——それが行動展示です。
この取り組みが徐々に口コミで広まり、2006年には夏季入園者数でなんと上野動物園を抜き、日本一を記録するまでに至りました。廃園寸前から日本一へ。旭山動物園の復活劇は、多くの動物園関係者や経営者にとって教科書的な事例として語り継がれています。
息をのむ展示体験——ここでしか見られない動物の姿
旭山動物園の展示の中でも、特に来園者を驚かせるのがいくつかの名物スポットです。
もぐもぐタイム(ホッキョクグマ館)では、巨大な円柱型のアクリルプールの中をホッキョクグマが豪快にダイブする瞬間を目の前で見ることができます。体重数百キログラムの白い巨体が水中を舞う光景は、水族館でも動物園でも滅多に体験できないものです。
あざらし館には、水中と陸上をつなぐ垂直の円筒形トンネル「マリンウェイ」があります。アザラシが浮力を使って筒の中をするりと上下に泳ぐ姿は、まるで宙を浮いているよう。子どもたちはもちろん、大人も思わず歓声を上げてしまいます。
ぺんぎん館では、水中トンネルを通じてペンギンが頭上を泳ぐ姿を見上げることができます。フンボルトペンギン、ジェンツーペンギン、イワトビペンギン、キングペンギンと、4種類のペンギンを一度に観察できるのも魅力です。
他にも、チンパンジーが高さ17メートルの塔を自在に移動するチンパンジーの森、雪豹やユキヒョウが歩く姿を間近に見られるこうもり館、夜行性動物を観察できる夜の動物園(夏季限定)など、随所に工夫が凝らされた展示が続きます。
冬の名物——雪原を行進するペンギンの散歩
旭山動物園が冬季に最も注目を集める理由が、11月下旬から3月中旬にかけて行われる「ペンギンの散歩」です。キングペンギンやジェンツーペンギンたちが、飼育員に引率されながら雪の積もった園内を自らの足で歩いて移動するこのイベントは、雪国ならではの展示として全国的に有名になりました。
ヨチヨチと歩くペンギンたちは来園者との距離が非常に近く、手を伸ばせば触れそうなほど。純白の雪景色の中を行進するペンギンのコントラストは、多くのカメラマンや旅行者を魅了し、冬の旭山動物園の象徴的な風景となっています。
実施時間は1日2回(午前と午後)で、天候や動物の体調によっては中止になることもあるため、事前に公式サイトで確認することをおすすめします。冬の旭川は最低気温がマイナス15℃以下になることもあるため、防寒対策は必須です。厚手のコートやブーツ、手袋を忘れずに準備しましょう。
四季折々の楽しみ方
旭山動物園は季節ごとに異なる顔を見せてくれます。
春(4〜5月) は動物たちが活発に活動を始める季節。冬眠から覚めたヒグマや、春の陽光の中で動き回る動物たちのいきいきとした姿が印象的です。雪解けとともに来園者も増え始め、家族連れや修学旅行のグループで賑わいます。
夏(6〜8月) はもっとも来園者が多いシーズンです。夕方以降も開園する「夜の動物園」が人気で、昼とは異なる夜行性動物たちの活動ぶりを観察できます。北海道の夏は涼しく過ごしやすく、動物たちも活発。チンパンジーが外の放飼場で遊ぶ姿や、オランウータンが高い木に登る様子など、夏限定のシーンも多くあります。
秋(9〜11月) は観光のベストシーズン。紅葉に彩られた園内を動物たちと一緒に楽しめます。11月から冬季特別営業に移行し、ペンギンの散歩も始まります。
冬(12〜3月) は前述のペンギンの散歩をはじめ、雪景色の中での特別な動物観察が魅力。ホッキョクグマやアムールヒョウなど、寒さを得意とする動物たちが特に元気に活動する季節です。雪に覆われた園内は幻想的な雰囲気に包まれます。
アクセスと周辺情報
旭山動物園へのアクセスはいくつかの手段があります。
電車・バスの場合、JR旭川駅からバスで約40分。旭川電気軌道の路線バスが「旭山動物園線」として直通便を運行しており、観光客にとって最も便利な手段です。旭川駅前から乗車でき、終点が動物園前となるため迷う心配がありません。
車の場合、旭川紋別自動車道「旭川北IC」または「旭川鷹栖IC」から約20分。広い駐車場を完備しています。
旭川市内の観光と合わせて楽しむ場合、旭川ラーメンは外せません。旭川ラーメンは豚骨と魚介のダブルスープに縮れ麺を合わせた独特のスタイルで、市内には多くの名店が点在しています。また、旭川市旭山記念公園や旭川市博物館など、市内の観光スポットとの組み合わせもおすすめです。
北海道旅行の中継地点として旭川を訪れる場合、富良野・美瑛エリアへも車で約1時間。ラベンダーが咲き誇る夏の富良野や、パッチワークの丘が美しい美瑛と組み合わせるルートは、多くの旅行者に人気があります。
旭山動物園の開園時間や入園料は季節によって異なるため、訪問前に公式サイトで最新情報をご確認ください。年間を通じて楽しめる旭山動物園は、北海道を訪れた際には必ず立ち寄りたいスポットのひとつです。
アクセス
JR旭川駅からバスで約40分「旭山動物園」下車
営業時間
夏期 9:30〜17:15、冬期 10:30〜15:30
予算内訳
大人
¥1,000
施設の特徴
外部予約・検索サイトで探す
下記の外部サイトで本店舗・施設の予約・在庫状況をご確認いただけます。
※ 外部サイトへのリンクには広告 (アフィリエイト) を含みます。
RELATED SPOTS
関連するスポット(8件)
北海道小樽市港町
小樽運河
レトロな石造倉庫群と運河が織りなすノスタルジックな風景が広がる観光名所。
北海道函館市函館山
函館山夜景
世界三大夜景に数えられる函館山からの絶景。両側を海に挟まれた独特の地形が美しい。
北海道空知郡中富良野町
富良野ラベンダー畑
一面に広がる紫のラベンダー畑。富良野の夏を代表する絶景スポット。
北海道函館市五稜郭町
五稜郭タワー
星形城郭・五稜郭を一望できる展望タワー。春は桜の名所としても有名。
北海道斜里郡斜里町ウトロ
知床クルーズ
世界自然遺産・知床半島の断崖や滝を海から眺めるクルーズ体験。
北海道上川郡美瑛町白金
美瑛・青い池
Apple社の壁紙にも採用された神秘的なコバルトブルーの池。
北海道勇払郡占冠村中トマム
星野リゾートトマム雲海テラス
標高1,088mのテラスから壮大な雲海を見渡す絶景体験。早朝限定の感動スポット。

北海道札幌市中央区大通西
大通公園
札幌の中心を東西に貫く緑豊かな公園。雪まつりやビアガーデンの会場としても有名。


