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清白寺
※写真はイメージです。

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山梨市の静かな山里に佇む清白寺は、国宝の仏殿と四季の花々で訪れる人を迎える古刹です。禅宗の清廉な空気が漂う境内で、歴史と自然が織り成す豊かな時間を過ごすことができます。

足利尊氏が開いた禅宗の古刹

清白寺の創立は、室町幕府を開いた足利尊氏がその名を残す正慶2年(1333年)に遡ります。尊氏が禅の高僧・夢窓疎石国師を開山として迎え創建した臨済宗の寺院で、以来700年近くにわたり、この山梨の地で法燈を守り続けてきました。

夢窓疎石は室町時代を代表する禅僧であり、京都の西芳寺(苔寺)や天龍寺の庭園を手がけたことでも知られています。その碩学な人物が開山を務めたという事実だけでも、清白寺がいかに格式の高い寺院であったかを物語っています。禅宗式の伽藍配置が今もほぼ原形をとどめており、総門・放生池・三門(鐘楼門)・仏殿・本堂が一直線に並ぶ様子は、往時の風格をそのまま伝えています。境内に足を踏み入れると、この一直線の軸線が視界を貫き、自然と背筋が伸びるような厳粛な感覚を覚えるでしょう。

山梨が誇る国宝の仏殿

清白寺最大の見どころは、山梨県内にわずか2つしかない建造物国宝の一つである仏殿です。応永22年(1415年)に建立されたこの建物は、禅宗独特の唐様(禅宗様)建築の代表的な遺構として高く評価されています。組物に記された墨書から建立年代が明確にわかっており、室町中期にさかのぼる建造物は全国的にも極めて稀少です。

さらに注目すべきは、仏殿内部に施された文様彩色と漆塗りです。これほど精緻な装飾が内部に施され、かつ現存する例は他にはなく、この点が国宝指定の大きな理由の一つとなっています。天和2年(1682年)に境内を焼き尽くした大火事においても、仏殿だけは難を逃れました。まるで守護されるかのように現在まで生き残ったこの建造物は、禅宗仏殿の古い様式を今日に伝える唯一無二の遺産として、研究者や文化財愛好家からも高い関心を集めています。

梅参道と御衣黄桜が彩る花の境内

清白寺は建築の魅力だけでなく、四季を通じた花の名所としても親しまれています。境内への約100メートルの参道には、梅の古木が50本ほど植えられており、「梅参道」として地域に知られる春の風物詩となっています。白やピンクの花が一斉に咲き誇る参道は、早春の冷えた空気のなかで人々に季節の訪れを告げます。

なかでも特別な存在が、仏殿脇に植えられた「西湖梅」です。開山の夢窓疎石が中国から持ち帰ったと伝えられるこの梅は、禅宗の大陸伝来という歴史を花の姿で体現しており、境内の梅のなかでもひときわ深い由緒を感じさせます。

梅の季節が終わると、次は珍しい御衣黄(ぎょいこう)桜の出番です。その名の由来は、平安時代の貴族が身にまとった衣装の色「萌黄色(もえぎいろ)」にあります。咲き始めは鮮やかな緑色の花を付け、開花が進むにつれて徐々にピンク色へと変化していく独特の姿は、見る者を驚かせます。緑の桜というだけでも珍しいうえ、その色変わりの過程がまた格別で、通常のソメイヨシノとはひと味違う雅な春の趣が楽しめます。境内ではそのほかにも四季折々の草花が咲き、秋の紅葉も美しく、訪れるたびに新しい表情を見せてくれます。

甲斐百八霊場の14番札所として

清白寺は、甲斐百八霊場の14番札所としても知られています。甲斐百八霊場とは、テレビ山梨が1980年の開局10周年を記念して選定した、山梨県内の109か寺からなる霊場巡りです。県内各地の寺院を結ぶこの巡礼ルートは多くの参拝者に親しまれており、清白寺にも御朱印を求めて訪れる方が絶えません。

国宝の仏殿を前にして静かに手を合わせる霊場巡りの一幕は、観光とは一線を画した深い体験をもたらします。御朱印は境内でいただくことができますので、霊場巡りをされている方はもちろん、はじめての方も記念に手にされてみてはいかがでしょうか。

境内に伝わる諏訪水の言い伝え

境内には「諏訪水」と呼ばれる古井戸があり、長野県の諏訪湖に通じているという言い伝えが残されています。諏訪湖の水位が上がれば古井戸の水位も同様に上がり、湖の水位が下がれば井戸も下がるというのです。山梨と長野の県境を越えて水脈が繋がっているという、地形と伝承が絡み合ったこの話は、古くからの人々の自然観や山岳信仰の豊かさを感じさせます。禅宗の凛とした空気が漂う境内で、こうした言い伝えに思いをはせるのも、清白寺ならではの楽しみ方です。

アクセスと周辺の観光情報

清白寺へのアクセスは車が便利で、中央自動車道勝沼インターチェンジから約15分で到着します。駐車場は50台分が用意されているため、ゆとりをもって訪れることができます。カーナビを利用する場合は「山梨県山梨市三ヶ所33-1」と設定してください。電車をご利用の場合は、JR中央本線の東山梨駅から徒歩約7分と、駅からも気軽に歩ける好立地です。

山梨市周辺はフルーツ王国として知られ、春から秋にかけてはさくらんぼ・桃・ぶどうをはじめとした果物の収穫が相次ぎます。観光農園でのフルーツ狩りを組み合わせれば、清白寺の文化的な余韻をそのままに、山梨の恵みを満喫できる一日を過ごせるでしょう。また、周辺には自然を間近に感じられる散策スポットや温泉施設も点在しており、季節を変えて何度でも訪れたくなる奥深い地域です。梅の見頃、御衣黄桜の開花、秋の紅葉と、清白寺は季節ごとに異なる表情を持つ場所であり、山梨を旅するなら一度は立ち寄りたいスポットです。

アクセス

JR中央本線東山梨駅から徒歩約7分 中央自動車道勝沼ICから車で15分

営業時間

9:00~17:00

料金目安

300円~700円

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