
お好み焼き 越田 本店
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広島市の歓楽街・流川町のど真ん中に、夜な夜な地元の人々が足を運ぶ一軒家がある。「お好み焼き 越田 本店」は、広島市中区流川町8-30に構える老舗の広島風お好み焼き専門店だ。4.1という高評価を998件もの口コミで叩き出すこの店の魅力を、じっくりとひも解いていこう。
流川町に灯る、昭和の温もり
「流川町」という地名を聞けば、広島っ子なら即座に夜の街を思い浮かべる。中区の中心部に広がるこのエリアは、小料理屋やバーが軒を連ねる大人の繁華街だ。その一角に、まるで民家のような佇まいで越田本店は立っている。ネオンが乱立する周辺の雰囲気とは一線を画し、どこかなつかしい空気が漂う外観は、長年この場所に根を張ってきた証でもある。
店内は全15席、すべてカウンター席。テーブル席ゼロという潔い構成が、この店のあり方を雄弁に物語っている。鉄板を挟んで職人と向き合い、目の前でじゅうじゅうと焼き上げられていく一枚を待つ時間は、それ自体がひとつの体験だ。家をそのまま店にしたような空間は、まさに「アットホーム」という言葉がぴったりで、初めて訪れた人でもすぐに気持ちがほぐれていく。
広島流を守る、一枚750円の矜持
越田本店の看板商品は、スタンダードな広島風お好み焼きだ。基本価格750円というリーズナブルな設定でありながら、その完成度は侮れない。広島風お好み焼きの定義は、大阪風とは根本的に異なる。薄く伸ばした生地に、たっぷりのキャベツ、もやし、豚バラ肉を重ね、その上に広島特有の細麺(中華麺)を乗せ、鉄板でじっくりと蒸し焼きにしてから、最後にひっくり返して卵と合わせる。この重ね焼きのプロセスこそが、広島流の真骨頂だ。
越田本店ではソースにオタフクソースを使用しており、その甘みと酸みのバランスが焼きたての生地によく馴染む。卵の調理法は「巣ごもり」スタイルで、黄身がとろりと残るよう丁寧に仕上げられる。生地の弾力とキャベツの甘み、麺のコシが渾然一体となった食感は、一口食べれば「これが広島だ」と実感できる本物の味わいだ。
こだわりトッピングで、自分だけの一枚を
ベースの一枚に満足したら、次はトッピングで個性を出すのが越田流の楽しみ方だ。イカとネギ類がそれぞれ100円で追加でき、海の幸の旨みと薬味の爽やかさを加えることで、味の奥行きがぐっと広がる。
そのほかのメニューも充実している。肉玉は1,000円以上の価格帯から展開し、ホルモン焼きや牛玉(各750円)など、〆のご飯にも呑みのアテにもなる一品が揃っている。さらにタコ焼きが500円と手軽な価格で提供されており、お好み焼きを食べた後の「もうひとつ」にも応えてくれる。ドリンクはアサヒビールを軸に、広島の夜をゆっくりと過ごすための定番が揃う。
夜の街の社交場として
越田本店が地元に愛され続けている理由のひとつに、その営業スタイルがある。開店は18時00分、閉店はなんと深夜3時00分。これは、流川町という立地ならではの設定だ。夜のお仕事を終えた人々が〆の一枚を求めて訪れたり、飲み会の後のシメとして立ち寄ったりと、時間帯によってまるで客層が変わる。夕方の早い時間には地元の常連が腰を落ち着け、深夜には仕事帰りのビジネスマンや若者グループが賑わいを添える。
広島出身の芸能人も足を運ぶという話も漏れ聞こえてくる。派手な宣伝をするわけでもなく、ただ誠実に鉄板に向き合い続けるこの店の姿勢が、多くの人を引き寄せる。定休日は基本的に日曜日(不定休のため要確認)で、月曜から土曜の夜を中心に営業している。
予約・アクセスと、立ち寄りの注意点
越田本店へのアクセスは、広島電鉄(路面電車)が便利だ。「八丁堀」停留所から徒歩数分、もしくは「胡町」方面から流川通りを進めば、すぐに見つかる。広島駅からはバスや路面電車で20分前後のアクセスだ。
注意したいのが、予約不可・クレジットカード不可という点だ。現金のみの対応で、少人数でふらりと立ち寄るのが基本スタイル。カウンター15席という小さな店内ゆえ、人気の時間帯(特に週末の22時前後)はウェイティングになることもある。待ち時間を楽しむ意味でも、周辺の流川町をぶらりと散策してから訪れるのがおすすめだ。
広島観光と組み合わせるなら
越田本店のある流川町は、広島市内観光のベースとしても使いやすいエリアだ。平和記念公園・原爆ドームまでは路面電車で20〜25分ほど、宮島(嚴島神社)へは広島駅経由でJRを使えば1時間以内でアクセスできる。広島城や縮景園なども中心市街地から近く、観光を楽しんだ後に夕食として越田本店に足を運ぶプランは非常に組みやすい。
広島風お好み焼きを「本場で食べる」という体験は、観光の定番ではあるが、越田本店にはそれ以上の価値がある。有名観光地に隣接した人気店ではなく、地元の繁華街に溶け込んだ、地元の人々が日常的に通う本物の店。そこに身を置いた時に感じる「本当の広島」を、ぜひ味わってほしい。
電話番号は082-241-7508。詳細情報は公式サイト(okoken.net)でも確認できるが、予約は受け付けていないため、当日の現地確認が基本となる。広島の夜、18時からカウンターに滑り込んで、熱々の一枚をほおばる――それだけで、この街に来た甲斐があったと思えるはずだ。
アクセス
広島駅から徒歩圏内
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