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金沢を拠点にした二拠点・別荘・移住エリアガイド|湯涌温泉から白山麓・能登まで
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金沢を拠点にした二拠点・別荘・移住エリアガイド|湯涌温泉から白山麓・能登まで

金沢を「拠点」に、もう一つの暮らしを持つ

金沢は、二拠点生活や別荘、移住の起点として恵まれた街です。北陸新幹線とIRいしかわ鉄道、北陸自動車道が交わり、医療・商業・教育の都市機能がコンパクトにまとまっている一方、車で30分から1時間ほど走れば、温泉地・山里・海辺の里山と、性格のまるで違う土地へ届きます。週末だけ自然のなかで過ごす別荘的な使い方から、平日は金沢で働き休日は山あいの空き家で過ごす二拠点、そして本格的な移住まで、距離感に応じて選べるのがこの街の強みです。本稿では金沢市中心部を起点に、現実的な所要時間とともに、別荘・移住先の候補となる実在エリアを紹介します。

金沢中心部からの距離感(2026年時点の目安)

エリア金沢中心部から性格
湯涌温泉(金沢市内)車で約30〜40分/バス約50分同じ市内の奥座敷・温泉
鶴来(白山市)北陸鉄道石川線で約30分麓の実用的な二拠点・通勤圏
白峰(白山市・白山麓)車で約1時間本格的な山里・豪雪地
加賀温泉郷(加賀市)北陸新幹線で約18分温泉町での二拠点
七尾・羽咋(能登)七尾線で約1〜1時間海と里山・復興途上

※所要時間はおおよその目安です。詳細は各交通事業者の最新情報をご確認ください。

まずは「金沢市内」の奥座敷・湯涌温泉

二拠点の第一歩として手堅いのが、金沢市内に収まる湯涌温泉です。金沢駅から車で約30〜40分、金沢東IC・森本ICからは約30分。北鉄バスの湯涌温泉行きでも約50分・片道600円ほどで、市街地から山ふところの温泉地まで一本でつながっています。同じ金沢市内なので、住民票も生活インフラもゴミ出しのルールも普段の暮らしの延長で考えられ、「二拠点」とはいえ手続き上のハードルが低いのが利点です。竹久夢二ゆかりの温泉地として知られ、総湯(共同浴場)に通える温泉付きの週末拠点としての魅力は大きく、別荘的な使い方から無理なく始められます。

南東へ——白山麓の山里と手取川流域

金沢から南東へ向かうと、手取川がつくった扇状地の先に白山麓の山里が広がります。ここは大きく二つの性格に分かれます。

鶴来(白山市) は、白山麓への玄関口にあたる町です。金沢市の野町から北陸鉄道石川線(愛称・白山ジオパークライン)で約30分、日中はおよそ1時間間隔、朝は15〜20分間隔で走っており、車を使わずに金沢へ通える実用的な二拠点圏といえます。古くから金沢と白山麓を結ぶ交易の拠点として栄え、酒蔵や和菓子の文化が根づく町並みが残ります。白山市は人口約11万人と県内第2位で、商業・医療・教育の環境も整っているため、「自然のそばに住みつつ生活の不便は避けたい」層に向きます。

白峰(白山市・白山麓) は、もっと奥、国道157号を遡った山あいの集落です。金沢市街からは車で約1時間。土蔵造りを基本とする独特の家並みが評価され、国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれた、日本でも有数の豪雪地帯です。雪と向き合う本格的な山里暮らし・別荘を求める人にとっては唯一無二の土地ですが、後述する雪の段取りは鶴来以上に重くなります。手取川流域は古くから用水を引いて暮らしを支えてきた土地で、水が豊かなことは二拠点の魅力であると同時に、冬の凍結対策という固有の手間にもつながります。

南へ——温泉付きの二拠点、加賀温泉郷

「温泉のある家を持ちたい」なら、加賀市の加賀温泉郷も候補に入ります。山代・山中・片山津という三つの温泉地からなり、なかでも山中温泉は約1300年の歴史を持ち、松尾芭蕉が長く逗留したことでも知られる温泉郷です。金沢からの足は意外なほど近く、北陸新幹線(つるぎ・かがやき)なら加賀温泉駅まで約18分。新幹線通勤すら現実味のある距離で、平日は金沢、休日は温泉地という二拠点が組みやすい立地です。在来線とバスを乗り継いで山代温泉まで向かう場合は、約1時間15分・片道1,130円ほどが目安となります。温泉街の風情を日常に取り込みたい人に向いたエリアです。

北へ——海と里山の能登、ただし「復興途上」を前提に

金沢から北の能登半島は、海と里山が同居する独特の風土を持ち、移住先としても長く人気を集めてきた地域です。七尾市・羽咋市・中能登町は「のと住。」という共同の移住ポータルを運営し、空き家やワーケーションの情報を発信しています。金沢からは七尾線で七尾までおおむね1時間半弱、羽咋まではその手前で、日帰りも難しくない距離です。

ただし能登を語るうえで、2024年(令和6年)の能登半島地震は避けて通れません。珠洲市・輪島市・能登町・穴水町・志賀町、そして七尾市などで大きな被害が出て、復旧・復興は今も続いています。象徴的な和倉温泉でも、2026年時点で旅館組合のうち営業を再開した宿は一部にとどまり、護岸の復旧工事は2027年春の完了を目指し、主要旅館の建て替え・再開は2027〜2028年にかけて段階的に進む見通しです。この土地を二拠点・移住の候補と考えるなら、観光気分の「別荘地」としてではなく、復興の途上にある地域に関わり、関係人口として支える姿勢が前提になります。最新の現況やライフラインの状況は、石川県や各市町の公式情報で必ず確認してください。

北陸ならではの「二拠点コスト」と段取り

二拠点・別荘で見落とされがちなのが、人が住んでいない時間のための費用と手間です。とくに北陸では、雪と水回りが固有のテーマになります。

  • 冬の凍結・水抜き:不在にする家は、冬期に水道管の水抜き(凍結防止)が欠かせません。豪雪地ほど重要で、白峰のような山里では必須の段取りになります。
  • 雪下ろし・除雪の手配:自分が現地にいない間の雪下ろしや敷地の除雪を、誰に頼むかをあらかじめ決めておく必要があります。地元の業者や近隣との関係づくりが、別荘維持の現実的なコストになります。
  • 消融雪と水道金沢市には、冬期(12〜3月)に玄関先の消融雪へ水道水を使う家庭向けに、専用メーターを設置すると使用水量を30%減量して料金計算する「家庭用消融雪割引制度」があります。メーター設置には数万円程度(目安で約5〜8万円)の初期費用がかかり、使用量が少ないと割引にならない場合もあります。割引率や条件は変わり得るため、詳細は金沢市企業局の公式サイトで確認してください。
  • 空き家の取得と改修:白山市や能登各市町をはじめ、多くの自治体が空き家バンクを設け、改修費の補助制度を用意しています。中古の家屋や別荘の購入・改修費は物件ごとに大きく開きがあるため、ここでは具体的な金額は示しません。各自治体の空き家バンクと補助制度を起点に、2026年時点の相場を現地で確かめてください。

なお、移住支援金や定住補助は、国・県・市町村が多層に用意していますが、金額や対象要件は年度や自治体によって異なり、二拠点(住民票を移さない使い方)では対象外になることもあります。固定資産税などの税負担も含め、断定的な数字を当てにせず、必ず移住希望先の自治体の公式サイトや相談窓口で最新情報を確認することをおすすめします。

金沢拠点の二拠点を、距離感から設計する

金沢の強みは、「都市の便利さ」を手放さずに、性格の違う自然へ短時間でアクセスできることにあります。手続きの軽さを採るなら市内の湯涌、通える二拠点なら石川線沿いの鶴来、本格的な山里なら白峰、温泉付きなら新幹線で近い加賀温泉郷、海と里山に深く関わりたいなら復興途上の能登——と、目的と距離感から候補を絞り込めます。まずは週末に現地へ通い、雪の季節を一度体験してから本格的な取得を考える、という順序が、北陸での二拠点・移住を失敗させないいちばんの近道です。

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Written by

松本 海斗

スポーツインストラクター

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