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日本の名城めぐり完全ガイド|現存12天守から復元城まで歴史と絶景を堪能する旅
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日本の名城めぐり完全ガイド|現存12天守から復元城まで歴史と絶景を堪能する旅

日本には約25,000基の城跡が存在するといわれ、そのうち現在も天守が残る「現存12天守」は城めぐりの原点です。単なる観光スポットではなく、戦国期から江戸期にかけての政治・軍事・文化が凝縮された歴史遺産として、国内外から多くの訪問者を集めています。城郭研究歴20年のガイドが、初めての城めぐりから上級者向けルートまで丁寧に案内します。

現存12天守とは何か

「現存12天守」とは、江戸時代以前に建てられた天守が火災・廃城令・戦禍を免れ現代まで残った12棟のこと。弘前城(青森)・松本城(長野)・丸岡城(福井)・犬山城(愛知)・彦根城(滋賀)・姫路城(兵庫)・松江城(島根)・備中松山城(岡山)・丸亀城(香川)・伊予松山城(愛媛)・宇和島城(愛媛)・高知城(高知)の12城です。

このうち国宝指定は松本城・犬山城・彦根城・姫路城・松江城の5城。なかでも姫路城は「白鷺城」の愛称どおり純白の外観が美しく、ユネスコ世界文化遺産にも登録されており、年間100万人以上が訪れます。入城料1,000円で天守最上階まで登れ、播磨平野を一望できます。また、松本城は国宝5城の中でも最古の天守を有し、黒漆塗りの外壁と北アルプス雪景色との対比が格別です。天守内部には鉄砲蔵・月見櫓など多様な建造物が現存し、城郭建築の変遷を一箇所で学べる貴重な存在です。一方、丸岡城は「霞ヶ城」とも呼ばれ、現存最古ともいわれる石瓦葺きの天守が雨に煙る光景は風情があります。入城料450円と手頃な価格で、北陸城めぐりの起点としておすすめです。

山城の醍醐味:備中松山城と竹田城

標高400メートル以上の山頂に位置する備中松山城岡山県高梁市)は、現存する唯一の山城天守として知られます。登城には40分ほどのハイキングが必要ですが、霧に包まれた秋の早朝は「天空の城」と称される絶景を楽しめます。麓から乗合タクシーも運行(500円程度)。天守からの展望は360度に広がり、苦労して登った者だけが体感できる特別な報酬です。

「天空の城」として有名な竹田城跡兵庫県朝来市)は天守こそ残らないものの、石垣が完全な形で残り、雲海シーズン(10〜11月の早朝)には幻想的な光景が広がります。最寄りのJR竹田駅からは徒歩40分。前夜に朝来市内に宿泊し、日の出前に出発するプランが定番です。竹田城と同様に雲海で知られる越前大野城(福井)も見逃せません。城下の武家屋敷群が整備されており、城と町並みをセットで楽しめます。山城訪問の際は、登山靴や軽量リュック、飲料水の携行が必須です。突然の天候変化にも備え、薄手の防風ジャケットを一枚持参するだけで快適さが大きく変わります。

城下町セットで楽しむ歴史散策

城だけを見て終わりにするのはもったいない。城と一体となって発展した城下町を歩くことで、当時の都市計画・商人文化・武家屋敷の空気を体感できます。

  • 松江城+松江城下町:堀川遊覧船(乗船1,500円)で水路から城を見上げるのが定番コース。武家屋敷や塩見縄手の歴史的景観も見どころです。小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が愛した町として文学散歩としても人気があります
  • 犬山城+城下町:木曽川を背景にした天守と、旧城下町エリアの和菓子・地酒・陶器店が充実。城址公園入場無料、天守入城550円。江戸時代から続く祭礼文化を紹介する「どんでん館」も必見です
  • 高知城+ひろめ市場:唯一本丸建造物が完全に現存する高知城のあと、ひろめ市場でカツオのたたきを楽しむのが王道コース。日曜市と組み合わせれば土佐の食文化を丸ごと満喫できます

城下町の散策には、地元の観光案内所で配布している歴史まち歩きマップの活用をおすすめします。多くの城下町ではガイドボランティアによる無料の案内サービスも提供されており、文字だけでは伝わらないエピソードや裏話を聞くことができます。

復元城と近代城郭の楽しみ方

現存12天守以外にも、復元・再建された城は全国に数多く存在します。大阪城大阪府)は1931年に再建された鉄筋コンクリート造りですが、内部は充実した博物館となっており、豊臣・徳川時代の大坂の歴史を体系的に学べます。熊本城熊本県)は2016年の地震で大きな被害を受けながらも復旧作業が続いており、石垣の積み直しや天守の修復過程を実際に見学できる「復旧見学通路」が設置されています。城が「生きている」歴史遺産であることを感じさせてくれる、特別な体験です。

沖縄の首里城沖縄県那覇市)は2019年の火災後、再建工事が着実に進んでいます。琉球王国の独自文化を体現した赤瓦・石造りの建築は、本州の城郭とはまったく異なる世界観を持ちます。再建の進捗を見守りながら訪れることで、城というものが単なる建物ではなく地域のアイデンティティそのものであることを実感できるでしょう。

城めぐりの実践アドバイス

御城印収集:近年、各城で独自デザインの「御城印」(300〜500円)の頒布が盛んになっています。日本城郭協会公認の「日本100名城スタンプラリー」と組み合わせれば旅の記録として残せます。スタンプ帳は全国の城・観光案内所で1,000円程度で販売。100名城を制覇した「完全制覇者」には認定証が発行されます。

季節の選び方:春(3〜4月)は桜との競演が美しく、多くの城で「お城まつり」が開催されます。夏は緑に包まれた城景が楽しめる一方、山城は熱中症対策必須。秋(10〜11月)は紅葉と城のコントラストが格別で、雲海目当ての山城訪問には最適シーズンです。冬は観光客が少なく、雪景色と城の組み合わせも趣があります。特に弘前城の雪景色や松本城の冬景色は写真愛好家の間で高い人気を誇ります。

撮影スポット:各城には「絵はがきアングル」と呼ばれる定番撮影ポイントがあります。松本城なら内堀を挟んだ東側、姫路城なら菱の門前の「三の丸広場」が定番。朝の開城直後は人が少なく光も柔らかく、撮影に最適です。ドローンを使った空撮は多くの城で禁止されているため、必ず事前に各城の規定を確認しましょう。

城めぐりは一度始めると奥が深く、知れば知るほど新たな発見があります。まずは最寄りの城から足を運び、石垣の積み方、天守の構造、堀の配置に目を向けてみてください。歴史の教科書には載っていない、生きた日本史がそこに待っています。

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Written by

桜田 一郎

城郭研究家・歴史ガイド

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