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日本のお城巡り完全ガイド|現存12天守から復元城まで、歴史を歩く旅
観光・体験
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日本のお城巡り完全ガイド|現存12天守から復元城まで、歴史を歩く旅

日本に現存する天守閣はわずか12棟。明治時代の廃城令や戦争による消失を乗り越えて今も立つこれらの城は、単なる観光スポットではなく、建築・軍事・政治の歴史が凝縮した文化遺産です。お城巡りを趣味とする「城活(しろかつ)」ブームが続くなか、初心者から上級者まで楽しめるお城旅の完全ガイドをお届けします。

現存12天守とは何か

「現存12天守」とは、江戸時代以前に建てられた天守が一度も焼失・取り壊しされずに現在まで残っている12棟の天守閣を指します。国宝4城(姫路・松本・犬山・彦根)と重要文化財8城(弘前・丸岡・備中松山・丸亀・伊予松山・宇和島・高知・松江)が該当します。

姫路城(兵庫県)は「白鷺城」の別名を持ち、その純白の外観は世界遺産にも登録されています。大天守を中心に複数の小天守が連立する複合式天守は国内最大級。内部の見学コースでは急勾配の階段を上りながら、当時の防衛構造を体感できます。外観の白漆喰は熱や火矢に強い防火効果も兼ねており、美しさと機能性を両立した設計です。

松本城(長野県)は戦国時代に築かれた平城(山を持たない城)で、黒と白のコントラストが美しい姿は「烏城(からすじょう)」とも呼ばれます。国宝の中でも最古の五重天守を持ち、内部には鉄砲や火縄銃の展示も充実。冬には雪をいただいた天守と北アルプスが重なる絶景が撮影できます。

彦根城(滋賀県)は天守の優美さで知られ、築城当初の石垣や堀がほぼ完全に残る貴重な城郭です。江戸時代の大名・井伊家の居城として知られ、城内の玄宮園は国の名勝にも指定されています。天守最上階から琵琶湖を望む眺めは格別で、季節を問わず訪れる価値があります。

復元天守・模擬天守も見逃せない

現存12天守以外にも、歴史的資料に基づいて復元された天守には見応えのあるものが多くあります。

大阪城(大阪府)の現在の天守閣は昭和に復元されたもので、内部は博物館として充実した展示が並びます。豊臣秀吉の天下統一をテーマにしたジオラマや当時の武具コレクションは見ごたえ十分。エレベーターが設置されているため、バリアフリーでも安心して最上階まで登れます。

名古屋城(愛知県)は本丸御殿の復元工事が完了し、江戸時代の書院造り建築を間近で鑑賞できるようになりました。天守の金のしゃちほこは名古屋のシンボルとして知られ、展望台から名古屋市街の眺望も楽しめます。障壁画の復元には伝統の技法が用いられており、その精細さは必見です。

熊本城(熊本県)は2016年の地震で甚大な被害を受けましたが、長期修復プロジェクトが進み、天守は2021年に一般公開が再開されました。修復現場を見学できる「特別見学通路」も整備されており、現在進行形の城郭復興を間近で目撃できる特別な体験ができます。

城下町を歩く楽しみ

お城だけでなく、城下町の雰囲気も旅の大きな醍醐味です。

金沢(石川県)は加賀百万石の城下町として、武家屋敷・茶屋街・老舗料亭が今も残ります。金沢城公園は石川門・三十間長屋など見どころが多く、隣接する兼六園との組み合わせが定番コースです。ひがし茶屋街では江戸時代の町家建築が連なり、城とはひと味違う歴史の空気を感じられます。

萩(山口県)は毛利氏が築いた指月城の跡地に、江戸時代の武家屋敷や商家がほぼ原形のまま残る稀有な城下町です。幕末の志士・吉田松陰の松下村塾や木戸孝允旧宅なども徒歩圏内にあり、明治維新ゆかりの地として城郭と歴史散策を一度に楽しめます。

弘前(青森県)は現存12天守の一つ、弘前城を中心に城下町が広がります。春には城内に約2600本のソメイヨシノが咲き誇り、花見の名所として全国からの観光客を集めます。堀に映る桜と天守のコントラストは、日本の春を象徴する景観のひとつです。

お城巡りの基礎知識とマナー

スタンプ帳の活用: 全国の名城100選(日本城郭協会認定)は、各城でスタンプを押していくコレクション要素があり、城活の入門として人気です。スタンプ帳は各城の売店で販売されており、100城制覇を目指して旅を続けるうちに自然と城郭知識が深まります。

撮影スポットの下調べ: SNSで話題の「映えるアングル」は城ごとに定番ベストスポットがあります。姫路城なら「菱の門」から見上げたアングル、松本城なら水堀を背景にした逆さ松本城が定番。現地スタッフに撮影スポットを尋ねると丁寧に教えてもらえることも多いです。

時間帯の工夫: 多くの城は9〜10時に開城します。観光客が少ない開城直後か、夕方閉城前の1時間が人混みを避けた静かな観覧に最適です。一部の城では夜間ライトアップも実施されており、昼夜で異なる表情を楽しめます。

天守内部での注意点: 天守内部の急な木製階段は滑りやすく、靴下の着用が義務付けられている城もあります。また、急勾配の階段は足腰への負担が大きいため、膝に不安のある方は事前に現地のバリアフリー情報を確認しておくことをおすすめします。

城旅のプランニングのコツ

お城は丘や山の上に建てられていることが多く、徒歩アクセスに体力を要します。備中松山城岡山県)のように麓から約20分の山道を歩く必要がある城もあるため、動きやすい服装と歩きやすい靴は必須です。

旅程を組む際は、同じ地域の複数の城をまとめて回る「城めぐり旅」が効率的です。例えば、愛媛県内には伊予松山城・宇和島城・今治城と3つの名城が点在しており、2泊3日で充実した城活ができます。四国4県にはいずれも個性豊かな城が残っており、四国一周の旅と組み合わせる方も増えています。

また、各地の城郭を深く学びたい方には、城郭検定(日本城郭検定)への挑戦もおすすめです。3級から1級まで段階的にレベルアップでき、学習を通じて城郭への理解が格段に深まります。城活は一生涯楽しめる趣味として、老若男女を問わず広がり続けています。

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Written by

村上 大樹

城郭研究家・歴史旅ライター

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