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紙遊苑(紀州高野紙伝承体験資料館)

紙遊苑(紀州高野紙伝承体験資料館)

※写真はイメージです。

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和歌山県九度山町の世界遺産エリアに佇む「紙遊苑」は、弘法大師空海に教えられたと伝わる手漉き和紙「髙野紙(古沢紙)」の歴史と技術を次世代へ継承するために生まれた体験資料館だ。千年を超える和紙文化の重みを、自分の手で「漉く」という行為を通じて体感できる場として、平成11年4月に開館して以来、地域の文化的拠り所となっている。

弘法大師に由来する、高野山の和紙

髙野紙の起源は、弘法大師空海の教えに遡る。鎌倉時代初期には、教典の印刷用紙や経巻の書写用紙として実際に使われており、高野山という宗教的求心力のもとで紙づくりが根付いていった。紙面に独特の粗さがあるこの和紙は、精密な活字印刷とは相容れなかったが、逆にその厚みと丈夫さが、傘紙・障子紙・合羽・紙袋・提灯用紙といった実用品として重宝された。

大正の最盛期から昭和の衰退へ

大正7〜9年の最盛期、九度山町の古沢・河根地域を中心に約100軒もの家々が紙漉きを生業としていた。集落ぐるみで和紙産業が支えられていたこの時代の活況は、地域の誇りとして語り継がれている。転機となったのは昭和30年代。布製の傘が急速に普及したことで和紙の需要が激減し、産業は急激に衰退していった。紙遊苑は、その技術と記憶が完全に消える前に「形として残す」という九度山町の意志の結晶である。

入門コースから丸一日本格体験まで

体験メニューは目的や滞在時間に応じて選べる。入門コースでは、はがき大(3枚1組)・色紙大(1枚)・A3大(1枚)の3サイズから選択でき、料金はそれぞれ300円・300円・400円(20名以上の団体は各250円・250円・300円)。気軽に和紙づくりの感触を知るのに適している。

より深く探求したい人には丸一日本格体験コース(5,000円/人)がある。座学から始まり、蒸す・黒皮とり・トロロアオイの粘液抽出・漉く・干すという一連の工程をすべて体験できる内容で、髙野紙が完成するまでの全プロセスを自分の手と目で確かめられる。1日3名限定・事前予約制のため、じっくりと職人の世界に踏み込める希少な機会だ。入苑料は無料なので、まず館内の展示を見てから体験の有無を決めることもできる。

季節の企画展と、もう一つの使い方

館内では毎年、和紙をテーマにした企画展を開催している。「民芸和凧展」「アサガオ展」「スイセン展」など、季節ごとに異なるテーマで和紙文化の多様な表情を紹介しており、リピーターが異なる顔を発見できる仕掛けになっている。また、和室や茶室の有料貸出も行っており、静謐な空間で催しを開きたい人にも活用されている。開苑時間は午前9時〜午後4時30分(最終受付は午後4時)、月・火曜(祝日は開苑)と年末年始(12月28日〜1月4日)が休苑日となっている。

アクセス

南海高野線九度山駅から徒歩約10分

営業時間

9:00~16:30、定休日: 月・火曜(祝日除く)及び年末年始(12月28日~1月4日)

料金目安

入苑料: 無料。体験料 - はがき大(3枚組): 300円、色紙大: 300円、A3大: 400円、丸一日本格体験コース: 5,000円/人

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