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はしびと珈琲
※写真はイメージです。

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山中湖畔の澄んだ空気の中、富士山から吹き降ろす冷たい風を受けながら、紀州備長炭で丁寧に豆を焼き上げる。そんな非日常的な焙煎風景がここ、「はしびと珈琲」の日常だ。32年のキャリアを持つオーナーが、美容師という本職と並行しながら一人で切り盛りするモーニングカフェは、山中湖エリアで唯一無二の存在感を放っている。

パリコレのヘアメイクから炭焙煎士へ——異色の経歴が生んだ一杯

オーナーはかつてパリコレモデルのヘアメイクに携わるきらびやかな世界に身を置いていた。しかし30年以上前、心の変化をきっかけに福島県葛尾村へ移住し、地元農家から農業と炭焼きの技術を一から学ぶ。

その経験を活かし、ブラジルとペルーから無農薬のコーヒー豆を輸入。自ら焼いた炭でローストした「葛尾グローブの無農薬炭焼き焙煎豆」として、東京の自然食品店への流通を試みた。約3年後に販売は軌道に乗りきらず美容師業へ復帰したものの、焙煎への情熱は消えなかった。現在は美容師と焙煎士——かつての夢ふたつを同時に叶えた格好だと、オーナー自身が語っている。

備長炭焙煎の科学——200度超、遠赤外線がコーヒーを変える

はしびと珈琲の焙煎を特別たらしめるのが、紀州備長炭一択というこだわりだ。一般的な炭に比べて火力が強く安定しており、焙煎機内部を200度以上に引き上げることができる。備長炭の放つ遠赤外線は豆の内部からじっくりローストを進め、フレンチロースト以上の深入りに仕上げながらも均一な火入れを可能にする。

手作りの炭焼き用焙煎機を使い、少量ずつ丁寧に焼き上げる。前回使用した備長炭を消し壺でリサイクルして種火に転用するなど、作業効率と品質の両立にも細かい工夫が光る。富士山から吹き降ろす冷気は焙煎環境を安定させる自然の恩恵で、この場所を選んだ理由のひとつでもある。

「苦いのにスッキリ」——コーヒーが苦手な人こそ試してほしい

無農薬・無化学肥料の生豆を備長炭で深入り焙煎した「はしびとコーヒー」の特徴は、すっきりとしたのど越しにある。深いロースト香と豊かなコクを持ちながら、酸味をほぼ感じさせない。ビターなのになぜかスッキリしている、と表現されるその味わいは、日本人の好みに合わせてアレンジされたエスプレッソ系の風味で、「今までコーヒーが苦手だった」という人にも好評を得ている。豆はECサイトでの購入も可能で、自宅でも楽しめる。

塩ドッグとエビの白ワイン蒸し——素材を活かしたモーニング軽食

コーヒーに寄り添うのが、素材にこだわったふたつの軽食だ。看板メニューの「塩ドッグ」は、全粒粉と桐生の天然酵母で発酵させたロールパンに、無添加ソーセージを香ばしく焼いて挟み、スペシャルなお塩をふりかけたシンプルな一品。余計なものを加えない引き算の発想が、素材の旨みを前面に押し出している。

一方、女性客や海外からの訪問客に特に人気なのが「エビの白ワイン蒸し」。丁寧に淹れたコーヒーとともに、朝の山中湖畔の景色を眺めながらいただくモーニングは、日常を忘れさせる時間を提供してくれる。

山中湖畔で過ごす静かな朝——テイクアウトも可能

店内飲食とテイクアウトの両方に対応しており、富士山を望む湖畔の景色を散策しながらコーヒーを楽しむことも可能だ。オーナーの奥様・佳奈さんの誕生日にオープンしたという来歴も、この店が持つ温かな空気の理由のひとつかもしれない。山中湖を訪れる際には、喧騒が始まる前の静かな朝に立ち寄り、32年の経験と自然が生み出す一杯を味わってみてほしい。

アクセス

山梨県南都留郡山中湖村山中125

営業時間

8:00〜15:00

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店舗詳細

対応言語
日本語

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