
四季の杜おしの公園 岡田紅陽写真美術館・小池邦夫絵手紙美術館
GALLERY
忍野村に佇む「四季の杜おしの公園」内に、ジャンルの異なる二つの美術館が並ぶ複合文化施設がある。富士山写真の巨匠・岡田紅陽の足跡をたどる写真美術館と、絵手紙芸術の創始者・小池邦夫の世界観に浸れる絵手紙美術館が、それぞれ独立した展示空間を持ちながら同じ屋根の下に共存している。富士山という共通のテーマが二つの館を静かに結びつけており、訪れる人は視覚と感性の異なる二つの扉を一度の訪問でくぐることができる。
千円札の源泉——岡田紅陽写真美術館
岡田紅陽写真美術館が誇る代表作のひとつが「湖畔の春」だ。この一枚は、かつての千円札に描かれた富士山図像のデザイン元となった作品として広く知られる。紙幣という日常の中に溶け込んだ富士山の姿が、実はこの写真家のまなざしから生まれたと知れば、展示室に足を踏み入れた瞬間の感覚は自ずと変わってくる。常設展では自然と富士山を主題とした約50点の作品が並び、四季それぞれに異なる表情を見せる富士山の姿が印象的な空間を形成している。
「ヘタでいいヘタがいい」——小池邦夫絵手紙美術館
もう一方の小池邦夫絵手紙美術館は、絵手紙という表現形式そのものを世に広めた人物の仕事を集めた場所だ。「ヘタでいいヘタがいい」という言葉は小池邦夫が絵手紙の根本に据えた理念であり、描く技術よりも気持ちを乗せることを大切にするこの姿勢が館内全体の空気をつくっている。初期の絵手紙作品から、富士山を題材にした近作「富嶽百景」まで約300点を展示。作品点数の多さと作風の幅広さが、創始者の長い歩みを実感させる。
縁の深い作家たちとの交流が見える企画展
企画展示ホールでは定期的に収蔵品展や特別展が開催されており、小池邦夫と交流のあった俳優・緒形拳、片岡鶴太郎、書家・鈴木竹影といった各界の表現者たちの作品も紹介されることがある。絵手紙という表現が芸術家の枠を超えてどれほど多くの人を動かしてきたか、そのつながりの広がりを企画展を通じて感じられるのも、この館ならではの体験だ。
参加型の絵手紙体験と全国公募展
展示を「見る」だけでなく「描く」という体験の場も用意されている。館内では絵手紙体験を実施しており(要予約)、絵が苦手だという人も「ヘタでいいヘタがいい」の精神に背中を押されて筆を持てる。また毎年テーマを設けた「全国絵手紙公募展」が開催されており、全国各地から寄せられた作品すべてが展示会場に並ぶ。応募規定は葉書サイズで郵送可能なものという手軽さで、来場者だけでなく遠方の参加者も展覧会の構成員となる仕組みが、この公募展を長く愛される行事にしている。
アクセス
バス停「忍野しのびの里」下車徒歩0分
営業時間
午前10時~午後5時(最終入館午後4時半)。火曜日休館
料金目安
常設展示あり。企画展示等により異なる
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店舗詳細
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