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那覇の郷土料理|受け継がれる味と食の物語
那覇とその周辺には、琉球王国の時代から受け継がれてきた「琉球料理」の伝統が息づいています。首里城のあった首里は現在の那覇市の一部で、王府の宮廷料理と、人々の暮らしの中で育まれた庶民料理の両方がこの街で出会ってきました。この記事では、農林水産省の郷土料理データベースをもとに、那覇で知っておきたい琉球料理の成り立ちと、行事や日々の食卓で受け継がれる料理を紹介します。個別の店の料金や営業時間は変わることがあるため、訪問前に各店の案内で確認してください。
琉球料理の二つの源流:宮廷料理と庶民料理
農林水産省によると、沖縄で発展・継承されてきた伝統的な料理は「琉球料理」と呼ばれ、その基礎は「宮廷料理」と「庶民料理」の二つです。宮廷料理は、琉球王国の宮廷行事や儀式、接待のために生まれたもので、15世紀以降の中国の冊封使、17世紀以降の薩摩の在番奉行など、中国と日本の双方から大きな影響を受けました。宮廷料理に欠かせない器が琉球漆器の「東道盆(トゥンダーブン)」で、色や形が美しく冷めても味の変わらない料理を盛り込みます(出典: 農林水産省「うちの郷土料理」沖縄県)。切り込みを入れた甲いかを花のようにはじかせた「花いか」、豚ロース肉にゴマだれをまとわせて蒸した「ミヌダル」などが、東道盆に盛られる料理の例です。2000年には「琉球王国のグスク及び関連遺産群」が世界文化遺産に登録され、王国の歴史や暮らしを今に伝えています。
一方の庶民料理には、中国から伝わった医食同源の考え方が根づいていて、沖縄では食べ物を「クスイムン(薬になるもの)」と呼ぶこともあります。かつおだしと豚だしを多く使うのも特徴で、沖縄そばのスープはこの二つのバランスが味の決め手です。
豚を余さず使う料理
琉球料理では豚が「鳴き声以外はすべて食べ尽くす」といわれるほど大切にされてきました。体の悪い部分と同じ部位を食べると良いとする「以類補類」という考え方も伝わっています。
- 中身汁: 豚の大腸や小腸、胃などの「中身」をすまし汁に仕立てたもの。おからや小麦粉でもみ洗いし、何度もゆでこぼして臭みを取るため、内臓を使いながらさっぱりした味わいです。正月や祝い、法事の料理として食べられてきました(出典: 農林水産省「うちの郷土料理」中身汁)
- イナムドゥチ: 「イノシシもどき」という意味の汁物。かつてはイノシシ肉を使っていましたが、豚肉で作るようになりました。甘味噌仕立てで、琉球王朝時代の流れをくむ供応料理の一の膳に出される祝い料理のひとつです(出典: 農林水産省「うちの郷土料理」イナムドゥチ)
- 足ティビチ: 豚足を昆布や大根と長時間煮込んだ料理で、かつては宮廷料理として用いられ、今は庶民の料理として親しまれています
祝いと行事の料理
琉球料理には、年中行事や祝い事と結びついた料理も多くあります。「クーブイリチー」は昆布の炒め煮で、昆布を「よろこぶ」にかけて結婚式などの祝い事に欠かせない料理とされてきました(出典: 農林水産省「うちの郷土料理」クーブイリチー)。
炊き込みご飯の「クファジューシー」も、もとは行事や祝いごとのハレの料理でした。旧盆の精霊迎え「ウンケー」の夕方には葉ショウガを使った「ウンケージューシー」、冬至には田芋を使った「トゥンジージューシー」を食べるなど、季節の行事ごとに具が変わります。落花生の搾り汁をいもくずで練り固める「ジーマーミ豆腐」も、落花生が貴重だった時代には法事や祝い事など特別な日の料理でした。
清明祭や旧盆、法事では、豚の三枚肉やかまぼこ、昆布、揚げ豆腐など九品をモザイク状に詰めた重詰め料理が用いられます。親族や地域の人が集まって料理を囲むことが、絆を確かめる機会にもなっています。
那覇で琉球料理にふれるコツ
- 沖縄料理店では、中身汁やイナムドゥチなど汁物から試してみる
- 旧盆や清明祭の時期には、行事と料理の関係に注目する
- スーパーでは中身汁などのレトルト商品も手に入る
那覇で気軽に食べられる名物については、那覇のご当地グルメ完全ガイドも参考にしてください。
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