ビューティー
金沢のご当地コスメ|石川県素材で作る美の秘密
金沢の女性たちは肌がきれいだとよく言われます。その秘密は、石川県の豊かな自然環境と、古くから伝わる美容の知恵にあります。湯涌温泉の湯に日常的に通い、犀川と卯辰山の四季がもたらす澄んだ空気を吸い、近江町市場で手に入る新鮮な食材で体の内側から整える——金沢美人のビューティールーティンは、特別なことをしているわけではなく、この土地の恵みを上手に活かしているだけなのです。
人口約46万人の金沢は、江戸時代から「小京都」と呼ばれてきた文化都市です。加賀百万石の豊かな文化に育まれた美意識は、衣食住すべてにおいて高く、美容においても例外ではありません。日本海側特有のしっとりとした気候と豊富な天然資源が、金沢独自の美容文化を育んできました。石川県流の美の秘密を、素材・習慣・スポットの三つの視点から解き明かしていきましょう。
温泉がもたらす、毎日のスキンケア効果
金沢の女性たちの多くが、週2〜3回のペースで湯涌温泉に通います。日帰り入浴は800円〜1,500円、回数券なら10回分で7,000円〜12,000円とお得に利用でき、特別なイベントではなく日常の美容習慣として定着しています。
湯涌温泉の泉質はナトリウム・カルシウム塩化物泉で、保温効果が高く「美人の湯」とも称されます。泉温は約42℃と少し高めですが、長年通う地元の方々は「ぬるめにして長く入る」コツを伝承しています。推奨される入浴ルーティンは、まず掛け湯でゆっくり体を慣らし、ぬるめの内湯に10〜15分、その後露天風呂で自然の空気を感じながら5分、最後に再びぬるめの内湯で体温を整える三段階。
地元の常連客の間で語り継がれるのが、洗顔料を使わず温泉水だけで顔を洗う「温泉洗顔」です。温泉のミネラル成分——特に塩素イオンや重炭酸イオン——が汚れを落としやすくすると感じる方もいるといわれ、洗い上がりがすっきりすると親しまれています。洗い上がりはしっとりとしており、過度に乾燥しないのが特徴です。湯上がりはすぐに地元産の化粧水(1本1,500円〜2,500円)をたっぷり肌に叩き込み、乳液で蓋をするだけのシンプルケアで十分だと地元の美容師も口をそろえます。
加賀百万石が育んだ、地元素材コスメの世界
石川県には、美容に活用できる天然素材が豊富に存在します。その中でも注目されているのが、能登半島の塩、白山に源を発する伏流水、そして加賀温泉郷の湯の花です。
能登の天然塩は、精製塩と異なりミネラルを豊富に含み、スクラブ素材として優秀です。粒子が細かい「浜塩」を使ったボディスクラブは、地元の温泉旅館でも採用されており、くすんだ肌をリセットするのに効果的とされています。白山の雪解け水由来の伏流水は、軟水で肌なじみがよく、洗顔や化粧水の基材として理想的な水質です。地元コスメブランドの多くがこの水を製造工程に使用しており、「白山水」の名でボトリングされたものも販売されています(500ml 300円〜)。
湯の花——温泉の析出成分から作られるこの素材——は、山中温泉や山代温泉周辺で採取されます。硫酸カルシウム(石膏)などを主成分とし、入浴剤として使用すれば温泉成分の恩恵を自宅で再現できます。地元の薬局では1袋200円前後から取り扱われており、「金沢みやげ」としても人気が高まっています。
近江町市場で見つける、食べる美容の知恵
「金沢の台所」と呼ばれる近江町市場には、美容にも効く地元食材が集まっています。美容通の金沢女性が日常的に取り入れているのが、はちみつ・米ぬか・日本酒という三つの素材です。
能登産のはちみつ(500g 1,200円〜)は、地元養蜂家が丹精込めて採取した非加熱タイプが最上とされます。保湿成分であるグルコン酸やミネラルを豊富に含み、大さじ1杯を顔に塗って10分置くハニーパックは、しっとりとした使い心地が楽しめるといわれています。週1〜2回続けて使うと肌の調子がよいと感じる方もいるといわれ、地元の美容好きの間で親しまれています。
米ぬかを使った美白ケアも、加賀藩の時代から受け継がれる伝統的な美容法です。精米所で無料〜100円程度で手に入る生ぬかをガーゼに包み、水を含ませてから肌を優しくマッサージすると、フィチン酸やビタミンE、セラミドといった成分を含むといわれています。石鹸洗顔の前に行うことで、肌をすっきりと整えたいときの習慣として親しまれています。
石川県が誇る地酒を使った美容法も見逃せません。天狗舞や菊姫など、地元の銘酒を精製水で2倍に薄めた「日本酒化粧水」は、アミノ酸やコウジ酸が豊富で、ハリ感と透明感を引き出すと言われています。冷蔵庫で2週間ほど保存可能で、1本の日本酒(720ml 1,500円〜)から化粧水を数本分作れるコストパフォーマンスも魅力です。地元の美容家が開催するDIYコスメワークショップ(参加費2,000円〜3,500円)では、これらの手作りレシピを丁寧に教えてもらえます。旅の体験としても楽しめる人気プログラムです。
片町・竪町エリアで巡る、石川県発ビューティースポット
金沢市内には、美容に特化したスポットが点在しています。片町・竪町エリアは、地元素材を使ったナチュラルコスメのセレクトショップが集まるゾーンとして知られ、石川県産のハーブや精油を原料にしたオーガニックスキンケアが1,500円〜4,000円の価格帯で揃っています。特に人気なのが、能登の塩と白山ハーブをブレンドした入浴剤(1個800円〜)や、加賀棒茶エキスを配合したフェイスマスク(5枚入 1,800円〜)です。
エステティックサロンでは、湯涌温泉の温泉水を使ったフェイシャルトリートメント(60分 7,000円〜10,000円)が予約の取れない人気メニューになっています。温泉水スチームで毛穴を開いてから、地元産の米ぬかや石川県産ホホバオイルを組み合わせたオリジナルマッサージを施す内容で、施術後の肌のきめ細かさと透明感は格別です。初回は体験プランで半額になるサロンも多いため、旅のタイミングに合わせて予約を入れるのがおすすめです。
美容院のヘッドスパ(30分 3,000円〜5,000円)も、石川県産のハーブオイルを使った独自メニューで好評を博しています。加賀温泉郷のスパでは、本格的な半日プログラム(15,000円〜)も提供されており、温泉・エステ・食事をセットにした「美活合宿」として週末に訪れる女性も増えています。
持ち帰りたい、金沢コスメのお土産選び
金沢の美を自宅でも再現できるお土産コスメは、年々充実してきています。金沢駅の「金沢百番街」や兼六園周辺のショップで手に入る定番人気アイテムをご紹介します。
まず外せないのが温泉水ミスト(1,800円〜2,500円)。湯涌温泉の源泉水をそのまま充填したタイプは、メイクの上からでも使える手軽さで、乾燥が気になる季節を問わず活躍します。次に、能登の天然塩と地元ハーブをブレンドしたハンドクリーム(1,200円〜1,500円)。香りも穏やかで、デスクワーク中でも違和感なく使えます。加賀棒茶(ほうじ茶)成分を配合したリップバームや、加賀友禅の意匠を施したパッケージのフェイスマスクセット(5枚入 1,500円〜)も、見た目の美しさから贈り物として喜ばれています。
3アイテムセットで4,500円前後というコンパクトな予算で揃えられるのも、石川県コスメの魅力です。商品によっては金沢駅構内の空港行きリムジンバス乗り場近くのショップでも購入できるため、旅の最後まで買い物を楽しめます。
金沢で手に入れた自然素材の美容の知恵と、石川県産のコスメアイテム。日常に取り入れることで、この土地が育んだ美の哲学——飾らず、無駄なく、自然と調和する——を感じ続けることができるでしょう。
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