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鶴見川 綱島の桜並木と河川敷散歩

鶴見川 綱島の桜並木と河川敷散歩

Photo: 電車(新幹線)でゴー! / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
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横浜市港北区の綱島エリアを流れる鶴見川沿いには、春になると川岸を彩る見事な桜並木が出現する。都市の喧騒を忘れさせる穏やかな水辺の景観と、約300本のソメイヨシノが織りなすピンクの回廊は、地元住民はもちろん、遠方からも花見客が訪れる横浜屈指の桜スポットだ。

鶴見川と綱島の歴史的な結びつき

鶴見川は、東京都町田市に源を発し、横浜市を経て川崎市の河口で東京湾に注ぐ、全長42.5キロメートルの一級河川だ。この川が流れる綱島エリアは、かつて「桃の里」として知られた農村地帯だった。大正から昭和初期にかけて、綱島一帯では桃の栽培が盛んに行われており、春には桃の花が一面に咲き誇る風景が広がっていたという。

さらに綱島には、かつて温泉が湧き出ていた歴史もある。明治時代に温泉が発見されて以来、「綱島温泉」として多くの湯治客や行楽客を集め、昭和の高度成長期には「東洋のハワイ」とも呼ばれた一大温泉リゾートに発展した。映画館や料亭、旅館が立ち並ぶ賑やかな観光地として、東京や横浜市内から多くの人々が訪れたが、その後の都市化の進行とともに温泉施設は徐々に姿を消していった。現在では当時の面影を残す建物や地名が点在しており、街歩きのなかでその歴史の断片を見つけることができる。

川沿いに桜が植えられるようになったのは戦後の河川整備の流れによるものだが、今日では約300本のソメイヨシノが根を張り、春の風物詩として地域の象徴的な存在となっている。

桜並木の見どころ——川面に映るピンクの回廊

毎年3月下旬から4月上旬にかけて、鶴見川沿いの桜並木はいっせいに開花を迎える。両岸に連なる桜の枝が川の上で交差するように伸び、まるでトンネルのような花のアーチを形成するのが、この場所の最大の魅力だ。

特に見応えがあるのは、川面に映り込む桜の姿だ。晴れた日には、川の水面が鏡のようになって、空に向かって咲くソメイヨシノがそのまま水中に反転して映し出される。ピンクと水の青が混ざり合う幻想的な光景は、写真愛好家たちにとって格好の被写体となっており、早朝から三脚を立てて撮影に臨むカメラマンの姿も多く見られる。

桜の見頃は例年、東京の開花宣言から数日後に訪れることが多い。満開の時期は約1週間から10日程度と短いため、開花情報をこまめにチェックして訪れるのがベストだ。夜には桜並木を照らすライトアップが行われることもあり、昼間とは異なる幻想的な夜桜を楽しめる日もある。

河川敷を歩く——春の散歩コースとお花見スポット

鶴見川の河川敷は、整備された歩行者・自転車専用の遊歩道が続いており、気軽に散策を楽しめる環境が整っている。桜の季節には、ジョギングやウォーキングを楽しむ人々に加え、レジャーシートを広げてお花見ピクニックを楽しむ家族連れや友人グループで賑わいを見せる。

河川敷はほどよく開放的なスペースがあり、子どもたちが走り回るのに適した草地も点在している。ペットの散歩をしながら桜を愛でる人も多く、のんびりとした休日の午後を過ごせる場所として地域住民に親しまれている。

散歩コースとしては、綱島駅から鶴見川沿いに歩き始め、上流・下流それぞれの方向へ向かう選択肢がある。上流方向へ歩けば新羽橋や亀甲橋方面へ、下流方向へ歩けば日吉方面へとつながり、川沿いの風景を楽しみながら比較的長距離の散歩を楽しむこともできる。歩き疲れたら川沿いのベンチに腰掛け、流れる水と満開の桜を眺める時間が、この場所の贅沢な楽しみ方だ。

桜以外の季節の楽しみ方

鶴見川沿いの河川敷は、桜の季節以外にも一年を通じて訪れる価値がある。

初夏から夏にかけては、青々と茂った木々が日差しを遮り、涼しい木陰を提供してくれる。緑の葉が覆う遊歩道をジョギングや自転車で走るのが、地元のスポーツ愛好者の間で人気だ。川面には時折、野鳥の姿も見られ、カワセミやサギなど水辺の生き物たちとの出会いを楽しみながらバードウォッチングを楽しめる。

秋には桜並木の紅葉が見どころとなる。ソメイヨシノの葉は黄色から橙色へと色づき、秋ならではの穏やかな景色が広がる。春の花見とはまた異なる静かな美しさがあり、秋の散歩に訪れるリピーターも少なくない。

冬の時期は人出こそ少なくなるが、葉を落とした桜の木の枝が空に広がる様子はそれ自体に独特の風情がある。早春の訪れを告げる早咲きの梅や、河川敷で見られる冬の草花を観察しながら散歩するのも、この季節ならではの楽しみ方だ。

周辺の立ち寄りスポットと綱島の街歩き

桜並木の散策を楽しんだあとは、綱島の街なかにも足を向けてみよう。綱島駅前を中心に商店街が広がっており、地元の飲食店やカフェが充実している。花見弁当をテイクアウトできる惣菜店や、地元食材を使ったランチを提供するレストランなど、散策後の食事場所に困ることはない。

綱島温泉の歴史を伝えるスポットも近辺に点在しており、かつての温泉地の面影を探しながら街を歩くのも一興だ。温泉時代の看板建築や、古い地図と照らし合わせながら散策するタイムスリップ気分の街歩きは、歴史好きの旅行者に特におすすめのアクティビティだ。

また、綱島から少し足を延ばせば、日吉の慶應義塾大学のキャンパスや、新横浜エリアへのアクセスも容易だ。花見のあとに隣町を散策するプランを組み合わせれば、横浜北部エリアを存分に楽しめる一日旅が完成する。

アクセスと訪問のヒント

鶴見川の綱島桜並木へのアクセスは、東急東横線「綱島駅」から徒歩数分と非常に便利だ。渋谷方面や横浜方面からのアクセスが良く、東急新横浜線の開通により新横浜駅からも乗り換えなしで訪れることができるようになった。

桜の見頃となる週末は河川敷が非常に混雑するため、ゆったりと楽しみたい場合は平日の訪問がおすすめだ。早朝の時間帯は人が少なく、朝の光に輝く桜と静かな川面の景色を独占できる。撮影目的で訪れる場合は、風が穏やかで水面が落ち着いている早朝や夕方前後の時間帯が特に美しい。

河川敷には飲食物の販売店舗が限られているため、花見の際は食べ物・飲み物をあらかじめ用意してから向かうとよい。また、レジャーシートやゴミ袋を持参し、河川敷の美しい環境を守るマナーを大切にしてほしい。

春の休日に、東京・横浜の都市近郊でありながら、水辺のゆったりとした自然を感じられる鶴見川綱島の桜並木は、一度訪れれば毎年また来たくなる場所だ。

アクセス

東急東横線綱島駅東口から徒歩5分

営業時間

散策自由

料金目安

無料

編集部最終確認: 2026-04-25 (AI抽出)

施設の特徴

子連れ可ペット可

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