江の島
相模湾に浮かぶ小さな島・江の島は、古くから信仰の地として人々に親しまれてきた湘南のシンボルです。歴史と自然、絶景とグルメが凝縮されたこの島は、訪れるたびに新しい発見をもたらしてくれます。
千年以上の歴史が宿る、信仰の島
江の島の歴史は古く、欽明天皇の時代(6世紀)に江の島が出現したという伝説が残っています。島の中心に鎮座する江島神社は、辺津宮・中津宮・奥津宮の三社からなる由緒ある神社で、ご祭神はそれぞれ宗像三女神(田寸津比賣命・市寸島比賣命・多紀理比賣命)です。なかでも市寸島比賣命は弁財天と同一視され、江の島弁財天として古くから音楽・芸能・縁結びの神として信仰を集めてきました。
鎌倉時代には源頼朝が武運長久を祈願し、江戸時代には「江の島詣」が庶民の間で大流行。江戸から徒歩でも訪れる人が絶えないほどの人気を誇りました。現在の社殿は江戸時代後期から明治時代にかけて整備されたもので、境内の随所に歴史の重みが感じられます。参道の入口に立つ朱塗りの「瑞心門(ずいしんもん)」は、江の島のシンボル的な存在。この門をくぐると、長い参道の先に神聖な空間が広がります。
島を歩いて感じる、多彩な見どころ
江の島の面白さは、歩きながら次々と現れる見どころにあります。弁天仲見世通りと呼ばれる参道には、土産物店や飲食店が軒を連ね、活気あふれる雰囲気が楽しめます。参道を抜けると江島神社の三社を結ぶ参拝路へ。辺津宮から中津宮、奥津宮へと続くルートは緩やかな坂道が続きますが、途中にはビュースポットも多く、歩く疲れを忘れさせてくれます。
島の裏手(西側)に位置する岩屋洞窟は、長い年月にわたって波が岩を削り形成した天然の洞窟です。第一岩屋と第二岩屋の二つがあり、全長は合わせて約150メートル。薄暗い洞窟の中はひんやりと涼しく、岩の壁面には弘法大師(空海)が修行したという伝説の地として、いくつかの仏像が祀られています。洞窟の奥からは相模湾の海原が望め、海と岩の織りなす神秘的な光景は訪れる人を魅了します。
また、島のシンボルである「江の島シーキャンドル(展望灯台)」は高さ59.8メートル。展望室からは晴れた日に富士山、丹沢山地、伊豆半島、房総半島まで見渡すことができる大パノラマが広がります。特に空気が澄んだ冬の晴れ日には、雪化粧した富士山と相模湾のコントラストが息をのむほど美しく、日本の絶景を凝縮したような光景に出会えます。
季節ごとに輝く、江の島の表情
江の島は四季を通じてさまざまな顔を見せてくれます。春(3〜5月)は、島内の草木が芽吹き、相模湾越しに霞む富士山を眺める穏やかな散策に最適な季節。桜の名所としても知られる近隣の片瀬江ノ島周辺とあわせて楽しむ人も多くいます。
夏(7〜8月)は湘南の海水浴シーズンと重なり、江の島周辺の片瀬西浜・東浜は海水浴客で大いに賑わいます。サーファーや家族連れが集い、湘南らしい開放的な夏の空気が漂います。島内の飲食店も夏場は特に活気があり、行列のできるお店も少なくありません。
秋(10〜11月)は、観光客が比較的落ち着き、ゆったりと島の魅力を堪能できる穴場シーズンです。澄んだ空気のなか展望台から眺める富士山は格別で、写真撮影を目的に訪れる人も増えます。冬(12〜2月)は「湘南の宝石」と呼ばれるイルミネーションイベントが開催され(例年12月から2月にかけて)、青や白の光に照らされた島は幻想的な雰囲気に包まれます。冬の澄んだ空気と美しい光のコントラストは、暖かな季節とはまた異なる江の島の魅力を引き出しています。
外せない!島のグルメを堪能する
江の島を訪れたなら、ぜひ地元グルメも楽しみたいところです。代表的な名物は「しらす丼」。相模湾で水揚げされた新鮮なしらすを使った丼は、江の島周辺のほぼどの食事処でも提供されており、生しらすと釜揚げしらすを両方のせた「ハーフ&ハーフ丼」も人気です。生しらすは漁の状況によって提供できない日もあるため、訪問前に確認しておくとよいでしょう。
参道沿いの露店で販売されている「たこせんべい」も見逃せません。目の前でタコを丸ごとプレスして焼き上げる実演販売は行列必至で、香ばしい香りが参道に漂います。また、あわびや栄螺(さざえ)の壺焼きも名物として知られており、磯の香りとともに江の島らしい食体験が楽しめます。
甘いものが好きな方には、江の島プリンや地元のスイーツ店が点在しており、散策の合間に立ち寄るのもおすすめです。
アクセスと周辺情報
江の島へのアクセスは非常に便利です。小田急江ノ島線「片瀬江ノ島駅」から徒歩約10分、江ノ島電鉄(江ノ電)「江ノ島駅」から徒歩約15分で江の島弁天橋に到着します。橋を渡れば島はすぐそこ。全長約389メートルの弁天橋(車道)と江の島大橋を歩いて渡る道のりも、潮風を感じながらの気持ちよい散策になります。
島内は坂道が多いため、足腰に不安のある方はエスカー(屋外エスカレーター)の利用がおすすめです(有料)。島の主要スポットをつなぐ動線上に設置されており、体力を温存しながら観光できます。
近隣には鎌倉・由比ヶ浜や腰越、藤沢といった観光スポットも多く、江の島と組み合わせた湘南・鎌倉エリアの観光プランも人気です。江ノ電を使えば鎌倉まで約30分とアクセスしやすく、半日〜1日かけてエリアをゆっくり巡る旅が楽しめます。歴史・自然・食・絶景すべてが揃う江の島は、何度でも訪れたくなる場所です。
アクセス
小田急片瀬江ノ島駅から徒歩10分
営業時間
散策自由(施設により異なる)
料金目安
¥500〜¥1,000
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