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上海軒
※写真はイメージです。

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1936年(昭和11年)の創業から90年。香川県仲多度郡多度津町に店を構える「上海軒」は、昭和・平成・令和という三つの時代を越えて、変わらぬ一杯を守り続けてきた老舗ラーメン店です。飲食店の平均寿命が12年、ラーメン店では5年とも言われる世界で、この継続そのものが職人技の証明といえます。

渓流のように澄んだスープ

上海軒のラーメンを語るうえで外せないのが、どんぶりの底まで透けて見えるほど清澄なスープです。秘伝のベースに、丁寧に下処理した鶏ガラと魚介のだしを合わせ、鍋につきっきりで丸一日かけて炊き上げます。その透明度からは想像もつかない深いうま味が口に広がり、飲み終えた後も自然とレンゲが椀へ向かう——そんな引力のある一杯です。

毎日変わる、変わらない麺

麺は細めの中華麺。しかし「同じ麺」は一日として存在しないと言っても過言ではありません。職人がその日の気温と湿度を読み、配合を微調整しながら計10数回の工程を経て仕上げます。機械的な温湿度管理では再現できない感覚と経験の積み重ねが、スープに寄り添う独特の歯応えと香りを生み出しています。この手仕事を90年間途絶えさせなかったことが、上海軒の最大の強みです。

地元とともに育てた素材

仕入れ先についても、上海軒は創業当初から同じ地元の業者との関係を守り続けています。輸入食材や低コスト化が当たり前になった時代にあえて逆行し、「口に入るものは体に良いものであってほしい」という店主の信念から、地域の素材を地域に還元する循環を大切にしています。味の安定だけでなく、地域経済との共存という姿勢もまた、90年続いた理由のひとつといえるでしょう。

「九十年前のラーメン」という体験

上海軒が自らのキャッチフレーズとして掲げるのは「九十年前のラーメンを食べられること」。新しい味を生み出すことに価値を置く店が多い中、時代の変化をともに生き抜きながら伝統の一杯を守り抜いてきた姿勢は、それ自体が唯一無二の体験です。昼間のみの営業(10:00〜16:00、火・金定休)という限られた時間の中で、多度津町を訪れた際にはぜひ立ち寄りたい一軒です。

アクセス

香川県仲多度郡多度津町家中1-12

営業時間

10:00〜16:00、定休日: 火・金

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