
那須温泉神社
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那須高原の豊かな緑の中、温泉地に静かに佇む那須温泉神社は、延喜式神名帳に名を連ねる古社であり、「温泉名を冠する神社」として全国でわずか10社しか記載されなかった特別な存在です。奈良朝の貴族が湯治のために訪れたことが正倉院文書に記されているほど、千年以上にわたり人々の信仰を集めてきた由緒の深さが、境内の静けさの中に息づいています。
位の高さが示す、千年超の格式
神社の位階は時代とともに次第に高まり、貞観11年(869年)には従四位上を授けられました。その後さらに格式を重ね、江戸時代の貞享3年(1686年)6月19日には最高位である正一位に叙せられています。延喜式神名帳への記載、そして正一位という地位は、この神社が単なる地域の鎮守社ではなく、国家的な崇敬を受けてきた証です。
那須与一と「扇の的」の伝説
那須温泉神社を語るうえで欠かせないのが、那須与一(余一)宗隆との深いつながりです。与一は那須地方の豪族・那須太郎資隆の十一男として生まれ、「十一番=十あまり一」から余一と名付けられました(後に与一へ改名)。源義経の東国参陣に従って騎下となり、源平の戦いを戦い抜いた武将です。
壇ノ浦と並ぶ源平合戦の名場面として語り継がれる屋島の戦いにおいて、与一は平家方が掲げた扇の的を見事に射抜き、その名を歴史に刻みました。この大業を成し遂げる前に祈願を捧げたのが当温泉神社とされており、「平家物語」にもその縁が記されています。その後、与一は頼朝公から20万石を賜り那須郡の総領となり、領民たちがこぞって温泉神社を勧請したことで、神社の信仰はさらに広まりました。
必勝祈願から縁結びまで、多彩な御利益
那須温泉神社の御利益は幅広く、商売繁昌・家内安全・病気平癒・身体健全・縁結びが知られています。加えて、与一が大勝負に臨む前に祈願したという故事にちなみ、必勝祈願の御利益でも参拝者に親しまれています。受験・スポーツ・仕事の勝負どころを控えた人々が各地から訪れる所以です。
参拝の記念として御朱印を求める人も多く、那須与一にちなんだお守りをはじめ、さまざまな授与品が用意されています。年間を通じて新年祈祷や例大祭(9月)といった催しも行われており、節目ごとに神社を訪れる地元の人々の姿も見られます。
四季の自然と、歴史ある境内の佇まい
那須高原の自然環境に恵まれた境内は、一年を通じて四季折々の表情を見せます。春の新緑、夏の深い緑陰、秋の紅葉、冬の雪景色と、訪れるたびに異なる風景が広がり、歴史ある建物や参道がその景色を引き立てます。観光名所としても広く知られており、那須温泉街の散策と組み合わせて参拝する旅行者も少なくありません。
静かな山里での結婚式
「静かな出で湯の山里」という言葉がよく似合うこの地は、結婚式の挙式会場としても開かれています。喧騒から離れた温泉地の神社で、歴史と自然に包まれながら人生の節目を迎えるという体験は、ここならではの格別なものです。
アクセス
栃木県那須郡那須町大字湯本182
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