
向瀧
GALLERY
会津東山温泉に湯宿が並ぶ中でも、向瀧はひときわ異彩を放つ存在だ。会津藩から平田家へゆだねられて以来、家業として代々受け継がれてきたこの宿は、国の登録有形文化財に指定された木造建築を今も現役で使い続けている。「再現不可能な建築文化」と自ら語るその佇まいは、宿泊という行為そのものを非日常の体験へと変える。
国の文化財に泊まる
建物だけでなく、中庭の回遊式日本庭園も国の登録記念物(名勝地)に指定されている。四季折々の表情を見せるこの庭園を眺めながら過ごす時間は、ガイドブックで紹介されるような観光スポットとはまた違う、静かな日本の情景との対話だ。斜面に沿って建てられた館内は平面図が「最も苦手」と主人が苦笑いするほど入り組んだ造りで、一部屋一部屋が異なる間取りを持つ。
毎日換水する源泉かけ流し
温泉は自家源泉からの湯をすべて毎日抜き替えて使う、徹底した源泉かけ流し認定の宿だ。大浴場は男女各2か所、貸切で使える家族風呂が3か所あり、追加料金も時間予約も不要。ただし全浴槽を日々換水しているため、午前9時30分から午後2時30分はお湯が溜まる時間帯となる。日帰り入浴は受け付けておらず、この湯を楽しめるのは宿泊者だけだ。
会津の食材だけで組み立てる部屋食
料理の方針は明確で、エビ・カニ・マグロは一切使わない。会津の食材と素材の味を大切にした献立を、夕食も朝食も部屋まで運んでくれる。夏の献立を例にとれば、先付は「会津千両茄子鰹掛け」、鯉料理は新玉ねぎと合わせた「夏香味 鯉のたたき」、鍋物は会津夏野菜を煮込んだ「黄昏の会津夏野菜」、揚げ物は夏野菜の天ぷら、デザートは「甘さビッグなプチとまと」と、地元の旬が一皿ごとに語りかけてくる。肉好きな方向けには、厚さ約3センチの「福島酵母和牛ステーキ250g」を特別料理として用意しており、宿泊5日前までの予約が必要だ。
向瀧が仕込む純米酒「美酒佳肴」
食事に合わせたいのが、向瀧オリジナルの純米酒「美酒佳肴」だ。大古酒・熟成・新酒・袋吊りと複数のラインナップがあり、三種飲み比べセットも注文できる。袋吊りは年間100本限定で、毎年早い時期に完売するという。
持続可能な宿として
2022年4月からプラスチック削減への取り組みとして、歯ブラシ・カミソリ・コーム・シャワーキャップの提供を廃止している。自然湧出の自家源泉や四季の環境と共存してきた宿として、地球規模の課題に向き合う姿勢は、受け継がれてきた「磨き続ける」という精神の延長線上にある。料金は一般客室1名あたり27,850円(サービス料・税込)からで、予約状況は3か月先まで確認できる。
アクセス
福島県会津若松市東山町湯本
料金目安
一般客室27,850円(サービス料・税込)から(1泊2食付)
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店舗詳細
- 価格帯
- $$$$$
- Wi-Fi
- あり
- 個室
- あり
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