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秋田のご当地スイーツ特集|甘い誘惑に負ける幸せな旅
秋田の甘いものには、長く厳しい冬と米どころの暮らしから生まれた知恵が詰まっています。寒さを利用して作る干し餅、冠婚葬祭のお茶菓子として欠かせない卵寒天、豆腐で作るしっとりとしたカステラ、初夏の行事に作られてきた笹巻き。どれも派手さはありませんが、秋田の家庭や地域で受け継がれてきた「ご当地の甘味」です。この記事では、農林水産省の「うちの郷土料理」をもとに、秋田ならではの甘いものとその背景を紹介します。
冬の寒さが作る「干し餅」
干し餅は、ついた餅を切って吊るし編みにし、水分をたっぷり含ませてから寒さにさらして作る米菓子です。農林水産省によると、青森県や長野県などの寒冷地の農村でも作られてきた保存食ですが、米どころ秋田では代表的な米菓子とされ、冬の寒波を利用して作ることから「凍り餅」とも呼ばれます(農林水産省 うちの郷土料理:干し餅)。
寒さの厳しい時期に冷凍乾燥させる「寒締め」の時期を見誤ると、餅に亀裂が入って失敗してしまうため、天候と毎日向き合う農家ならではの菓子です。さくさくとした歯ごたえと素朴な味わいが特徴で、北秋田地方の干し餅は水分を多く入れて作るため、柔らかい仕上がりになるといわれます。
お茶菓子の定番「卵寒天」
秋田の県南地方を中心に、人が集まる席で必ずといってよいほど出されてきたのが卵寒天です。寒天液に溶き卵と砂糖を混ぜて固めたもので、昔からお茶菓子として親しまれてきました(農林水産省 うちの郷土料理:卵寒天)。
寒天は乾物として長く保存できるため、冬が長い秋田では保存食として重宝されてきました。冠婚葬祭では「取り回し」と呼ばれる手作り料理が振る舞われますが、寒天は人数に合わせて切り分けられ、折詰めにして持ち帰ることもできるので、取り回しの料理として欠かせません。牛乳と卵を混ぜて固める「雷寒天」という料理も県南部に伝わっています。
豆腐で作る「豆腐カステラ」
豆腐カステラは、豆腐をしぼって水分を切り、砂糖や卵などを混ぜてカステラ状に焼いた菓子です。秋田の県南地域に伝わり、冠婚葬祭の口取りやおやつ、お茶請けとして食べられてきました(農林水産省 うちの郷土料理:豆腐カステラ)。
農林水産省の解説では、江戸時代に日本海交易が盛んだった秋田には大阪や北陸から新しい文化が伝わりやすかった一方、カステラの材料になる砂糖や卵は庶民には高価だったため、ハレの日に食べていた豆腐を使って作ったのが始まりと伝えられています。豆腐の風味を残した、しっとりとした食感が特徴です。
初夏の行事食「笹巻き」
笹巻きは、もち米を笹の葉で巻き、イ草で結んで蒸し上げたものです。秋田では、かつて端午の節句や、田植えを終えた祝いである「さなぶり」の行事食でした(農林水産省 うちの郷土料理:笹巻き)。
田植えが女性たちの手で行われていた時代、農家の娘たちは「さなぶり休み」に実家へ里帰りする習わしがあり、嫁ぎ先からの手土産として笹巻きを持たせていたといいます。笹の葉には抗菌性や防腐性があるといわれ、保存食や携帯食の包装にも使われてきました。秋田の初夏を感じさせる味です。
秋田の甘味の共通点
秋田のご当地の甘味を並べてみると、いくつかの共通点が見えてきます。
- 冬を生かす:干し餅は寒さそのものを使って作り、寒天も保存がきく食材として重宝されてきました
- 人が集まる席の菓子:卵寒天や豆腐カステラは、冠婚葬祭や集まりで振る舞われてきた菓子です
- 米どころの恵み:干し餅や笹巻きは、秋田の米やもち米を使った菓子です
- 手近な材料で工夫する:高価な砂糖や卵の代わりに豆腐を使うなど、身近な食材で作る工夫が生きています
どこで出会えるか
こうした郷土の甘味は、家庭や地域の行事で作られることが多く、季節によって店頭に並ぶかどうかが変わります。旅先で探すなら、地元の食材や加工品が集まる市場や直売所、道の駅をのぞいてみるのがおすすめです。秋田市なら、秋田駅から歩いて行ける秋田市民市場も候補になります(くわしくは秋田市の朝市・市場ガイド)。見かけたら、店の人に食べ方や日持ちを尋ねてみてください。
お土産にするなら、日持ちするものを選ぶのが基本です。干し餅のような乾いた菓子は持ち帰りやすい一方、寒天や豆腐カステラは早めに食べたいものもあります。購入するときに賞味期限と保存方法を確かめておきましょう。
まとめ
秋田の甘いものは、雪深い冬、米どころの暮らし、人が集まる席でのもてなしから生まれてきました。有名な銘菓を探す旅もよいですが、干し餅や卵寒天のような郷土の甘味に目を向けると、秋田の暮らしの歴史が見えてきます。旅の途中で出会えたら、ぜひ味わってみてください。
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