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那覇の地酒と肴|泡盛 久米仙に合う沖縄県の絶品おつまみ
那覇の夜が深まるにつれて、国際通り周辺の路地には三線の音色が響き始めます。沖縄県民の暮らしに深く根ざした地酒・泡盛。なかでも1952年創業の久米仙酒造が手がける「泡盛 久米仙」は、70年以上にわたって沖縄の食卓と夜を彩ってきた銘酒です。那覇を訪れたなら、地元の居酒屋や角打ちでグラスを傾けながら、沖縄ならではの肴と向き合う時間を持ってみてください。旅の記憶を豊かにするのは、名所よりもむしろ、そういった一杯の余韻かもしれません。
泡盛 久米仙とはどんな酒か
泡盛は沖縄県独自の蒸留酒で、タイ米を原料に黒麹菌で発酵させてつくられます。同じ蒸留酒である焼酎と製法が異なり、全量麹仕込みによる独特の香りと深みが特徴です。久米仙の定番ラインナップは、アルコール度数25度のレギュラーと30度のゴールドに大別されます。レギュラーはすっきりとした飲み口で泡盛入門者にも親しみやすく、ゴールドは風味のふくらみが増し、三年以上熟成させた「古酒(クース)」に近い奥行きがあります。
飲み方は水割り・ロック・オン・ザ・ロックが定番ですが、地元では「水割り6:4」の比率を好む人が多く見られます。氷をたっぷり入れたグラスに泡盛を注いでから水を加える順序が、香りを損なわないコツとされています。初めて試す方は25度の水割りから入り、口が慣れてきたら30度ロックへ移行するのがおすすめです。
久米仙に合う定番の沖縄肴
泡盛の肴として那覇の居酒屋で必ずといっていいほど目にするのが、島豆腐のステーキです。本土の絹ごし豆腐より水分が少なくしっかりした食感の島豆腐を厚切りにし、ごま油で焼き付けてかつお節と醤油をかけただけのシンプルな一品。価格は480〜680円ほどで、泡盛のすっきりした後味を引き立てるタンパクな旨みが絶妙に合います。
ミミガーの酢みそ和えも見逃せません。豚耳を薄くスライスしてコリコリとした食感を楽しむ料理で、甘みのある沖縄の味噌とゆず酢を合わせたタレがアクセント。コラーゲンが豊富で女性にも人気があり、泡盛の脂っこさを流すように飲む一口がたまりません。同じく豚を使ったラフテー(沖縄風角煮)は、泡盛と黒砂糖でじっくり煮込んだ那覇を代表する煮物。脂の甘みと泡盛の香りが共鳴し合い、追い酒が止まらなくなる危険な組み合わせです。
魚介系では、海ぶどうの塩昆布和えが久米仙との相性抜群です。ぷちぷちとした食感の海ぶどうに軽く塩昆布を混ぜ込んだだけのものですが、口の中で磯の香りが広がり、泡盛の清涼感を倍増させます。牧志公設市場の2階食堂では、市場1階で購入した海ぶどうや刺身を持ち込んで調理してもらえるサービス(持ち込み料:1品300円程度)があり、旅行者にも体験しやすい設定です。
那覇で久米仙を楽しむおすすめの場所
牧志公設市場周辺の路地裏居酒屋は、観光客と地元客が交じり合うディープな雰囲気が魅力です。カウンター10席ほどの小さな店でも、久米仙の古酒をグラス一杯600〜900円で出す店があり、名前も知られていない銘柄と出会える可能性もあります。
国際通り近辺の角打ち(立ち飲み酒屋)では、昼過ぎから泡盛を一杯やる地元の常連に交じって飲むことができます。グラス一杯350〜450円と価格も手頃で、肴は店内の棚に並んだ沖縄の乾き物——島胡椒(ヒバーチ)を使ったおつまみや、スーチカー(塩漬け豚)の燻製など——がそのままつまめます。店主に「久米仙と合わせるならどれ?」と聞くと、たいてい話が弾みます。
首里城近くの首里の老舗泡盛バーも、那覇滞在中に一度は足を運びたいスポットです。沖縄県内の蔵元を網羅したラインナップの中に久米仙の各年度古酒が揃っており、飲み比べセット(3種900〜1,200円)で熟成年数による変化を体感できます。
古酒(クース)という深み
沖縄の泡盛文化において特別な地位を占めるのが、3年以上貯蔵した古酒です。久米仙でも5年・10年・15年といった年数物の古酒が市販されており、年数が増すほど角が取れてなめらかになり、バニラや木の実を思わせる複雑な香りが加わります。
古酒は水割りよりもストレートかオン・ザ・ロックで飲むのが流儀で、肴もシンプルなものを選ぶのがポイントです。素焼きの泡盛グラス「チブグヮー」に注いだ古酒を、塩だけで食べる刺身や軽く炙ったスーチカーと合わせると、素材の味と古酒の熟成香だけで時間が溶けていきます。久米仙の直売店や那覇市内の老舗酒販店では、古酒の試飲が可能な場合もあるため、購入前に一口試してから選ぶとよいでしょう。
持ち帰りと保存のコツ
那覇旅行のお土産として久米仙を選ぶなら、720ml瓶が持ち運びしやすく実用的です。那覇空港の免税エリアでも購入できますが、牧志公設市場近くの酒販店や久米仙直営ショップの方が品揃えが豊富で、ここ限定の瓶デザインや限定古酒に出会えることもあります。
泡盛は高アルコール度数のため腐敗の心配がなく、適切に保存すれば自宅でも熟成が進みます。直射日光を避けた常温の暗所に立てて保管すれば、年を追うごとに味が深まる「自家古酒」づくりを楽しめます。沖縄では家庭ごとに泡盛を寝かせて代々引き継ぐ「家古酒(うちなーくーす)」の文化があり、旅で出会った一本を育てる喜びも、久米仙との付き合い方のひとつといえるでしょう。
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