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神戸の夜食めぐり——南京町の点心、三宮の深夜〆、長田のそばめし
グルメ
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神戸の夜食めぐり——南京町の点心、三宮の深夜〆、長田のそばめし

神戸の夜食は、海と山と下町を横につなぐ

神戸の街は、六甲の山と大阪湾にはさまれた東西に細長い土地に広がっています。だから夜食を探す動線も、繁華街を一点に集めた都市とは少し違い、海側の中華街南京町から、JR・阪急の高架下、山側の歓楽街・東門街、そして西の下町・長田へと、横一線に性格の違う「夜の食卓」が並びます。観光やショッピングを終えた夕方は元町・南京町で点心をつまみ、夜が更けたら三宮の高架下で〆の一杯、別の日には長田で粉もん——そんなふうに、神戸ではひと晩でいくつもの食文化をはしごできます。まずはこの東西の地理を頭に入れておくと、夜食めぐりの組み立てがぐっと楽になります。

南京町 — 夕暮れから灯る点心と豚まんの食べ歩き

神戸の夜食の入り口は、横浜・長崎と並ぶ日本三大中華街のひとつ、元町の南京町です。100店以上の中華料理店や雑貨店が石畳の小路に軒を連ね、多くの店が店先に屋台を出して、出来たての点心を食べ歩き用に売っています。神戸を代表する夜食といえば、まず豚まん。薄皮にたっぷりの肉あんを包んだ神戸の豚まんは、行列のできる老舗から神戸牛入りの変わり種まで幅広く、屋台では1個100〜200円前後が目安です。あわせて小籠包・角煮まん・焼き餃子・水餃子・ゴマ団子などの点心も、ワンコイン前後で次々につまめます。

ただし南京町は深夜まで開く街ではありません。物販は20時ごろ、飲食店も多くは夜のうちに店じまいするので、点心の食べ歩きは「夕暮れから宵のうち」が本番です。冬はランタンのライトアップが灯り、湯気の立つ豚まんを片手に石畳を歩く時間は、神戸の夜食のいちばん華やかな入り口になります。腰を据えて食べたいなら、町なかの中華料理店で点心を盛り合わせにしてもらうのもおすすめです。

三宮・東門街と高架下 — 飲んだあとの深夜〆

夜が更けてからの神戸の本番は、生田神社の東側に広がる歓楽街・東門街(ひがしもんがい)です。大阪・北新地と並び称される関西有数の夜の街で、居酒屋・バー・クラブがひしめき、19時から翌朝4時ごろまでがいちばん賑わう時間帯。山側の北野坂にはジャズの流れる落ち着いたバー、駅前のサンキタ通りや生田新道沿いには気軽な立ち飲みと、ひと晩で雰囲気を変えてはしごできます。

そして神戸の夜食らしさが際立つのが、飲んだあとの〆の一杯。東門街の路地裏や、JR・阪急の線路をくぐる高架下(ガード下)には、深夜から早朝まで開ける小さなラーメン店が点在します。神戸の〆で定番なのは、こってりしながら後味は軽い豚骨ラーメン。カウンターだけの店で、一杯500〜800円程度が目安です。夕方から翌朝まで通しで営業する店もあり、始発を待つ人や夜勤明けの人が静かにすするのが、港町の夜のもうひとつの顔です。高架下にはほかにも、おでんや串もの、餃子で一杯やれる小箱が連なり、終電を逃しても夜食に困りません。

長田・新長田 — そばめし、ぼっかけ、下町の粉もん夜食

神戸の夜食を語るうえで外せないのが、西の下町・長田の粉もん文化です。お好み焼き店の集積率は全国でも指折りと言われ、まちを歩けばソースの香りと鉄板の音に出会います。

長田を象徴する一皿がそばめし。ソース焼きそばとご飯を鉄板で細かく刻み混ぜた、香ばしくて食べごたえのある料理で、長田のお好み焼き店で、客が冷やご飯を焼きそばに混ぜてほしいと頼んだのが始まりと言われています。阪神・淡路大震災からの復興とともに全国へ知られていった、長田のソウルフードです。

もうひとつの主役がぼっかけ。牛すじとこんにゃくを醤油ベースで甘辛く煮た「すじこん」を、うどんや焼きそば、お好み焼きに“ぶっかけて”食べることから、この名がついたと言われます。ぼっかけうどん・ぼっかけ焼きそば・すじ焼きなど、どれも下町らしい滋味深い味わいで、相場はワンコイン〜800円程度。鉄板を囲んでこれらをつまむのが、長田流の夜食です。

新長田の多国籍夜食 — アジアの灯がともる街

長田、とりわけ新長田は、神戸のなかでも飛び抜けて多国籍な街です。中華・コリアン・ベトナムなど、さまざまな国にルーツを持つ人々が暮らし、商店街を一本入ると各国の家庭料理を出す店が並びます。なかでもベトナム料理は、難民として神戸に渡った人々が根づかせた食文化で、フォーや生春巻き、ローカルな麺料理を本場の味で楽しめます。コリアン系の店では、スンドゥブやユッケジャン、ソルロンタン(牛骨スープ)といった温かい汁ものが、夜食や酔い覚ましにちょうどいい一杯になります。下町情緒とアジアの香りが混じり合う新長田の夜は、観光地中華街とはまた違う、神戸の奥行きを見せてくれます。

元町高架下と港の夜

三宮から元町にかけてのJR高架下は、神戸の夜食のもうひとつの舞台です。元町側の高架下商店街(通称モトコー)から三宮側のガード下にかけて、立ち飲みや小さな食堂、中華や韓国料理の店が線路沿いに連なり、ディープな夜食散歩が楽しめます。海側に歩けばハーバーランドやメリケンパークの灯りが港を照らし、潮風を感じながら夜を締めくくれるのも、港町・神戸ならではです。観光のきらびやかさだけでなく、高架下の雑多なにぎわいの中にこそ、地元の夜食の本音があります。

夜食めぐりの実用メモ

神戸の夜食は、海側の南京町・元町から山側の東門街まで徒歩圏、西の長田・新長田へはJR神戸線か地下鉄海岸線で10〜15分ほどです。動線は「夕方=南京町で点心 → 夜=東門街ではしご → 深夜=高架下で豚骨ラーメンの〆」が王道。終電はおおむね深夜0時前後ですが、東門街や高架下には朝まで開く店が多く、始発まで夜食でしのげます。価格は点心ワンコイン前後、〆のラーメン500〜800円程度、長田の粉もんワンコイン〜800円程度が目安。腰を据えたい人気店は週末ほど混むので、早めの時間帯から動き出すと、神戸の長い夜をゆっくり味わえます。

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Written by

松本 海斗

スポーツインストラクター

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