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札幌の花の名所と見頃カレンダー|桜・ライラック・ラベンダーから紅葉まで
本州が散る頃、札幌の花は咲きはじめる
札幌の花めぐりでまず押さえておきたいのは、見頃が本州よりひと月近く遅れるということです。東京の桜が散り、ニュースが新緑の話題に移る四月下旬から五月上旬に、札幌ではようやく桜のつぼみがほころびはじめます。その後はライラック、チューリップ、ユリ、ラベンダーと、初夏から盛夏にかけて花が途切れずバトンをつなぎ、十月下旬の黄葉まで続いていきます。つまり「桜は三月」という本州の感覚で訪れると一か月ずれてしまう一方、ゴールデンウィークに桜を楽しめるのは北国ならではの特権でもあります。この記事では、札幌市内で実際に花を楽しめる名所を、咲く順番に沿って紹介します。
開花カレンダー(おおよその目安)
札幌市内のおもな花と見頃を、咲く順にまとめました。年や気候によって一〜二週間前後しますので、訪問前には各施設の開花情報を確認するのが確実です。
| 花 | 見頃の目安 | おもな名所(札幌市内) |
|---|---|---|
| 桜(サクラ) | 4月下旬〜5月上旬 | 円山公園・北海道神宮、モエレ沼公園 |
| チューリップ・ムスカリ | 5月中旬〜下旬 | 百合が原公園、大通公園 |
| ライラック | 5月下旬〜6月上旬 | 大通公園、百合が原公園 |
| チューリップ(郊外) | 5月下旬〜6月上旬 | 滝野すずらん丘陵公園 |
| ユリ | 6月中旬〜8月中旬 | 百合が原公園 |
| ラベンダー | 7月中旬〜下旬 | 幌見峠ラベンダー園 |
| ひまわり | 8月中旬〜 | 滝野すずらん丘陵公園 |
| コスモス | 9月中旬〜 | 滝野すずらん丘陵公園 |
| イチョウ・紅葉 | 10月下旬〜11月上旬 | 北海道大学、定山渓 |
桜は連休に満開——円山公園とモエレ沼公園
札幌を代表するお花見の舞台は、中央区の円山公園とそれに隣り合う北海道神宮です。二つを合わせると千本を超える桜が植えられ、ソメイヨシノに加えて、北海道らしいピンクの濃いエゾヤマザクラが混じって咲くのが特徴です。例年の見頃は四月下旬から五月上旬で、ちょうどゴールデンウィークと重なる年が多く、北海道神宮の境内には屋台も並んでにぎわいます。札幌市営地下鉄東西線の円山公園駅から歩いてすぐと交通の便もよく、連休に北海道を訪れるなら外せない場所です。混雑を避けたいなら、五月三日〜五日のピークを少しずらすと落ち着いて花を眺められます。
もう一つ、東区のモエレ沼公園も見逃せません。彫刻家イサム・ノグチが設計した幾何学的なランドスケープで知られる公園で、その一角の「サクラの森」にはエゾヤマザクラを中心に約一六〇〇本が植えられています。芸術的な造形と桜が同じ視界に入る景色は、ほかの花見スポットにはない独特の魅力があります。遊具も多く、子ども連れでのお花見にも向いています。
札幌の初夏を象徴する花、ライラック
札幌の市の花はライラックです。フランスではリラと呼ばれるこの花は、五月下旬から六月上旬にかけて、紫や白の小さな花を房状に咲かせ、街全体を甘い香りで包みます。その本拠地が、市の中心を東西に貫く大通公園。テレビ塔から西へ細長く伸びる園内には約四〇〇本のライラックが植えられ、見頃に合わせて「さっぽろライラックまつり」が開かれます。二〇二六年は五月二十日(水)から三十一日(日)まで、大通公園の西五〜七丁目と、東区の川下公園を会場に開催されます。屋台や音楽イベントでにぎわう一方、木陰のベンチで香りに包まれながら過ごす時間は、この季節の札幌ならではの贅沢です。
ライラックをじっくり見比べたいなら、北区の百合が原公園もおすすめです。約五十種類のライラックが植えられており、品種ごとの花色や香りの違いを楽しめます。
チューリップとムスカリの競演——百合が原公園と郊外
五月の札幌は、桜からライラックへ移る合間にチューリップが見頃を迎えます。中でも北区の百合が原公園の「ムスカリの道」は名物で、青紫のムスカリが川のように地面を覆い、その間から色とりどりのチューリップが顔を出す光景が五月中旬に広がります。同園は二十五ヘクタールを超える広大な総合公園で、世界の庭園や温室も併設され、一日かけて散策できます。大通公園でも西側の各丁目の花壇でチューリップが植えられ、五月の都心を彩ります。
少し足を延ばすなら、南区の国営滝野すずらん丘陵公園へ。札幌中心部から車でおよそ五十分、丘陵地に約一二〇品種・二十三万本というスケールのチューリップが咲き誇り、五月下旬から六月上旬には公園名の由来であるスズランも同時期に見頃を迎えます。市内中心部とは桁違いの「花のじゅうたん」を体感できる場所です。
ユリ、そしてラベンダーの夏
六月から夏本番にかけては、百合が原公園が主役になります。その名のとおりユリの公園で、「世界のユリ広場」では約百種類のユリが六月中旬から八月中旬まで次々と咲き継ぎます。オレンジや純白のユリが斜面を埋め、香りの強いカサブランカが見頃を迎える七月下旬ごろが特に華やかです。
そして、北海道といえばラベンダーですが、有名な富良野まで足を延ばさなくても、札幌市内でラベンダー畑を楽しめます。中央区の幌見峠ラベンダー園は、市街地を見下ろす峠の斜面が約七千株のラベンダーで紫に染まる、市内では貴重なスポットです。見頃は七月中旬から下旬で、眼下に広がる札幌の街並みと紫のじゅうたんを一度に眺められるのは、ここならではの構図。地下鉄円山公園駅から車で十分ほどと、街なかから近いのも魅力です。
夏のひまわりから、秋の黄金へ
夏の終わりを告げるのは、滝野すずらん丘陵公園のひまわりです。八月中旬から咲きはじめ、丘いっぱいに黄色が広がります。九月中旬になるとコスモスにバトンが渡り、斜面を埋める数十万本のコスモスが秋風に揺れます。十月に入ると今度はコキア(ホウキギ)が緑から真紅へと色を変え、カラマツの黄葉と合わせて、花から紅葉へと季節が移ろう様子を一か所で見届けられます。
そして札幌の秋を締めくくるのが、中央区の北海道大学のイチョウ並木です。北十三条門のあたりに約七十本のイチョウが約三八〇メートルにわたって続き、十月下旬から十一月上旬に一斉に黄金色のトンネルとなります。見頃の時期には「北大金葉祭」のライトアップも行われ、夜には昼とまったく違う幻想的な並木が浮かび上がります。広葉樹の本格的な紅葉を望むなら、車で南西へ向かった定山渓温泉郷へ。渓谷や湖に映る錦秋は十月上旬から下旬が見頃で、市街地より一足早く秋が深まります。
花めぐりの実用メモ
札幌の花は、本州の感覚より「すべてが遅い」ことだけ覚えておけば失敗しません。桜を狙うならゴールデンウィーク、ライラックなら五月下旬、ラベンダーやユリなら七月、紅葉なら十月下旬が目安です。市内の名所は地下鉄やバスでアクセスできるものが多く、円山公園・北海道神宮・大通公園・北海道大学は中心部から徒歩や地下鉄で行けます。一方、滝野すずらん丘陵公園や幌見峠ラベンダー園は車かバスが便利です。見頃は天候で一〜二週間動くため、出発前に各公園の開花情報をチェックしてから予定を組むと、ねらった花を確実に楽しめます。
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