観光・体験
神戸の花の名所と見頃カレンダー|桜・あじさい・バラ・ラベンダーを山と海で楽しむ
海と山の高低差が生む、神戸ならではの花めぐり
神戸の花の名所めぐりがほかの街と違うのは、海沿いの市街地から標高865mの六甲山上まで、ひとつの市内に大きな高低差があることです。同じあじさいでも、海に近い街なかと六甲山上の森林植物園では見頃が二週間ほどずれますし、平地では育たない高山植物が六甲の山頂付近では普通に咲きます。「もう市街地の花は終わった」と思っても、山へ上がればまだ盛り、という時間差を楽しめるのが神戸流です。ここでは桜から秋のコスモスまで、神戸市内に実在する名所を見頃つきで季節順に紹介します。
桜(3月下旬〜4月上旬)――灘の「桜のトンネル」と須磨の海桜
神戸の桜はおおむね3月下旬から4月上旬が見頃です。なかでも灘区の王子動物園は約480本のソメイヨシノが園内を彩る定番で、見頃に合わせて夜間にライトアップする「夜桜通り抜け」が毎年3日間ほど開かれます。動物園のすぐ近く、阪急王子公園駅から摩耶ケーブル方面へ向かう坂道には数百mにわたって桜並木が続く桜のトンネルがあり、こちらは散策無料。動物園の有料エリアと街なかの桜並木を一日でハシゴできるのが灘ならではです。最寄りは阪急王子公園駅で、JR灘駅からも歩けます。
もう一つの横綱が須磨区の須磨浦公園。鉢伏山のふもとから山上まで約3,200本の桜が広がり、明石海峡大橋と海を背景に咲く「海の桜」が見どころです。山陽電車の須磨浦公園駅を降りてすぐという近さで、ロープウェイで須磨浦山上遊園へ上がれば、桜越しに神戸空港や明石海峡を一望できます。見頃に合わせて「敦盛桜」というライトアップ催事も行われます。
初夏のラベンダーとバラ(5月下旬〜6月)
初夏は、新神戸駅の裏山にあたる布引ハーブ園のラベンダーが主役です。標高約400mの山上にあり、ロープウェイで街並みを見下ろしながら約10分の空中散歩で上がれます。ラベンダーはおおむね5月下旬から7月上旬が見頃で、香りの強いイングリッシュラベンダーは5月下旬から6月中旬あたりがピーク。同じ時期にバラも咲き、初夏はハーブ園が一年でもっとも華やぐ季節です。
バラをじっくり見るなら須磨区の須磨離宮公園。噴水を中心に左右対称の庭園が広がる欧風噴水庭園で、約300種・数千株のバラが楽しめます。春バラはゴールデンウィーク頃から咲き始めて5月中旬にピークを迎え、6月下旬まで遅咲きが続きます。バラは年に二度の見頃があり、秋は10月上旬から11月上旬がもう一つの最盛期。離宮ならではの格調ある庭の造形と、海へ向かって開けた立地が相まって、ほかのバラ園とは違う雰囲気があります。
あじさい(6月〜7月中旬)――森林植物園で五万株
梅雨どきに神戸でぜひ訪れたいのが北区の森林植物園です。六甲山中にあり、約25種350品種・五万株とも言われるあじさいが森のなかに広がります。見どころは、白い手まり状の花が斜面を埋めるアナベルの群落(6月中旬〜7月上旬頃)と、六甲山で発見された幻のヤマアジサイシチダンカ(七段花)。市街地よりも標高がある分、見頃は6月から7月中旬と長めで、雨に濡れた花の美しさを静かな森のなかで味わえます。海沿いの街であじさいが咲き終わる頃、ここではまだ盛り、というのが神戸らしい時間差です。
六甲高山植物園――標高が見頃をずらす特別な場所
神戸の花めぐりで外せないのが、標高約865mの六甲山上にある六甲高山植物園です。年平均気温が約9度と北海道南部に相当する冷涼な気候で、平地では育たない高山植物・寒冷地植物が約1,500種育てられています。見頃は里の感覚とずれていて、湿地を桃色に染めるクリンソウの大群落が5月中旬、夏を告げるニッコウキスゲが6月、希少なキレンゲショウマが7月頃。真夏でも涼しく、平地が猛暑の盛りでも高原の花を楽しめます。同じ六甲でも標高で見頃が大きく動くことを実感できる、神戸ならではのスポットです。
夏のひまわり(7月下旬〜8月)
夏に向日葵を見るなら、北区大沢町の神戸フルーツ・フラワーパーク大沢へ。甲子園球場9個分という広大な敷地に四季の花が植えられた花と果実の道の駅で、ひまわりは夏の花として園内に咲き、おおむね7月下旬から8月が見頃です。あじさいやアナベルといった初夏の花から夏のひまわりへと主役が移り変わり、果樹園やバーベキュー場も併設されているので、暑い盛りでも一日楽しめます。六甲北側の里山にあたるエリアで、市街地とはひと味違うのどかな夏の景色が広がります。
秋のコスモス(10月中旬〜下旬)
秋は市内二か所のコスモス畑がにぎわいます。先ほどのフルーツ・フラワーパーク大沢でも夏のひまわりに続いて秋はコスモスが園内を彩ります。市街地寄りでは、須磨区の神戸総合運動公園「コスモスの丘」が定番。競技場の南斜面に広がる段々畑に約十万本が咲き、10月中旬から下旬が見頃です。地下鉄総合運動公園駅から歩けるアクセスのよさが魅力です。同じ畑では春に菜の花も咲き、季節で表情が変わります。もう一つ、西区の神戸ワイナリー(農業公園)でも例年10月下旬から11月上旬に約十万本のコスモスが見頃を迎え、ぶどう畑の広がるのどかな風景のなかで秋の花を楽しめます。
神戸の花めぐり、ちょっとした心得
神戸の名所は、海沿い・市街地・六甲山上で見頃が前後します。同じ花を追うなら「街で終わったら山へ上がる」と覚えておくと、シーズンを長く楽しめます。布引ハーブ園や須磨浦山上遊園、六甲の各園はロープウェイやケーブルでのアクセスが基本になるので、運行時間や最終便を事前に確認しておくと安心です。開花は年によって一〜二週間前後するため、出かける前に各園の開花情報を見てから動くのが、神戸の花めぐりを外さないコツです。
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