観光・体験
長野市の花の名所と見頃カレンダー|善光寺平の梅・桜・水芭蕉から戸隠の紅葉まで
長野市の花は「標高差」で長く楽しめる
長野市の花めぐりを計画するうえでまず押さえておきたいのが、市内の大きな標高差です。善光寺の門前町が広がる市街地は標高およそ370〜400メートルの善光寺平(長野盆地)にあり、ここから犀川沿いの信州新町、北西の鬼無里や戸隠高原(標高1,200メートル前後)、北の飯綱高原まで、ひとつの「長野市」のなかに里と高原が同居しています。
この標高差のおかげで、長野市の花は時期をずらしながら長く楽しめます。一方で市街地の開花は東京や西日本よりかなり遅く、盆地の桜が見頃を迎えるのは例年4月中旬。3月に咲く関東の感覚で訪れると拍子抜けします。逆に紅葉は戸隠・飯綱の高原から10月中旬に始まり、善光寺平へ降りてくる――この時間差を頭に入れて、訪れる時期に合った名所を選ぶのがコツです。ここでは市内に実在する花の名所を、おおむね見頃の早い順に紹介します。
---
春の口火を切る「ろうかく梅園」(3月下旬〜4月中旬)
長野市の花の季節は、犀川沿いの信州新町にあるろうかく梅園から始まります。信州新町は2010年に長野市へ編入された地域で、ここは北信濃でもっとも早く梅が咲く名所として知られます。約4万平方メートルの園内に小梅を中心とした約1,000本と、約30品種の紅梅が植えられ、犀川がせき止められてできた「ろうかく湖」の水面とのコントラストが見どころです。
見頃の目安は3月下旬から4月中旬。例年このタイミングで「ろうかく梅園花まつり」が開かれ、園内が無料開放されます。小梅の白い花と紅梅の鮮やかな赤、湖の青が重なる風景は、市街地ではまだ寒さの残る時期に「信州の春が来た」と感じさせてくれます。市街地から犀川沿いに車で向かうため、ドライブを兼ねて訪れる人が多い名所です。
---
善光寺の隣で咲く「城山公園」の桜(4月中旬〜下旬)
長野市を代表する桜の名所が、善光寺の東隣にある城山公園(じょうやまこうえん)です。明治33年(1900年)に開設された長野市最古の公園で、約470本のソメイヨシノが園内を彩ります。長野県立美術館や城山動物園、雲上殿へと続く坂道が園内にあり、花見と街歩き・善光寺参りをひとつながりで楽しめるのが、門前町・長野ならではの魅力です。
見頃は例年4月中旬から下旬。盆地の遅い春を映して、関東の桜が散ったころにようやく満開を迎えます。シーズン中は雲上殿へ続く坂道にぼんぼりがともり、花見茶屋も出て賑わいます。善光寺参拝の人波がそのまま流れ込むため、週末の昼間は特に混み合いますが、朝の早い時間帯なら比較的落ち着いて桜と善光寺の伽藍を一緒に眺められます。
桜の時期には、市東部の長野運動公園など市内各所の公園でもソメイヨシノが見頃を迎えます。城山公園で善光寺と一緒に味わう桜と、広々とした公園でのんびり過ごす桜と、目的に合わせて使い分けると良いでしょう。
---
鬼無里・奥裾花自然園の水芭蕉(5月中旬)
長野市の花で全国的にも名高いのが、北西部の鬼無里(きなさ)地区にある奥裾花自然園の水芭蕉です。鬼無里もまた長野市の一部で、新潟県境に近い裾花川の源流域に位置します。雪解けとともに今池湿原・こうみ平湿原一帯に水芭蕉の大群落が現れ、その規模は本州随一とも言われます。
見頃は雪解け次第で前後しますが、例年5月10日から20日ごろが目安です。市街地の桜が終わったあとに、標高の高い鬼無里でようやく春が訪れる――この時間差こそ、奥裾花を訪れる醍醐味です。湿原を取り囲むブナの原生林の新緑も瑞々しく、森林浴を兼ねた散策に向きます。山あいの自然園で、市街地からは距離があり開園期間も限られるため、出発前にその年の開園状況と見頃情報を必ず確認してから向かうのが安心です。
---
アップルラインを白く染める「りんごの花」(5月上旬)
果樹王国・長野市ならではの花の風景が、りんごの花です。市北部の長沼・豊野エリアは市内随一のりんご産地で、国道18号沿いは「アップルライン」と呼ばれる約7キロのりんご並木が続きます。善光寺平の盆地特有の大きな昼夜の寒暖差が、糖度の高いりんごを育てる土地です。
りんごの花が咲くのはゴールデンウィーク前後、5月上旬。桃に似た淡い紅色のつぼみがほどけ、白い可憐な花が並木一面に広がります。果実で知られる土地が、この時期だけは「花の名所」へと姿を変えます。一帯はりんご農家が点在する生活と生産の場でもあるので、農作業や私有地に配慮しながら、アップルライン沿いの公道や直売所周辺から白い花のトンネルを眺めるのがおすすめです。
---
夏は茶臼山自然植物園と長谷寺のアジサイ(6月下旬〜7月)
市南部の里山・茶臼山の山腹に広がる茶臼山自然植物園は、約33ヘクタールという県内有数の規模を誇る自然公園で、長野市の花めぐりの中核です。早春のクリスマスローズやスイセン(水仙)に始まり、初夏のヤマフジやオオデマリ、夏のササユリ・アジサイ・アガパンサス、秋のシュウメイギクやホトトギスまで、ひとつの園内で季節ごとに主役が移り変わります。季節を変えて何度か足を運ぶ価値のある場所です。
アジサイの見頃はおおむね6月下旬から7月中旬。梅雨どきの長野市内では、茶臼山自然植物園のほか、篠ノ井の長谷寺(ちょうこくじ)などがアジサイの名所として知られます。盆地とはいえ標高があるぶん、平地よりも色づきが落ち着いて長持ちする傾向があり、夏の花の楽しみとして見逃せません。
---
高原から里へ降りてくる紅葉(10月中旬〜11月上旬)
秋の長野市は、花ではなく紅葉が主役です。そして紅葉もまた、標高差を追いかけるように色づきが移ろっていきます。
まず色づくのが、標高1,200メートル前後の戸隠高原です。なかでも鏡池(かがみいけ)は、戸隠連峰や戸隠山を水面に映す絶景の紅葉スポットとして名高く、見頃は例年10月中旬から下旬。風のない早朝には、池が文字どおり鏡のようにカエデやモミジ、ブナの色を映し、実景と鏡像のシンメトリーが息をのむ美しさです。
ほぼ同じころ、北の飯綱高原も見頃を迎えます。飯縄山の麓に広がる大座法師池(だいざほうしいけ)や飯綱湖の水面に、紅葉した山肌が映り込む高原の秋が楽しめます。見頃は同じく10月中旬から下旬、高原の紅葉はおおむね10月いっぱいが目安です。
高原の紅葉が終わるころ、舞台は善光寺平へと降りてきます。市街地や善光寺界隈、城山公園のイチョウやモミジが色づくのは11月上旬ごろ。同じ長野市のなかで、高原から里へとひと月近くかけて紅葉前線が下ってくるので、訪問時期に合わせて高原か市街地かを選べば、ほぼ確実に見頃に出会えます。
---
訪れる前に押さえておきたいこと
城山公園や茶臼山自然植物園は善光寺参りと組み合わせやすく、奥裾花自然園や戸隠・飯綱の高原スポットは車でのドライブと相性が良い名所です。ただし高原は市街地から距離があり、開園期間やアクセスが季節で大きく変わります。その年の気象で見頃も前後するので、出発前に各施設・観光案内の最新の開花情報を確認してから計画を立てるのが確実です。
RELATED SPOTS
長野県の観光・体験スポット
上高地
善光寺
乗鞍高原の星空観察
軽井沢プリンスショッピングプラザ
茶臼山動物園
別所温泉の古刹巡り
この記事のエリアで観光・体験を探す
RELATED COLUMNS
関連するコラム
日本刀×日本文化体験
観光スポットと刀剣文化をつなぐ多言語展開。


