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松山のクラフトビール|地元醸造所が生む個性豊かな一杯
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松山のクラフトビール|地元醸造所が生む個性豊かな一杯

松山のクラフトビールシーンは、ここ数年で急速に盛り上がりを見せています。しまなみ海道の絶景と石鎚山がもたらす良質な伏流水、そして愛媛の農産物を活かした個性豊かなビールは、大手メーカーでは味わえない特別な一杯です。道後温泉街や大街道のビアバーで、鯛めし・じゃこ天を肴に地ビールを傾ける時間は、松山旅の最高のご褒美になるでしょう。

松山クラフトビールの現在地

松山周辺には愛媛県を代表するクラフトビール醸造所が複数軒を構え、それぞれが独自のスタイルで個性的なビールを世に送り出しています。仕込み水には石鎚山系の清冽な伏流水を使用し、地元産のホップや柑橘類・麦芽など副原料を積極的に取り入れているのが、松山クラフトビールの大きな特徴です。

ラインナップはIPAの力強い苦みから、ヴァイツェンの華やかなバナナ香、スタウトの重厚なコク、セゾンの爽やかな酸味まで多岐にわたります。年間10種類以上が常時揃い、醸造所直営のタップルームではここでしか飲めない限定ビールが一杯600円〜800円で提供されています。季節限定ビールは発売日に売り切れることも珍しくなく、醸造所のSNSをフォローして情報を追うファンも多い状況です。

愛媛特有の食材を使ったビールも注目を集めています。県産の伊予柑や愛媛みかんを丸ごと使用したフルーツエール、新居浜の塩を加えたゴーゼスタイル、西条市産の有機大麦を使ったセッションラガーなど、地域の一次産業と連携した醸造スタイルが松山クラフトビールの独自性を高めています。「愛媛の素材で愛媛のビールを」という哲学が、醸造所ごとに確立されつつあります。

訪問すべき醸造所とタップルーム

松山でクラフトビールを深く楽しむなら、醸造所への直接訪問が最もおすすめです。大街道エリアにある醸造所では予約制の醸造所見学ツアーが人気で、所要時間は約30分、料金は500円(試飲1杯付き)。ブルワーから直接ビール造りの工程を聞きながらできたてのビールを味わえる、贅沢な体験です。仕込み釜の大きさや発酵タンクの数など、生産規模の話を聞くと、クラフトビールへの理解が一気に深まります。

見学後は併設のタップルームで6種類の飲み比べセット(2,000円)を堪能できます。一口ずつ異なる味わいを比較しながら自分好みのスタイルを見つけることが、クラフトビール入門としての王道ルートです。

道後温泉街エリアのクラフトビア専門バーには、愛媛県内外のクラフトビールが常時15タップ以上揃います。パイント(580ml)が900円前後、ハーフパイント(290ml)が550円前後という価格帯で、気軽に何種類も試せるのが嬉しいポイントです。温泉上がりの一杯は格別で、ほてった体に冷えたIPAが染み渡る瞬間は、松山旅でしか体験できない時間です。松山市駅周辺にもボトルショップ兼バーが点在しており、購入したボトルをその場で開栓して飲めるスタイルの店舗もあります。

鯛めし・じゃこ天とクラフトビールのペアリング

クラフトビールの真の醍醐味は、料理との組み合わせにあります。松山を代表するグルメとのペアリングを知ることで、食事の楽しみが格段に広がります。

宇和島スタイルの鯛めしには、ホップの効いたペールエールが好相性です。生卵と薬味の濃厚さをビールの苦みがすっきりと洗い流し、次の一口を誘います。一方、松山スタイルの炊き込み鯛めしにはフルーティなヴァイツェンがよく合い、米と鯛の甘みとバナナ様の香りが絶妙なハーモニーを奏でます。

じゃこ天には、モルトの旨味が豊かなアンバーエールを合わせてみてください。魚のうまみ成分とキャラメルモルトの甘みが共鳴し、どちらの味も引き立てます。焼豚玉子飯にはコクのあるスタウトをぜひ。醤油ベースのタレとロースト麦芽の焦げた香りは、同じ「褐色の旨み」として見事に響き合います。

なお、ビールのアルコール度数は5〜7%が主流ですが、セッションIPAなど軽めの3〜4%もあるため、複数杯楽しみたい方はそちらからスタートするのがおすすめです。食事との相性を意識しながらグラスを重ねることで、クラフトビールの奥深さがより鮮明に見えてきます。

クラフトビールイベントと季節の楽しみ

松山では年間を通じてクラフトビール関連のイベントが開催されており、旅の時期に合わせてスケジュールをチェックする価値があります。

夏の「ビアフェスティバル」は松山最大のクラフトビールイベントで、愛媛県内外から20以上の醸造所が集結し、100種類を超えるビールが一堂に会します。前売り入場料は2,000円(当日2,500円)で専用グラス付き。各ビールは300円〜のトークン制で購入できるため、気軽に飲み比べを楽しめます。会場には地元飲食店のフードブースも並び、ビールと愛媛グルメを同時に満喫できるイベントとして県内外から多くの来場者を集めています。

秋には農産物の収穫祭と連動したビールイベントが各地で開催されます。新米を使ったライスラガーや、地元産の栗・さつまいもを用いた限定ビールが登場するのもこの季節の楽しみです。冬のタップルームでは、温かい室内で重めのスタウトやバーレイワインを楽しむ「冬ビール」文化が定着。松山まつりの時期には祭りとコラボした限定ビールが醸造されることもあり、特別なラベルデザインはコレクターズアイテムとしても人気を博しています。

クラフトビール旅の実践ガイド

松山のクラフトビールを存分に楽しむための、実用的な旅のプランをご紹介します。

飲酒を伴うため、市内移動は路面電車や徒歩を中心にしましょう。松山空港から市内までバスで約30分、岡山から特急しおかぜを利用すれば約2時間40分でアクセス可能です。ホテルにチェックインを済ませた後、15〜16時頃にタップルームや醸造所を訪問するのがベストタイミング。夕方の込み始める前に席を確保し、まずは飲み比べセットで好みのスタイルを見極めます。

その後、道後温泉街のビアバーへ移動して鯛めし・じゃこ天とのペアリングディナーを。予算は一人5,000〜7,000円で、ビール4〜5杯と料理を十分に楽しめます。翌日は午前中に醸造所見学の予約を入れておき、試飲後は道後温泉松山城観光へ流れるプランが理想的です。

お土産にはボトルビール(一本500〜800円)がおすすめ。醸造所ロゴ入りのオリジナルグラス(1,200円前後)はビール好きへのプレゼントとしても喜ばれます。一部の醸造所では限定缶やクラウラー(その場で充填する持ち帰り専用容器)の販売もあり、新鮮なビールをそのまま持ち帰ることができます。松山のクラフトビールは、土地の水と素材と情熱が結晶した一杯です。ぜひ現地でその味を確かめてみてください。

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Written by

渡辺 リカ

ワークスタイルエディター

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