東京タワー
東京の空にそびえる赤と白の鉄塔、東京タワー。1958年の完成から半世紀以上が経った今も、この街のシンボルとして多くの人に愛され続けている。高さ333メートルのそのたたずまいは、見る者に「東京に来た」という実感を与える唯一無二の存在だ。
東京タワー誕生の歴史と背景
東京タワーが完成したのは1958年(昭和33年)12月23日のこと。戦後復興を遂げ、高度経済成長の波に乗り始めた日本が、世界に向けてその躍動を示した象徴的な建造物だ。建設当初の目的は、関東各地にテレビやラジオの電波を送信するための総合電波塔。東京とその周辺に点在していた複数の個別アンテナを一本化し、安定した放送インフラを整備するために建てられた。
設計は内藤多仲氏によるもので、わずか1年半という短期間で完成。使用された鉄骨の重量は約4,000トンに及び、その約3分の1は朝鮮戦争後にアメリカから輸入されたスクラップ材を再利用したものだという。エッフェル塔(324メートル)よりも高く、しかも使用鉄材はより少ないという高い技術力は、当時の日本の工業力を世界に示した。2008年には「戦後日本の技術力の結晶」として国の有形文化財にも登録されている。
2つの展望台から望む東京の絶景
東京タワーには、地上150メートルに位置する「メインデッキ」と、地上250メートルの「トップデッキ」の2つの展望台がある。
メインデッキは1階と2階の2フロア構成で、四方をガラス張りの壁が囲む開放的な空間だ。床の一部がガラス張りになっている「スカイウォーク」では、真下に広がる芝公園の緑と街並みを足元に感じながら立つスリリングな体験ができる。晴れた日には富士山も望め、東京湾の煌めきや、遠く房総半島・筑波山までを視野に収めることができる。
トップデッキへはメインデッキからさらに専用エレベーターで上がる。地上250メートルという高さからの眺望は圧倒的で、東京スカイツリー、新宿副都心の高層ビル群、お台場、横浜みなとみらいのランドマークタワーまで、東京の広大なスケールを実感できる。特に天気の良い日の眺望は格別だ。
夜になると景色は一変する。東京の無数の光が星のように広がるナイトビューは、多くの観光客が「想像以上だった」と口を揃える。カップルのデートスポットとしても長年にわたって人気を誇り、「東京で夜景を見るなら東京タワー」という定評は今も揺るがない。
季節ごとの楽しみ方
東京タワーの魅力は、季節によって表情が変わることにある。
春(3〜5月)は、周辺の増上寺境内や芝公園の桜が見頃を迎える。薄紅色の桜と赤い鉄塔の対比は格別の美しさで、花見と合わせて訪れる人も多い。ゴールデンウィーク期間中は展望台も混み合うため、朝の時間帯を狙うのがおすすめだ。
夏(6〜8月)は、澄んだ夜の空気と都市の熱気が混ざり合うナイトビューが特に印象的。夏限定のライトアップ演出も行われることがあり、花火大会の時期には展望台から打ち上げ花火を眺めることもできる。
秋(9〜11月)は空気が澄んで遠望がきく季節。富士山を望むチャンスが最も高く、晴れた日の夕暮れ時は空のグラデーションと都市の光が重なる黄金の時間帯となる。
冬(12〜2月)はイルミネーションとの共演が見もの。増上寺ではクリスマスや年末に特別なライトアップが行われ、東京タワーとのコラボレーションは冬の風物詩となっている。大晦日から元日にかけての初日の出ツアーも毎年人気を集める。
ライトアップは通常「ランドマークライト」として季節ごとにカラーや演出が変化するほか、各種キャンペーンや記念日に合わせたスペシャルライトアップも実施される。その日によって異なる表情を見せてくれるのも、東京タワーが何度訪れても飽きないと言われる理由のひとつだ。
フットタウンで楽しむエンターテインメント
東京タワーの足元に広がる複合施設「フットタウン」は、観光の前後に立ち寄れるスポットが充実している。
飲食エリアには日本各地の名物料理から軽食まで幅広い選択肢が揃い、展望台を眺めながら食事を楽しめるカフェやレストランもある。土産物ショップでは東京タワーオリジナルグッズのほか、東京や日本各地のお菓子・雑貨も豊富にラインアップ。子ども連れのファミリーにとっては、展望台に上る前後の時間をここで過ごすのが定番コースになっている。
また、外階段を使って展望台まで歩いて上がる「NOBORUウォーク」も人気のアクティビティ。展望台までの高さをひと歩きで体験できるこのイベントは、普段の観光とは一味違う達成感を味わえると、リピーターや体力に自信のある方に好評だ。
周辺エリアの見どころ
東京タワー周辺には、一緒に訪れたい観光スポットが集まっている。
すぐ隣に建つ増上寺は、徳川家の菩提寺として知られる格式ある寺院。赤い山門の向こうに東京タワーがそびえる光景は、和と洋・古と新が共存する東京らしいフォトスポットとして国内外の観光客に人気だ。境内は無料で入れるため、気軽に立ち寄ることができる。
芝公園は都内有数の広さを誇る公園で、東京タワーを様々なアングルから撮影できるスポットが点在する。緑の木々と赤い鉄塔の構図は、ポスターや雑誌でおなじみの東京の原風景のひとつだ。
少し足を伸ばせば、六本木ヒルズや麻布台ヒルズといった再開発エリアにもアクセスしやすい。新しい東京と昭和の東京を同じ日に体感できるのも、この周辺エリアの魅力と言えるだろう。
アクセスと訪問のヒント
東京タワーへのアクセスは複数のルートから可能だ。最寄り駅は都営地下鉄浅草線・大江戸線の「大門駅」(徒歩約10分)、都営地下鉄三田線「芝公園駅」(徒歩約7分)、東京メトロ日比谷線「神谷町駅」(徒歩約7分)など。JR浜松町駅からも徒歩約15分で到着できる。
展望台の混雑を避けるなら、開館直後の朝の時間帯か、平日の午前中が狙い目。週末や長期休暇中の午後は特に込み合うため、チケットは事前にオンラインで購入しておくと待ち時間を短縮できる。夜景を目当てにするなら、夕暮れ時から入場して昼から夜への移り変わりを展望台から眺めるのが最も贅沢な楽しみ方だ。
東京スカイツリー開業以降も揺るぎないシンボルとして愛され続ける東京タワー。その赤い姿を見上げるとき、誰もが「東京らしさ」を感じるのは、この塔が単なる建造物ではなく、この街の記憶そのものだからかもしれない。
アクセス
都営大江戸線赤羽橋駅から徒歩5分
営業時間
9:00〜23:00
料金目安
¥1,200〜¥3,000
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