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歌舞伎座
Photo: Tak1701d / Public domain / Wikimedia Commons
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銀座の中心に堂々とそびえ立つ歌舞伎座は、日本が世界に誇る伝統芸能・歌舞伎の総本山として、国内外から年間多くの観客を迎える特別な劇場です。その壮麗な外観は銀座のシンボルとして広く親しまれ、建物を見るだけでも足を運ぶ価値があります。

130年以上の歴史を刻む歌舞伎の殿堂

歌舞伎座の歴史は1889年(明治22年)に始まります。「演劇改良運動」の気運が高まる明治時代、現在の銀座の地に開場しました。しかしその後、歌舞伎座は幾多の困難に見舞われます。1921年(大正10年)には火災で焼失し、1923年(大正12年)の関東大震災では甚大な被害を受けました。さらに第二次世界大戦中の1945年(昭和20年)には空襲によって全焼するという悲劇も経験しています。

そのたびに再建を重ね、1950年(昭和25年)に4代目歌舞伎座が開場。以後60年以上にわたり日本の伝統芸能の中心地として機能し続けました。そして2010年からの建替え工事を経て、2013年(平成25年)に現在の5代目歌舞伎座が誕生します。建物を一新しながらも歌舞伎座の伝統と格式を守り続けるその姿は、日本文化の継承に向けた強い意志の表れといえるでしょう。

伝統と現代が融合した建築美

5代目歌舞伎座の外観は、桃山様式をベースとした伝統的なデザインを踏襲しています。朱塗りの大屋根と白壁のコントラストが美しく、正面には大きな提灯が並ぶ景観は、銀座の都会的な街並みの中に凛とした和の空間を生み出しています。夜間にはライトアップされ、昼とはまた異なる幻想的な雰囲気を醸し出します。

建物は外観の歴史的意匠を保ちながら内部は現代的な設備を備えた劇場として生まれ変わりました。客席数は約1,800席を誇り、廻り舞台や花道など歌舞伎特有の演出装置も完備しています。地上29階の高層タワーと一体化した複合施設「歌舞伎座タワー」は、劇場機能を維持しながら周辺の都市開発にも貢献しています。

劇場内には5階に「歌舞伎座ギャラリー」があり、歌舞伎の歴史や文化を映像・展示物で学ぶことができます。本物の衣裳や小道具に触れる体験コーナーもあり、舞台の裏側を垣間見ることができる貴重なスペースです。公演を観なくてもギャラリーだけを訪れる観光客も多く、歌舞伎入門の場としておすすめです。

多彩な演目と公演スケジュール

歌舞伎座では通常、年間を通じてほぼ毎月公演が行われています。各月の公演は昼の部と夜の部に分かれており、それぞれ3〜4時間の上演時間となっています。

演目は古典歌舞伎の名作から新作まで多岐にわたります。「仮名手本忠臣蔵」「義経千本桜」「菅原伝授手習鑑」といった名作をはじめ、各代の名優たちが毎月舞台に立ちます。また近年は現代的なアレンジを加えた演目も好評を博し、新しい観客層を開拓しています。花形俳優と呼ばれる若手から人間国宝の大御所まで一堂に会する興行も多く、歌舞伎ファンが一年を通じて足を運び続ける理由となっています。

初心者でも安心の観劇スタイル

歌舞伎の敷居が高いと感じている方にこそおすすめしたいのが、「一幕見席」と呼ばれる観覧方法です。通常の公演チケットは昼の部・夜の部を通しで購入するのが一般的ですが、一幕見席は演目の1幕(または1演目)だけを単独で鑑賞できるシステムです。料金は演目によって異なりますが、1,000円前後から楽しめるものも多く、気軽に歌舞伎デビューを果たすことができます。

一幕見席は4階の専用入口から入場するシステムで、当日券のみの販売です。開演時間より前に並ぶ必要がありますが、「本物の歌舞伎を手軽に体験する」という観点では最良の選択肢のひとつといえます。席は4階の後方部分となりますが、舞台全体を俯瞰するかたちで観られるため、舞台美術や演出の全体像を把握しやすいという利点もあります。

観劇をより深く楽しむためには「イヤホンガイド」の利用がおすすめです。日本語と英語に対応しており、舞台上で繰り広げられる物語のあらすじや役者の見どころ、歌舞伎独特の演出技法(見得、だんまり、荒事など)についてリアルタイムで解説を受けられます。歌舞伎初心者だけでなく、歌舞伎通の方にとっても新たな発見があるツールです。

また、幕間(まくあい)と呼ばれる休憩時間には、観客が持参した弁当を客席で食べる文化も歌舞伎ならではの慣習として知られています。劇場内の売店や地下の「木挽町広場」で購入できる幕の内弁当を片手に、ゆったりと観劇時間を過ごすのも通ならではの楽しみ方です。

銀座観光と組み合わせた楽しみ方

歌舞伎座は東京メトロ日比谷線・都営浅草線「東銀座駅」3番出口から徒歩約1分という好立地にあります。銀座の中心部まで徒歩圏内で、観劇の前後に銀座や築地エリアを散策するのが定番の楽しみ方です。

劇場地下の「木挽町広場」には歌舞伎関連のお土産ショップやカフェが並んでおり、公演の有無に関わらず誰でも立ち入ることができます。歌舞伎にちなんだ和菓子や弁当、オリジナルグッズなどが揃い、観劇の記念に立ち寄るのもよいでしょう。

築地場外市場や銀座の老舗料亭と組み合わせた「観劇グルメコース」も人気です。また、歌舞伎座から徒歩圏内には老舗百貨店や話題の商業施設が点在しており、ショッピングとの組み合わせも楽しめます。浜離宮恩賜庭園や勝鬨橋なども近く、東京の多彩な顔を一度に体験できるエリアとして、観光の拠点にするのも賢い選択です。一幕見席で歌舞伎に触れ、銀座の街を歩き、築地で食事を楽しむ——そんな東京らしい一日のプランを、歌舞伎座は叶えてくれます。

アクセス

東京メトロ東銀座駅3番出口直結

営業時間

公演により異なる

料金目安

¥1,000〜¥20,000

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