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少林山達磨寺

少林山達磨寺

※写真はイメージです。

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群馬県高崎市の山裾に静かにたたずむ少林山達磨寺は、日本を代表する縁起物「だるま」の発祥地として全国に知られる黄檗宗の古刹です。北極星への篤い信仰と歴史・文化が幾重にも重なり合うこの場所には、一度訪れると忘れられない深い魅力があります。

縁起だるまの発祥と寺の歴史

少林山達磨寺の創建は江戸時代中期、元禄年間(1697年頃)にさかのぼります。もともとは前橋城を守護する祈願寺として開かれ、北極星に向けて祈りを捧げる「星辰信仰」を軸に発展してきました。北極星は古来より方位の基準となる星として崇められており、すべての方角を見守るその星への信仰は、あらゆる方角から訪れる悪事や災いを退ける「方位除」の祈願へとつながっていきました。この信仰は現在も寺の中心に据えられており、全国から縁起を担ぎたい参拝者が訪れ続けています。

縁起だるまとの関わりが生まれたのは江戸時代後期のことです。当時の住職が、生計に苦しむ養蚕農家の副業として達磨大師をかたどった張り子のだるまを作るよう指導したことが、高崎だるまの起源とされています。無病息災・五穀豊穣を祈る農民の思いが込められたこのだるまは、やがて広く普及し、現在では選挙の必勝祈願や開業の祝い、新年の縁起物として日本中で親しまれる存在となりました。少林山達磨寺はその原点として、「縁起だるま発祥の寺」という揺るぎない地位を誇っています。

境内の主な見どころ

総門をくぐると、緑豊かな参道が本堂へと続きます。平成9年(1997年)に開創300年を記念して建立されたこの総門は、境内の顔として威風堂々とたたずみ、訪問者を静かに迎え入れます。

境内の中心となる本堂(霊符堂)は、北極星の神霊を祀る場として長年にわたり参拝者の祈りを受け止めてきた場所です。その近くに位置する達磨堂には、全国各地から奉納された大小さまざまなだるまが所狭しと並んでおり、その圧倒的な数と光景は初めて訪れた人の心を深く揺さぶります。観音堂・大講堂・瑞雲閣・洗心亭・庚申塚など複数の堂宇が境内に点在し、それぞれに歴史と趣が宿っています。境内全体が四季折々の植生に彩られており、散策しながら歴史の重みをゆっくりと感じることができます。

世界的建築家ブルーノ・タウトとの縁

少林山達磨寺の歴史に欠かせないのが、世界的建築家ブルーノ・タウトとの深いつながりです。ナチス政権下のドイツを逃れ来日したタウトは、1934年から約3年間、この達磨寺に滞在しました。桂離宮や伊勢神宮の美を西洋に紹介したことでも知られる彼は、日本の伝統建築と美意識に強い共鳴を覚えながらこの地で創作活動を続けました。

滞在中にタウトが高崎市内の工芸指導所で取り組んだ仕事のひとつが「緑の椅子」です。彼が構想を練り、高崎で最初に着手したとされるこの椅子のリプロダクト版は、現在も寺に関連する形で引き継がれています。建築史・デザイン史に関心を持つ旅行者にとっても、この場所は見逃せない文化的な巡礼地となっています。

充実した体験・参拝プログラム

少林山達磨寺が幅広い参拝者に愛される理由のひとつが、多彩な体験・参拝プログラムの充実です。

「だるま絵付け体験」では、縁起だるま発祥の地ならではの特別な体験として、白木のだるまに自ら絵付けをして世界にひとつだけのオリジナルだるまを作ることができます。願いを込めながら筆を走らせるこの体験は、参拝の記念としても、親子や友人同士の思い出づくりとしても人気を集めています。

御祈祷は方位除を中心に事前予約制で受け付けており、遠方の参拝者には郵送での対応も行われています。社名や個人の名前を書き入れた「名入れだるま」の申込みも可能で、法人や個人が新年・開業の節目に願いを込めて奉納する光景もよく見られます。役目を終えただるまへの感謝を伝える「だるま供養」のお焚き上げ法要も定期的に実施されており、長年見守ってくれただるまを丁寧に送り出す場として大切にされています。売店「だるだる」(営業時間10〜16時)では、縁起だるまをはじめ各種お守りや御札などの授与品を購入できます。

年間行事と四季の楽しみ方

少林山達磨寺は四季を通じて豊かな表情を見せ、年間を通じてさまざまな行事が開催されています。

最大の行事が毎年1月6日・7日に開催される「少林山七草大祭だるま市」です。本堂前にはずらりとだるま店が軒を連ね、本堂裏には約30台のキッチンカーが集結して飲食スペースも設けられます。縁起物を求めて全国から多くの人が押し寄せるこの市は、高崎の新春を告げる風物詩として長く愛されてきました。

「星祭り奉納舞・少林山星祭り能」は、北極星への信仰と日本の伝統芸能が融合した独自の催しです。境内に設けられた能舞台で繰り広げられる幽玄の世界は、寺の静謐な雰囲気と相まって参拝者に深い感動をもたらします。春の新緑・夏の深緑・秋の紅葉・冬の静寂と、境内の木々は季節ごとに異なる顔を見せ、特に秋の紅葉と歴史ある堂宇のコントラストは写真愛好家にも人気のスポットです。

アクセスと周辺情報

少林山達磨寺へはJR高崎駅西口からバスを利用するのが便利で、「少林山」バス停を下車するとすぐ目の前に総門が現れます。寺務所・札場の受付は9〜17時、祈祷受付は9〜16時、達磨堂は9〜17時に開いています。問い合わせは電話(027-322-8800)でも可能です。

高崎市内には観音山や群馬県立近代美術館など見どころが多く、だるま市の時期には周辺の飲食店や土産物店も賑わいを見せます。高崎駅を起点に半日から1日かけてゆっくりと巡るプランが、この地域の魅力を存分に味わうのにおすすめです。

アクセス

群馬県高崎市鼻高町296。最寄駅・徒歩分は不明。

営業時間

寺務所・札場: 9:00〜17:00、祈祷受付: 9:00〜16:00、達磨堂: 9:00〜17:00、売店だるだる: 10:00〜16:00

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