
白河小峰城
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白河小峰城は「奥州関門の名城」と謳われ、東北の入口に位置する福島県白河市を代表する歴史遺産です。14世紀に築かれた城地を江戸初期に大規模整備した梯郭式平山城であり、約400年の時を経て木造復元された三重櫓と前御門が往時の姿を今に伝えています。2010年8月には国指定史跡となり、白河の街のシンボルとして市民に深く愛されています。
14世紀から江戸を経て戊辰戦争まで――小峰城の数奇な歴史
城の歴史は興国・正平年間(1340〜1369年)、結城親朝が小峰ヶ岡に城を構えたことに始まります。その後、寛永9年(1632年)に江戸時代の初代藩主・丹羽長重が4年の歳月をかけて梯郭式平山城として整備・完成させました。以来、寛政の改革で知られる老中・松平定信をはじめ7家21代の大名が居城とし、東北を統べる要衝として機能し続けました。しかし慶応4年(1868年)の戊辰戦争・白河口の戦いで落城し、多くの建造物が失われます。その後、約120年の空白を経て近代的な復元工事が進められ、現代に至ります。
城のシンボル・三重櫓の見どころ
本丸北東隅に建つ三重櫓は、小峰城の顔ともいえる存在です。三層三階建てで高さ14メートル、1階は12メートル四方、2階は8メートル四方という堂々たる規模を誇ります。外壁は黒塗りの板を張った「下見板張」で仕上げられ、屋根には13,000枚以上の瓦が葺かれています。屋根上のしゃちほこは高さ1.2メートル。どっしりとした黒の外観は、江戸期の城郭建築の美学をそのまま体現しています。
復元にあたっては、県の重要文化財「白河城御櫓絵図」と発掘調査の成果が照合され、平成3年(1991年)に木造で忠実に再現されました。コンクリート造りではなく木造にこだわった点が、この復元を特別なものにしています。
正門・前御門と帯曲輪
三重櫓と一体となって本丸を守るのが、平成6年(1994年)に木造復元された前御門(表門)です。石垣の上に櫓を渡した「櫓門」の形式をとり、多門櫓・桜之門と連続する構えの中心に位置します。三重櫓から前御門へと続く一連の防御ラインを歩くと、城郭建築の機能美を体感できます。
本丸を西から北にかけて囲む帯曲輪は、約8,000平方メートルに及ぶ広大な曲輪です。平成23年(2011年)の東日本大震災で石垣が崩落し、長年親しまれたバラ園も閉園となりましたが、令和4年(2022年)4月に修復工事が完了し、約11年ぶりに一般開放されました。現在はベンチや休憩用の建屋が設置されており、本丸を取り囲む壮大な石垣をゆっくりと鑑賞できる空間として整備されています。
城内に残るもう一つの証言・旧小峰城太鼓櫓
帯曲輪とともに令和4年(2022年)に整備されたのが、旧小峰城太鼓櫓です。もとは二之丸入口付近の太鼓門西側に建てられていたとされ、明治7年(1874年)に三之丸の紅葉土手東側へ、さらに昭和5年(1930年)に現敷地北側へと移築を重ねてきました。老朽化と震災被害を受けて一度解体されましたが、大正年間の写真や旧柱の痕跡をもとに移築修復工事が行われ、南側に再建されています。改造を経て原型からは変わっているものの、城内の多くの建造物が焼失・失われたことを思えば、往時の面影を伝える貴重な証言者といえます。
アクセス
福島県白河市郭内1-2。最寄駅・徒歩分は不明
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