東京ミッドタウン
六本木という都市の喧騒の中に、緑と文化とラグジュアリーが融合した別世界が広がっている。東京ミッドタウンは、都心にいながら豊かな自然と洗練された空間を同時に味わえる、東京を代表する複合施設だ。
旧防衛庁跡地に生まれた都市の新しい顔
東京ミッドタウンが立つ港区六本木7丁目の土地は、もともと旧日本陸軍の施設、戦後は防衛庁の庁舎が置かれていた場所だ。2000年代初頭に防衛庁が市谷へ移転したことで広大な敷地が再開発の対象となり、三井不動産を中心とするグループが手がけた一大プロジェクトとして、2007年3月に東京ミッドタウンは開業した。
総敷地面積は約6万9,000平方メートルにおよび、オフィス棟・ホテル棟・ガレリア(商業棟)・タワー棟・レジデンス棟などが集結した大規模な複合開発となっている。地上54階建てのミッドタウン・タワーは開業当時、東京都内で最も高いビルのひとつに数えられており、その存在感は六本木のスカイラインを大きく塗り替えた。
単なる商業施設にとどまらず、文化・芸術・ホスピタリティ・自然を一体として提供するコンセプトは「Japan Value」と名付けられ、日本が誇る美意識や職人の技、自然との共生という価値観を都市空間の中に体現しようとしている。
サントリー美術館と21_21 DESIGN SIGHT――文化の発信地として
東京ミッドタウンの大きな魅力のひとつが、充実した文化施設だ。
ガレリア3階に位置するサントリー美術館は、「生活の中の美」をテーマに掲げ、日本の伝統美術や工芸品を中心とした企画展を年間を通じて開催している。陶磁器・漆工芸・染織・ガラス工芸など、時代を超えて受け継がれてきた日本の美の精髄を、上質な空間でゆっくりと鑑賞できる。展覧会ごとにテーマが変わるため、何度訪れても新鮮な発見がある。
ミッドタウン・ガーデンの一角には、プロダクトデザイナーの深澤直人氏とグラフィックデザイナーの佐藤卓氏が共同ディレクションを務める21_21 DESIGN SIGHTがある。安藤忠雄氏が設計した建築自体も見応えがあり、地面に折り込まれたような独特のシルエットが印象的だ。デザインを切り口に社会や文化を問い直す意欲的な展覧会が続き、国内外のデザイン好きが足を運ぶ場所となっている。
約130の店舗が集うガレリア――ショッピングとグルメを楽しむ
東京ミッドタウンの商業エリア「ガレリア」には、ファッション・コスメ・インテリア・グルメなど多彩なジャンルの店舗が集積している。
ファッションフロアにはハイブランドや上質なセレクトショップが並び、日本のライフスタイルブランドの旗艦店も多い。インテリアや雑貨の分野では国内外の人気ブランドが出店しており、居住空間を豊かにするアイテムを探す楽しさがある。ガレリアの吹き抜け空間は開放的で、買い物の合間に広場でひと息つくこともできる。
飲食フロアのバリエーションも豊かで、カジュアルなカフェから一流シェフが手がけるレストランまで幅広く揃っている。夕方以降はライトアップされた庭園を眺めながら食事を楽しめる店も多く、デートや接待の場としても定評がある。
ミッドタウン・ガーデン――都心に広がる贅沢な緑地空間
東京ミッドタウンの敷地面積の約40パーセントを占める緑地エリア「ミッドタウン・ガーデン」は、都心にあることを忘れさせるほどの開放感をもたらしている。広大な芝生広場は、晴れた日には家族連れやオフィスワーカーがランチを楽しむ憩いの場となる。
ガーデン内には趣ある日本庭園も整備されており、石灯篭や池、石畳の小径が織りなす静寂な空間は、都市の喧騒を忘れさせる。隣接する檜町公園と合わせて散策すると、東京の中心部でありながら豊かな自然を感じる贅沢なひとときが過ごせる。
芝生広場ではマルシェやアートイベントが開催されることもあり、買い物や観光だけでなく、地元住民の日常にも溶け込んだ生活空間として機能しているのが、東京ミッドタウンの大きな個性だ。
季節ごとの楽しみ方
東京ミッドタウンは季節ごとに異なる表情を見せ、何度訪れても飽きることがない。
春(3月〜4月)は、ガーデンを彩る桜が最大の見どころだ。ソメイヨシノを中心とした桜並木がガーデンに広がり、花見ピクニックを楽しむ人々や、カメラを持った観光客で賑わう。夜間にはライトアップが行われることもあり、昼とは異なる幻想的な光景を楽しめる。
夏(7月〜8月)は緑が濃くなった芝生広場でアウトドアイベントが多数開催される。秋(10月〜11月)には樹木の紅葉がガーデンを温かな色彩に染め上げ、落ち葉の舞う中を散策するのは格別の気持ちよさだ。
そして冬(11月下旬〜12月)には、「MIDTOWN CHRISTMAS」と題した大規模なイルミネーションが最大の目玉となる。芝生広場に広がる光の演出は都内屈指のスケールを誇り、クリスマスシーズンの名物として定着している。カップルや家族連れで賑わう夜のガーデンは、東京の冬の風景として欠かせない存在となっている。
アクセスと周辺情報
アクセスは非常に便利で、東京メトロ日比谷線・都営地下鉄大江戸線の六本木駅から徒歩約5分。地下通路で直結しているため、雨の日でも傘不要でたどり着けるのがうれしい。東京メトロ千代田線の乃木坂駅からも徒歩約8分でアクセス可能だ。
ミッドタウン・タワーの上層階(45〜53階)には、ザ・リッツ・カールトン東京が入居している。客室からは東京の夜景を一望でき、洗練されたダイニングやスパも備えた圧倒的なラグジュアリー体験が味わえる。宿泊はもちろん、ロビーラウンジでのアフタヌーンティーや記念日の食事など、特別なひとときを演出する場として多くの人に選ばれている。
周辺には六本木ヒルズ(徒歩約10分)や国立新美術館(徒歩約5分)もあり、一帯は「六本木アート・トライアングル」として知られる文化ゾーンを形成している。複数の美術館やギャラリーをはしごしながら、東京の文化を深く味わう充実した一日が過ごせる。
アクセス
都営大江戸線六本木駅8番出口直結
営業時間
11:00〜21:00
料金目安
¥1,000〜
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