
松森天満宮
GALLERY
松森天満宮は、寛永三年(1626年)に今博多町に創建され、1656年に現在地へ遷宮した長崎を代表する古社です。諏訪神社・伊勢宮とともに「長崎三社」に数えられ、江戸時代から一貫して学問の神・菅原道真公を祀る聖地として、地域の人々に深く根ざした信仰を集めてきました。令和八年(2026年)には創建四百年という大きな節目を迎えます。
二重の価値を持つ文化財「職人尽」
境内でまず目を引くのが、本殿外囲いの瑞垣の欄干間にはめ込まれた30枚の彫刻板「職人尽」です。正徳三年(1713年)の社殿改修の際に奉納されたもので、御用指物師の喜兵衛と藤右衛門が彫り上げた薄肉浮き彫りです。家事に従事する女性の姿から菓子職人、船大工、製薬人まで、当時の長崎社会を生きた多様な職人仕事が精緻に刻まれており、歴史民俗資料としての価値と美術品としての価値を同時に備えています。さらに天保三年(1832年)には、唐絵目利として知られる石崎融思が彩色を加え、現在に伝わる姿となりました。下絵を描いた画家については不詳とされているものの、当時の長崎奉行御用絵師・小原慶山の作ではないかとも考えられています。この彫刻群は現在、長崎県指定有形文化財に指定されています。
境内を覆うクスノキの群生
松森天満宮のもうひとつの顔が、境内を中心とした狭い区域に群生する7本のクスノキです。クスノキの巨樹は一般に独立した単木として存在することが多く、複数の大樹がまとまって群生する例は全国的にも珍しいとされています。地上まもなく数本の支幹に分かれ、そこからさらに大小の枝を広げて形成される雄大な樹形は、境内の広がりに独特の奥行きと厳かな雰囲気をもたらしています。このクスノキ群も「職人尽」と同じく長崎県指定文化財であり、加えて長崎市指定天然記念物にも指定されています。一社の境内に、彫刻と植生の両面で二重の文化財指定があるのは、松森天満宮ならではの特徴です。
節目ごとの祭礼と限定御朱印
学業祈願を筆頭に、厄入り・厄払い、賀寿祭、地鎮祭、旅行安全祈願など、人生の様々な場面に応じた祈願・お祓いを受け付けています。節分の日には境内で豆まきが2回行われる節分祭が催されるほか、長崎ランタンフェスティバルの期間中には書き置き形式の限定御朱印が頒布されます(初穂料500円)。また、毎年太宰府天満宮への正式参拝団が組まれており、総本社との深いつながりを今に伝えています。
創建四百年記念事業
令和八年の四百年を前に、老朽化が進む本殿と境内池の改修工事が令和8年3月に着工し、5月完成を予定しています。四百年の信仰と文化を次代へ受け継ぐための奉賛事業として広く案内されており、3万円奉賛者には拝殿幕へ芳名が、3千円奉賛者には創建四百年記念品が贈られます。節目の年に整備された境内で参拝できる機会は、この時期ならではの体験といえます。
アクセス
長崎県長崎市上西山町4-3
営業時間
9:00~13:00(日曜・祝日を除く)
料金目安
祈願・お祓いのご相談は要問合せ。御朱印:500円
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