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清ら蝶園

清ら蝶園

※写真はイメージです。

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沖縄県糸満市の霊域・摩文仁に立つ沖縄平和祈念堂。その附属施設として平成17年(2005年)11月6日に開園した「清ら蝶園」は、命と平和を静かに問いかける、他に類を見ない蝶の楽園です。観光地としての賑やかさとは一線を画し、訪れるたびに何かを深く考えさせる場所として、多くの人の記憶に残ります。

国内最大級の蝶、オオゴマダラとの出会い

園内で飼育されているのは、国内最大級とされる蝶・オオゴマダラです。羽を広げると13cmに達するその姿は、見る者に思わず息をのませます。特に目を引くのが蛹の姿。金属光沢を帯びた黄金色に輝く蛹は神秘的で、その蛹からゆっくりと羽化していく様子は、命の誕生を間近で見届けるような体験をもたらします。

魂の使者「プシュケ」という視点

古代ギリシャでは、蝶を「プシュケ」——すなわち「魂」と呼んでいました。この蝶園がオオゴマダラを飼育する意味は、その言葉の重みと深く結びついています。園で育ったプシュケたちは、沖縄戦で命を落とした戦没者を追悼し、世界平和の実現を祈る平和祈念像の使者として訪問者を出迎えます。蝶が羽ばたくたびに、その一匹一匹に尊い命の記憶が宿っているかのような、静かな感動があります。

6月23日、慰霊の日の放蝶式

清ら蝶園の一年で最も厳粛な瞬間が、毎年6月23日の慰霊の日に執り行われる放蝶式です。戦没者の鎮魂と世界平和への願いを託された300匹の使者たちが、平和祈念堂大使やボーイスカウト・ガールスカウトの手によって平和祈念堂玄関前から摩文仁の空へ放たれます。白い翅が蒼空へと舞い上がる光景は、追悼と祈りの場に集まる人々の心に深く刻まれる儀式です。

蝶が生きる園内の植栽環境

鉄骨・網・ビニール製の開閉式ハウス(正面幅9m、側面幅15m、中央高さ4.8m)の中には、オオゴマダラが生きていくために必要な環境が丁寧に整えられています。食草にはオオゴマダラの幼虫が食べるホウライカガミ、蜜源植物としてヒメランタナやタイワンレンギョが植えられ、蝶が羽を休めるための高木としてタコの木やクバも配置されています。単に見せるだけでなく、蝶の生態サイクルごと内包した空間設計が、ここを生きた命の展示場にしています。

アクセス

沖縄県糸満市摩文仁(沖縄平和祈念堂内)

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