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本屋ロカンタン

本屋ロカンタン

※写真はイメージです。

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神戸・新長田に2024年10月、東京・西荻窪から移転してきた新刊書店「本屋ロカンタン」。映画批評家でもある店主が選書を手がけるこの店は、人文・芸術・文芸を軸に、流行や話題性だけでは選ばれない一冊が静かに並ぶ空間だ。店主の自宅を兼ねた「ささやかな本屋」というたたずまいが、ここを単なる購買の場ではなく、本との対話が生まれる場所にしている。

映画批評家の眼が選ぶ棚

店主が映画批評家であることは、選書の幅に如実に表れている。文芸・思想・哲学から映画・音楽・メディア論にいたるまで、あるジャンルを入口としながら隣接する知の領域へと自然に引き込まれるような棚の構成が特徴だ。バシュラールの『火の精神分析』、コーマック・マッカーシーの『ザ・ロード』、カーソン・マッカラーズの短篇集、ルース・アサワのモノグラフなど、入荷するタイトルはいずれも固有の価値観と美意識を持つ選者の存在を感じさせる。

テーマ別棚が問いを立てる

本屋ロカンタンの棚で際立つのが、通常のジャンル分類とは別に設けられた「テーマ別」コーナーだ。ジェンダー、レイシズム、資本主義、ファシズムという現代の重要な問いをそれぞれひとつの棚にまとめており、入門書から理論書まで横断的に手に取ることができる。「なぜ、脱成長なのか」「コモンの『自治』論」「女たちのテロル」「定本 力と交換様式」といったタイトルの顔ぶれは、店主が社会的問題意識を選書の軸に据えていることを示している。テーマ別の他に、出版社別・著者別でも棚を辿れる構成は、特定の版元や書き手を軸に読書を深めたい人にも対応している。

ZINEとリトルプレスも充実

新刊書籍だけでなく、雑誌・ZINE・mook・リトルプレスも取り扱う。商業出版の枠外で生まれた自主制作物や小部数出版物にも門戸を開いており、主流の書店では出会いにくい一冊と向き合える場でもある。

アウトレットで価値ある本をより手軽に

店内にはアウトレットコーナー(50%OFF)も設置されており、アート・思想系のハードカバーなど定価では手が出にくかった書籍を手に取りやすい価格で提供している。「アナキズム美術史」「綺想の帝国——ルドルフ2世をめぐる美術と科学」「マン・レイと女性たち」など、専門性の高い美術・思想書が半額で並んでいることもあり、これらのジャンルに関心のある読者には嬉しいコーナーだ。

西荻から新長田へ——書店とまちの関係

東京・西荻窪は古書店・個性派書店が集まることで知られるエリアだが、本屋ロカンタンは2024年10月に神戸・新長田へ拠点を移した。新長田はかつての震災復興の象徴でもあり、近年は多様な文化的営みが育まれているまちだ。店主の自宅を兼ねた小さな書店というかたちで地域に根を下ろしたこの店は、大型チェーンとは異なる文脈で「本屋があるまち」の意味を問いかけている。

アクセス

神戸電鉄粉河線長田駅から徒歩約10分

料金目安

¥990~¥5,500(新刊本、ZINE、リトルプレス。アウトレット商品は50%OFF)

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