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平戸オランダ商館

平戸オランダ商館

※写真はイメージです。

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長崎県平戸市に佇む平戸オランダ商館は、国指定史跡「平戸和蘭商館跡」の復元建造物として、日本と西欧を結んだ貿易の歴史を今に伝える博物館だ。鎖国以前の日本が海外に向けて大きく開かれていた時代、ここ平戸はその最前線だった。単なる遺跡の復元にとどまらず、当時の交易品や文書を通じて、訪れる人が16〜17世紀の国際都市・平戸の息吹を肌で感じられる場所として機能している。

1550年から始まった西欧との交易

1550(天文19)年、ポルトガルの商船が平戸に入港したことを契機に、この地では従来の中国大陸との貿易に加え、西欧との交易が一気に活性化した。多くの外国商人が集まり、東洋と西洋の文化・物資が交差する独自の商業空間が生まれた。館所蔵の「外国人之図」には、そうした時代の平戸に集った外国人の姿が描かれており、当時の国際的な雰囲気を視覚的に伝えている。ミュージアムショップでは同図を転載・編集した屏風(外国人之図屏風)も販売されており、歴史の記憶を手元に持ち帰ることができる。

館内展示——本物が語る交易の実像

展示品はどれも、平戸の貿易史を具体的に物語る一級資料だ。南蛮漆器は東西の美意識が融合した工芸品として注目に値し、「こしょろジャガタラ文」と呼ばれるオランダ語・中国語の書物や、徳川家康の朱印状も収蔵・展示されている。

とりわけ見逃せないのがファルク地球儀だ。長崎県指定有形文化財に指定されており、大航海時代の世界観を凝縮した資料として高い歴史的価値を持つ。縮小複製品がショップでも取り扱われており、原物の迫力を知ったうえで手に取れる。

また館内には、オランダ船の船首を飾っていた船首像の資料も展示されている。航海の安全を祈って船に取り付けられていたこの木像、平戸に残るものは「海図を持つ像」と「笛を吹く像」の2体。ユーモラスな表情が印象的なミニチュア陶磁器がショップで販売されており、説明書きと合わせて読むと展示への理解が深まる。

企画展・イベントで深まる平戸史の理解

常設展示に加え、テーマを絞った企画展が定期的に開催される点もこの館の特徴だ。過去には「平戸の貿易 ―舶来したモノたち―」「松浦隆信(宗陽)と平戸オランダ商館」「田中かえ平戸に現る展」といった多彩な展覧会が行われており、訪れるたびに新しい切り口で平戸の歴史に触れられる。

毎年恒例の「King's Day(王様の日)」はオランダ王室にゆかりのあるイベントで、今も続くオランダとの縁を祝う場となっている。「シューレン大会」は2026年に第10回を迎えており、地域に根付いたイベントとして定着している。

ミュージアムショップの充実ぶり

展示と連動したオリジナルグッズも見どころのひとつだ。1736年出版のヨハン・ウィルヘルム・ワインマンによる植物図鑑『顕花植物図譜』の額装レプリカ(全40種)は、精密な図版を自宅で楽しめる本格的な商品。コラボグッズや企画展に連動したアイテムも随時入れ替わるため、訪問のタイミングによって出会える品が異なる。歴史好きにも、インテリア志向の人にも響くラインナップが揃っている。

アクセス

長崎県平戸市大久保町2477番地

営業時間

8:30~17:30、毎年6月第3火水木曜日休館

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