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月兎
※写真はイメージです。

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新函館北斗駅から車でほど近い北斗市市渡に、地元の人々に長年愛されてきた小さな食堂がある。その名は「月兎(つきうさぎ)」。米屋を本業とする店主が営む、あたたかいごはんと珈琲の家だ。グルメガイドには載りにくいが、知る人ぞ知る名店として、昼どきには地元客の笑顔が絶えない。

米屋が生んだ、ほっとするごはんの家

「あったかいごはんと珈琲の家」——これが月兎のすべてを語る一言だ。店のルーツは米屋にある。良質な米を扱うプロとして、毎日の食卓に向き合ってきた店主が、「なつかしい食べ物で、ほっとしてほしい」という想いから始めた食堂がこの月兎である。

米屋が本業だからこそ、ここで出されるごはんは一味違う。丁寧に炊き上げられた白米は、粒が立ちながらも口のなかでほぐれるやわらかさ。おかずの主役を引き立てる脇役に徹しながらも、それ自体がごちそうになっている。北海道産の良質な米を使っているとあれば、なおさら期待が高まる。派手な演出はなく、ただひたすらに「ちゃんとしたごはん」を提供する姿勢が、多くのリピーターを生み出している。

看板メニューをひもとく

メニューのラインナップは、和食の定番からオリジナルの逸品まで幅広い。なかでも注目は「しょうが焼肉丼」。豚のしょうが焼きをごはんの上にのせたシンプルな丼だが、たっぷりのしょうがが効いたタレと肉の旨みが白米と絡み合い、食べ応え抜群の一品だ。仕事の合間にがっつり食べたいランチタイムにぴったりで、地元の働く人たちから特に支持を集めている。

「月兎定食」は、この店を代表するおまかせスタイルの定食。日替わりのおかずと汁物、漬物に炊きたてごはんが並ぶ、昔ながらの定食のかたちだ。毎日食べても飽きない安心感がある。また、弁当メニューも充実しており「食らわんか弁当」「紅弁当」は、テイクアウトでも人気が高い。月兎ならではのネーミングセンスも、訪れる客の記憶に残る。

デザートやドリンクも見逃せない。「苺ミルク」「シェイク」といったドリンクは、食後の口直しにも食事前の一杯にも合う。そして「珈琲の家」を名乗るだけあって、コーヒーへの力の入れ方は本物。ランチのあとにゆっくり一杯、という使い方をする常連も多いという。

さらに「月船」というメニューも気になるところ。その詳細は実際に訪れてからのお楽しみだが、店のコンセプトである「なつかしさ」「温かさ」を体現した一品であることは想像に難くない。

落ち着いた店内と地域に根ざした雰囲気

椅子席44人という規模は、地方の食堂としてはちょうどよい広さだ。宴会は最大15人まで対応可能で、職場の仲間や地域の集まりにも利用できる。派手な内装ではなく、どこか昭和の食堂を思わせる落ち着いた空間が、「なつかしい」という感覚を後押ししている。

ランチタイムのみの営業(11:00〜14:00、なくなり次第終了)というスタイルも、この店らしい。大量生産ではなく、その日用意した分だけをきちんと提供する。売り切れ次第閉店というシンプルな運営は、食材と手間を妥協しない姿勢の表れともいえる。早めに訪れることが賢明で、それがかえって「あの店に行けた」という特別感を生んでいる。

定休日は日・月・火曜日と週3日休みであることも、ゆとりある営業スタイルの証だろう。少人数で丁寧にやっているからこそ生まれる温かさが、この店の最大の魅力なのかもしれない。

価格帯と利用シーン

具体的な価格表は公開されていないが、米屋の食堂として地元の人々が日常的に利用していることを考えると、北海道の地方都市らしい良心的な価格帯であることが推察できる。ランチ1,000〜1,500円前後が目安となる和食定食の相場感で、特別な日のごちそうというよりは「今日もここで食べよう」と気軽に立ち寄れる存在だ。

利用シーンとしては、仕事帰りや買い物の途中のランチ、地元で集まる仲間内の小宴会、新函館北斗駅を起点にした北海道観光のランチ休憩など幅広い。新幹線で訪れた旅行者にとっては、地元の日常食を体験できる貴重な場所でもある。観光スポットとして紹介されることは少ないが、だからこそ「本当の北斗市の食」に触れられる穴場といえる。

アクセスと訪問の心得

住所は北海道北斗市市渡220。新函館北斗駅からは車で数分圏内に位置している。北海道新幹線の終着駅として近年注目が集まる新函館北斗駅エリアは、函館市街へのアクセス拠点でもあり、旅のルートに組み込みやすい立地だ。電話番号は0138-77-9100。事前に確認を取りたい場合や宴会の予約には、電話での問い合わせが確実だ。

訪問の際に気をつけたいのが「なくなり次第終了」という営業スタイル。週の後半(水〜土)のみの営業で、営業時間は11:00〜14:00。昼のピーク前後に到着するよう時間を逆算しておくと、売り切れのリスクを減らせる。駐車場については直接確認を。

新函館北斗エリアを旅するなら

月兎のある北斗市は、函館市と隣接し「海と大地と新幹線のまち」として観光PRを行っている地域だ。北海道新幹線・新函館北斗駅を玄関口に、函館山や五稜郭、湯の川温泉といった函館の定番観光地へのアクセスも抜群。北斗市内には農業・漁業の豊かな食文化が根付いており、道南の新鮮な海の幸や畑の恵みを味わえる直売所や農場も点在している。

月兎でのランチを北斗市滞在の起点として、道南・函館エリアをじっくり巡る旅のプランもおすすめだ。観光地でにぎわう有名レストランではなく、地元に根ざした食堂で「なつかしいごはん」をいただくことで、この土地のほんとうの暮らしと食文化に少し近づける気がする。それが、月兎という店の静かな、でも確かな魅力だ。

アクセス

JR函館本線北斗駅から徒歩約15分

営業時間

11:00〜14:00(※なくなり次第終了) 定休日: 日、月、火曜

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