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代官山 蔦屋書店

代官山 蔦屋書店

Photo: Syced / CC0 / Wikimedia Commons
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代官山の閑静な住宅街に突如として現れる白いファサードの建物群。緑に包まれたその空間は、ただの書店ではなく、本と出会い、時間を忘れる「知の森」として、国内外の書籍愛好家たちを引き寄せてきた。代官山 蔦屋書店は、本好きなら一度は訪れたい、東京を代表する文化的ランドマークだ。

「大人の蔦屋書店」として誕生した背景

代官山 蔦屋書店は、2011年12月にカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)によってオープンした。同社はレンタルビデオ・書籍チェーン「TSUTAYA」を全国展開してきたが、代官山の店舗はそれとはまったく異なるコンセプトで設計されている。ターゲットに据えたのは、「シニア世代」と呼ばれる50代以上の文化的感度の高い大人たち。時間的・経済的なゆとりを持ち、上質な体験を求めるこの世代のために、書籍とライフスタイルが溶け合う空間が構想された。

設計を手がけたのは、東京を拠点に活動する建築家ユニット、クライン・ダイサム・アーキテクツ。3棟の建物が「マガジンストリート」と呼ばれる屋外通路で有機的につながる構成は、小さな街区そのものを思わせる。外壁には「T」の字がモザイク状にちりばめられ、シンプルながらも印象的な外観を生み出している。2013年にはアメリカの旅行情報誌「Flavorwire」が選ぶ「世界で最も美しい書店20店」に選出され、その名は一気に世界へと広まった。

3棟がつながる、独自の空間構成

代官山 蔦屋書店の最大の特徴は、1号館・2号館・3号館の3棟が独立しながらも緩やかにつながる構造にある。各棟はそれぞれ異なるジャンルを担いながらも、建物の間を歩くことで、まるで一つの大きな文化的テーマパークを回遊しているような感覚が生まれる。

マガジンストリートは屋外に設けられた歩道で、両脇には雑誌が陳列されている。天気の良い日には、ここを歩くだけでも気持ちが良く、代官山の木々の緑と空の青がセットで楽しめる。夜になると照明が灯り、昼とは異なる落ち着いた雰囲気が漂う。

各棟内部は天井が高く開放的で、書棚の配置や照明デザインにも細かなこだわりが感じられる。本を手に取ってその場で読んでいても気兼ねなく、スタッフが積極的に声をかけてくることもない。ゆっくりと自分のペースで過ごせる環境が、リピーターを増やし続けている理由の一つだ。

充実した蔵書とヴィンテージマガジン

書籍のラインナップは、蔦屋書店の中でも特に洗練されているとの評価が高い。アート、デザイン、建築、旅行、料理、クルマ、音楽、映画といったライフスタイル系のジャンルが中心で、一般的な書店では見かけないような専門書や写真集、大判の洋書が豊富に揃う。

特筆すべきは、ヴィンテージマガジンのコレクションだ。国内外の雑誌の貴重なバックナンバーが数多く取り揃えられており、デザインや文化を研究する人々にとっても見逃せないコーナーとなっている。かつては廃刊になった雑誌や入手困難な号を探し求めて、遠方からわざわざ訪れるコレクターも少なくない。

また、音楽CDや映画DVDのレンタル・販売コーナーも設けられており、書籍だけにとどまらない幅広いカルチャーへのアクセス拠点としての役割を担っている。スタッフは各ジャンルに精通したコンシェルジュ的な存在で、おすすめを尋ねると丁寧に案内してくれる。

スターバックスとラウンジで味わう、滞在の醍醐味

代官山 蔦屋書店の体験を語るうえで欠かせないのが、1号館内に併設されたスターバックス コーヒーの存在だ。書架に囲まれたカフェスペースでは、購入前の本を手にコーヒーを飲むことができ、「本を読みながらコーヒーを楽しむ」という贅沢な時間を過ごせる。週末ともなれば、ラップトップを広げて作業する人、友人と語らう人、一人で読書に集中する人など、思い思いのスタイルで過ごす人々で賑わう。

さらに、3号館の2階には「ANJIN(アンジン)」というラウンジが設けられている(営業時間や形態は時期により変更あり)。落ち着いた大人の雰囲気が漂うこのスペースでは、一人でゆったりと読書をする時間が格別だ。

深夜2時まで営業している点も代官山 蔦屋書店ならではの魅力だ。仕事終わりに立ち寄り、閉店を気にせずゆっくりと本を選ぶ——そんな都会的な夜の使い方ができる書店は、東京でも数少ない。

代官山の街と組み合わせて楽しむ

代官山 蔦屋書店が位置する代官山は、東急東横線の代官山駅から徒歩約5分の距離にある。駅から書店へ向かう道沿いには、個性的なセレクトショップやカフェ、インポートブランドのブティックが軒を連ね、歩くだけでも楽しいエリアだ。

蔦屋書店の向かいには、同じCCCが手がける複合施設「ログロード代官山」があり、飲食店やアパレルショップが集まっている。また、徒歩圏内には旧朝倉家住宅(国指定重要文化財)など、歴史的な建造物も点在しており、散策の途中に立ち寄ることができる。

春には代官山の街路樹の桜が美しく咲き誇り、花見気分で書店へ向かう道のりも格別だ。夏は緑豊かな木陰が心地よく、秋には紅葉が街を彩る。冬は静けさの中に洗練された空気が漂い、読書の秋から冬へと気持ちが向くこの季節にぜひ訪れてほしい。

訪問前に知っておきたいこと

代官山 蔦屋書店へのアクセスは、東急東横線・代官山駅の正面口から徒歩約5〜7分が最もわかりやすいルートだ。東急東横線と東京メトロ日比谷線は相互直通運転を行っているため、中目黒駅からもアクセスしやすい。また、渋谷駅からも徒歩約15〜20分ほどで歩いて行ける距離にあり、散歩がてら訪れる人も多い。

営業時間は書籍フロアが7時から深夜2時まで(年中無休)と長く、早朝から開いているため、朝型の人にも使いやすい。混雑を避けるなら、平日の午前中か夕方以降が比較的ゆったりと過ごせる。週末の昼間は多くの人が訪れるが、書店の性質上、喧騒感は少なく、独特の静かな熱気が漂っている。

近くには中目黒の目黒川沿いの遊歩道や、恵比寿ガーデンプレイスなども位置しており、代官山を中心に半日〜1日かけて周辺エリアを回るプランもおすすめだ。本を1冊選んで、カフェで読んで、街を歩いて——代官山 蔦屋書店はそんなゆとりある一日の核となる場所として、東京を訪れる人にぜひ体験してほしいスポットだ。

アクセス

東急東横線代官山駅から徒歩5分

営業時間

7:00〜26:00

料金目安

¥500〜¥3,000

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