
ダディーズベーカリー
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西宮の山の中、稲美町の田園地帯、そして淡路島の海のそば――ダディーズベーカリーは、ロケーションも個性も異なる3店舗を構えるパン屋だ。共通するのは「自社農園の無農薬小麦から、保存料を一切使わずにパンを焼く」という一貫した姿勢。そのパンは毎朝職人がひとつひとつ手がけ、売り切れ次第閉店するほど地元に根付いている。
建築業から生まれたパン屋という異色の出発点
創業の原点は1995年、阪神大震災をきっかけに建築業へ転じたオーナーが西宮の山中に設立した建築会社にさかのぼる。それから13年後の2008年、「山の中にパン屋があったらおもしろい」という一念発起から、自社の敷地内にパン屋を開店。建築業とパン業という一見無縁の組み合わせが、「山の中の手作りパン屋」という独自の世界観を生み出した。
自社農園・石臼製粉という一気通貫のものづくり
「お客様に喜んでもらいたい」という思いからパン作りの要である「小麦」に着目したオーナーは、2016年に淡路島南あわじ市で小麦の試験栽培を開始。2017年以降は南あわじ市と稲美町の自社農園で、化学肥料・農薬を一切使わずに種を撒き、収穫・製粉まで自社で担う体制を実現した。さらに、収穫した小麦は自社内の石臼で丁寧に挽いて粉に仕上げる。産地から石臼製粉、焼き上げまでを一貫して管理するパン屋は珍しく、これがダディーズベーカリーの核心的な強みだ。
看板商品「サクカリ」と自社農園産食パン
小麦品種は「せときらら」。この品種を主原料に仕上げた食パン「一尺二寸(いっしゃくにすん)」と「六寸(ろくすん)」が、自社農園産小麦をダイレクトに味わえる代表作だ。
もう一つの看板商品「サクカリ」は、砂糖・卵・保存料をすべて不使用にしたシンプルな食パン。添加物に頼らないぶん、小麦本来の香りと風味がストレートに伝わり、軽くトーストすることでさくっとした食感と香ばしさが際立つ。さらに季節の旬の食材を取り入れた創作パンも定期的に登場し、訪れるたびに新しい発見がある。
「白米のように毎日食べられるパン」という哲学
日本人が白米を毎日食べてもカロリー過多にならないように、バターや卵をふんだんに使わず、添加物にも頼らないシンプルなパンを作ることで「食べ飽きない日常のパン」を目指す――これがダディーズベーカリーの根っこにある考え方だ。素材の力を最大限に引き出す潔さは、一度食べると「また買いに来たい」と思わせるシンプルな中毒性につながっている。
西宮店・稲美店・淡路店、三様の風景
西宮店は山の自然に囲まれた静かな立地、稲美店は田園が広がるのどかな風景の中、淡路店は海のそばと、それぞれ全く異なる表情を持つ。どの店舗もその日のパンが売り切れ次第早めに閉店するため、訪問前に営業状況を確認しておくのが確実だ。
アクセス
兵庫県西宮市山口町船坂90
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