佐賀県有田町は、日本で初めて磁器が生まれた「磁器発祥の地」として400年以上の歴史を誇る陶磁器の聖地です。その有田町の中心部に位置する有田陶磁の里プラザは、約30の有田焼窯元の直営店が一堂に会するショッピングモールで、有田焼の世界を存分に堪能できる拠点として、国内外から多くの陶磁器ファンが訪れます。
有田焼400年の歴史が息づく地
有田焼の歴史は、1616年(元和2年)に朝鮮人陶工・李参平(り・さんぺい)が肥前国有田(現在の有田町泉山)で磁器の原料となる陶石を発見したことに始まります。それまで日本では軟質の陶器しか作られていませんでしたが、この発見によって日本初の磁器が誕生しました。
17世紀中頃には、長崎の出島を拠点とするオランダ東インド会社(VOC)を通じて有田焼がヨーロッパへ輸出されるようになり、「IMARI(伊万里)」の名でヨーロッパ王侯貴族に珍重されました。マイセン磁器をはじめ、ヨーロッパの磁器産業の発展にも大きな影響を与えたことは、有田焼の国際的な影響力を物語っています。
有田陶磁の里プラザはこうした歴史の息吹が今も息づく有田町の中心地に立地しており、訪れるだけで400年以上の陶磁器文化の重みが感じられます。
約30の窯元直営店が一堂に会するショッピングモール
有田陶磁の里プラザ最大の特長は、約30もの有田焼窯元の直営店が一箇所にまとまっていることです。個々の窯元をはしごして回る必要がなく、さまざまな窯元の作風や価格帯をその場で比較しながら選ぶことができます。
各窯元はそれぞれ独自の伝統と技法を守りながら作品を生み出しています。繊細な藍色の絵柄が美しい染付(そめつけ)の器から、鮮やかな赤絵が特徴的な柿右衛門様式、金彩を多用した豪奢な金襴手(きんらんで)まで、様式も価格帯も多様です。日常使いのリーズナブルな食器から贈り物にふさわしい高級品まで幅広く取り揃えられており、初めての方でも迷わず選ぶことができます。
直営店ならではのメリットとして、ショップスタッフが自社の製品について詳しく説明してくれる点も見逃せません。「この絵柄はどのような技法で描かれているのか」「この作品はどの職人が手がけたのか」といった疑問にも丁寧に答えてもらえるため、有田焼への理解と愛着がいっそう深まります。
初心者からコレクターまで対応する品揃え
有田焼に馴染みがない方でも、有田陶磁の里プラザでは気軽に買い物を楽しむことができます。数百円で手に入るお箸置きや豆皿のような小物から、日常的に使えるカップや茶碗、来客用の器セット、さらには美術品として飾られるような大皿や花瓶まで、価格帯は非常に幅広く設定されています。
陶磁器の目利きをしている方や本格的なコレクターには、各窯元の職人が手がけた一点物の作品や、窯元の歴史を感じさせる伝統意匠の品々が揃っています。同じものが世界に二つとない一点物を求めてリピーターが訪れることも多く、何度来ても新しい発見があるのがこのプラザの醍醐味です。
また、大型のショッピングモールという性質上、駐車場も完備されており、複数の窯元で購入してもまとめて車で持ち帰れる安心感があります。
季節ごとの楽しみ方
有田陶磁の里プラザへの訪問を計画する際、特に注目したいのがゴールデンウィーク期間中(4月29日〜5月5日)に開催される「有田陶器市」です。この陶器市は江戸時代に始まった伝統ある催しで、日本三大陶器市のひとつに数えられ、毎年全国から多くの来場者が訪れます。有田町のメインストリートには多くの窯元・商社の出店が並び、特別価格で器を手に入れるチャンスでもあります。
春(3〜5月)は陶器市シーズンに向けて町全体が賑わいを増す時期で、山間の有田町では桜や新緑とともに焼き物を楽しめます。夏(6〜8月)は観光客が比較的少ないため、ゆったりと窯元巡りができる穴場のシーズンです。秋(9〜11月)は紅葉が美しく、有田町の山並みが色づく中で器を選ぶ趣があります。冬(12〜2月)はお正月の食器や贈り物需要が高まる時期で、特別なデザインの作品が店頭に並ぶこともあります。
アクセスと周辺観光
有田陶磁の里プラザへのアクセスは、JR佐世保線「有田駅」が最寄り駅です。福岡・博多方面からはJR特急「みどり」などを利用してアクセスできます。車の場合は西九州自動車道を利用すると九州各地からアクセスしやすく、広い駐車場も完備されています。
周辺には有田焼の歴史を深く学べる「佐賀県立九州陶磁文化館」があり、有田焼の歴史的名品から現代作家の作品まで幅広いコレクションを鑑賞できます。また、有田焼発祥の地として国の史跡に指定されている泉山の磁石場跡も歴史好きにはぜひ立ち寄りたいスポットです。有田駅から徒歩圏内には各窯元の工房や個人ショップも点在しており、1日かけてゆっくりと有田焼の世界を探訪することができます。有田陶磁の里プラザを起点に、日本が誇る陶磁器文化の奥深さをぜひ体感してみてください。
Access
佐賀県有田町内、最寄り駅またはバス停からアクセス
Hours
9:30〜17:00(月曜休館)
Budget
300〜1,500円
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